<結論>やってみた動画(9倍速)
Claude のブラウザ自動操作機能を使った Power BI のレポート自動作成をやってみました。セマンティックモデルの作成からビジュアル配置まで自動化できましたが、レイアウトは調整が必要です。この一連の作業で約20分かかりました。
※ 下記動画の高解像度版はこちらからどうぞ
関連記事
この記事は「Claude x Power Platform の自動操作の可能性」の第4弾です。
- 第1弾:Microsoft Listsのリストや列を自動作成
- 第2弾:Power Appsでスマホカメラアプリを自動作成
- 第3弾:Power Automateでリマインダーフローを自動作成
- 第4弾:Power BI Serviceでセマンティックモデルやレポートを自動作成
検証内容
第4弾の「Power BI のレポートを自動作成」で検証する内容は、下記のとおりです。
- Claude のブラウザ自動操作機能を使った Power BI Service でのセマンティックモデル作成
- SharePoint Lists からのデータ接続と加工
- レポートのビジュアル配置
使用したツールは、下記のとおりです。
- Claude for Chrome拡張機能(ブラウザ自動操作機能付き)
- Power BI Service(Web ブラウザ版)
- Microsoft Lists(データソース・前回作成)
※Power BI Desktop ではなく、Power BI Service(Web版)で作成を試みました。
実現方法
全体的な流れは、下記のとおりです。
- プロンプトの準備
- Claude にブラウザ自動操作を実行
- 完成したレポートの確認
1. プロンプトの準備
まず、Claude に作成したいレポートの仕様を日本語で伝えます。プロンプトは下記の通りです。
対応は日本語でお願いします。
## インプット1
ある SharePoint のリストがあります。
* https://xxxxxx.sharepoint.com/sites/ClaudeChrome/Lists/ExitList
* リスト名:ExitList
* 列
* TargetDate:種類「日付と時刻」。「時間を含める」は off、「分かりやすい形式」は off、既定値はなし、必須
* Evidence:種類「画像」
* Memo:種類「複数行テキスト」
## インプット2
ある会社で、最終退出時の消灯し忘れにより電気代の無駄が多いことが判明しました。
iPhone で最終退出する際に消灯されていることを記録として残すため、
SharePoint Lists と Power Apps で記録するアプリを作りました。
記録先は ExitList です。
* スクリーン名:FirstScreen
* 配置するコントロール
* カメラコントロール
* メモテキスト:テキスト入力コントロール(複数行)
* 登録ボタン
のシンプルな画面とし、
登録ボタン押下で ExitList に、
* TargetDate = 今日
* Evidence = カメラコントロールの画像
* Memo = メモテキスト.Text
のアイテムを 1 件登録するアプリを作りました。
### 禁止ルール
左上にある Microsoft 365 アプリ起動ツールはクリック不可とします。具体的には下記です。
<button id="O365_MainLink_NavMenu"></button>
<span class="ms-Icon--WaffleOffice365 ms-icon-font-size-16"></span>
## やりたいこと
* Power BI で、各月の集計結果を表示したいです。
* Power BI Service でセマンティック モデルを作成してください。
* ページは 1 ページとします。
* ページは、2 ペインとします
* ページ名:月別実施状況
* 左ペイン
* 積み上げ横棒グラフ
* Y 軸
* 年月(YYYY年MM月)
* ソート:年月の昇順
* X 軸
* 実施した日数
* 右ペイン
* テーブル
* 列
* 実施日(=TargetDate)
* メモ(=Memo)
* ソート:実施日昇順
現在、Power BI Service を開いているので、レポート並びにページを作成してください。
2. Claude にブラウザ自動操作を実行
プロンプトを渡したところ、Claude が下記の操作を自動で実行しました。
- ✅ セマンティックモデルを作成(SharePoint Lists に接続)
- ✅ Power Query で変換処理(カスタム列「年月」追加)
- ✅ セマンティックモデルを保存
- ✅ レポート作成を開始
- ⚠️ 積み上げ横棒グラフを追加(年月フィールド)->選択誤りがあった 集合横棒グラフが選択された。
-
中断 作業が複雑になってきたのでClaudeが処理中断。Claudeで作業継続するか、手動で人間が継続するのどちらを選択するか聞かれた。
- -> Claudeで作業継続を選択
- ✅ テーブルを追加(実施日、メモ)
- ✅ レポートを保存・テスト実行
3. 完成したレポートの確認
完成したレポートを確認したところ、下記の結果となりました。
成功した点:
- セマンティックモデルの作成に成功
- Power Query でのデータ加工も正しく実行
- 横棒グラフ、テーブルの連動が正常に動作
- 下記は、グラフで2025年01月を選択した際に、その年月のデータがテーブルに表示されたキャプチャです。
課題だった点:
- 処理時間が約20分かかった
- レイアウトが崩れている
考察
良かった点
1. 自然言語だけで完結
技術的な操作手順を知らなくても、「こういうレポートが欲しい」と伝えるだけで作成できました。
2. セマンティックモデルの自動作成
SharePoint Lists への接続、Power Query でのデータ変換、カスタム列追加という一連の流れを、Claude が完全自動で実行しました。
課題点
1. 処理時間の長さ
約20分は、手動で作れば10分程度で済む作業です。現状では大幅な時短効果はありません。
2. ビジュアル選択が試行錯誤&選択誤り
積み上げ横棒グラフを追加(年月フィールド)を選択する箇所で、
積み上げ縦棒グラフ->集合縦棒グラフ->集合横棒グラフ とえらび、結局期待値と違うビジュアルが選択された。ビジュアルの選択肢は30個以上あり、ボタン1つ1つが小さいため、プロンプトであらかじめビジュアル選択肢の補足説明が必要と思います。
3. レイアウトの品質
ビジュアルの配置とサイズ調整が不正確で、位置ずれが発生しました。実用にはプロンプトの手直しが必要です。
4. Power Query の結果に不要な列が含まれる
Power Query の結果に、SharePoint がデフォルトで持っている列など、表示に不要な列も含まれており、扱いづらい状態でした。実用にはプロンプト調整が必要と思います。
今後の可能性
1. セマンティックモデルの自動生成
Claude にセマンティックモデルだけを作らせて、人間が Power BI Desktop でレポートを作るという分業が有効になる可能性あります。データ接続・変換の手間を大幅に削減できます。
2. レポート設計のプロトタイプ作成
要件定義の段階で Claude にプロトタイプを作らせることで、クライアントとの認識合わせが早くなる可能性があります。「こういうイメージ」を素早く具体化できます。
3. DAX メジャーの下書き作成
複雑な DAX 式を書く際、Claude に下書きを作ってもらい、それを修正するという使い方が有効になる可能性があります。構文ミスも減り、学習教材としても活用できます。
まとめ
Power BI のレポート作成は、これまでセマンティックモデルの設計、Power Query でのデータ変換、DAX メジャーの記述、ビジュアルの配置といった多くのステップを手動で行う必要がありました。
しかし、今回の検証により、Claude のブラウザ自動操作機能を使うことで、自然言語の指示だけでセマンティックモデルの作成からレポート構成まで自動化できることが確認できました。
これにより、例えばレポート設計のプロトタイプを素早く作成する場合や、Power Query や DAX の記述方法を学ぶ場合など、新しい活用方法が見えてきます。
処理時間やレイアウト調整といった課題はあるものの、学習用途やプロトタイプ作成のたたき台として活用できると思います。
ぜひ一度お試しください!

