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LaravelとRedisで始めるWebSocket通信。リアルタイムな通知実装ガイド

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Last updated at Posted at 2025-08-27

note.:社員インタビュー (1).png

はじめに

今回は、Webアプリケーションに欠かせないリアルタイム通知機能をテーマに、Laravelの強力な機能であるブロードキャストとWebSocketを組み合わせて実装する方法を解説します。バックエンドにRedis、フロントエンドにVue.jsとLaravel Echoを使うことで、シンプルながらも堅牢なシステムを構築します。

なぜWebSocket通信が必要なのか?

Webアプリケーションでリアルタイムなデータ更新が必要な場合、従来は以下のような手法が使われていました。

  • ポーリング: クライアントが一定時間ごとにサーバーにリクエストを送り、新しいデータがないかを確認する。これは、サーバーへの無駄なリクエストが増加し、通信コストが高くなるという欠点があります。
  • ロングポーリング: サーバーが新しいデータを受信するまでリクエストを保持し、データが届き次第レスポンスを返す。これにより、サーバーリソースを長時間占有するという問題があります。

これに対して、WebSocket通信は、クライアントとサーバー間で一度接続を確立すると、その後は双方向でデータを送受信できる技術です。これにより、サーバーからクライアントへ能動的にデータをプッシュできるようになり、リアルタイムな通信を効率的に実現できます。

Laravelのブロードキャスト機能とWebSocketの仕組み

Laravelには、WebSocket通信を簡単に実装するためのブロードキャスト機能が標準で搭載されています。この機能は、以下のコンポーネントで構成されます。

  • Laravel: バックエンドでイベントを発生させ、ブロードキャストドライバ(今回はRedis)を介してWebSocketサーバーにイベントを送信します。
  • Redis: リアルタイムイベントのキューとして機能します。Laravelが送信したイベントを一時的に保存します。
  • WebSocketサーバー: Redisからイベントを購読し、接続しているクライアント(ブラウザ)にWebSocket経由でデータを送信します。本記事ではlaravel-echo-serverを使用します。
  • Laravel Echo: JavaScriptライブラリで、クライアント側でWebSocketサーバーに接続し、イベントを購読する役割を担います。

本記事で構築するリアルタイム通知システムの全体像

本記事では、ユーザーが「いいね」ボタンをクリックすると、以下のフローでリアルタイム通知が送られるシステムを構築します。

ユーザーが「いいね」ボタンをクリックすると、APIリクエストが送信される。

  1. Laravelがリクエストを受け取り、PostLikedというイベントを発火させる。
  2. Laravelのブロードキャスト機能が、このイベントをRedisに送信する。
  3. laravel-echo-serverがRedisからイベントを受け取り、WebSocket通信でフロントエンドに送信する。
  4. フロントエンドのVue.jsが、Laravel Echoを介してWebSocket通信を受信し、リアルタイムで通知を表示する。

開発環境のセットアップ

Docker Composeを使ったLaravelプロジェクトの準備

まず、Laravelプロジェクトと必要なサービス(Nginx、MySQL、Redis、Node.js)をDockerで動かすためのdocker-compose.ymlを作成します。

YAML

version: '3.8'
services:
  app:
    build:
      context: ./
      dockerfile: Dockerfile
    volumes:
      - .:/var/www/html
    ports:
      - "8000:8000"
    networks:
      - app-network

  redis:
    image: redis:6-alpine
    ports:
      - "6379:6379"
    networks:
      - app-network

  # Laravel Echo Server用のNode.jsコンテナ
  echo-server:
    image: node:18-alpine
    volumes:
      - ./:/app
    working_dir: /app
    ports:
      - "6001:6001"
    command: sh -c "npm install && node laravel-echo-server.js start"
    depends_on:
      - redis
    networks:
      - app-network

networks:
  app-network:
    driver: bridge

echo-serverコンテナは、Node.jsベースのWebSocketサーバーであるlaravel-echo-serverを実行するために使用します。

Redisコンテナの追加と設定

LaravelがRedisをブロードキャストドライバとして使用するように設定します。.envファイルを編集します。

BROADCAST_DRIVER=redis
REDIS_HOST=redis

REDIS_HOSTをdocker-compose.ymlで定義したサービス名redisに設定することで、コンテナ間の通信を可能にします。

Laravel Echo Serverの導入と設定

laravel-echo-serverをプロジェクトにインストールします。

Bash

docker-compose exec app npm install -g laravel-echo-server

プロジェクトのルートディレクトリにlaravel-echo-server.jsonファイルを作成し、設定を記述します。

JSON

{
  "authHost": "http://localhost:8000",
  "authEndpoint": "/api/broadcasting/auth",
  "clients": [],
  "database": "redis",
  "databaseConfig": {
    "redis": {
      "host": "redis",
      "port": "6379"
    }
  },
  "devMode": true,
  "host": "0.0.0.0",
  "port": "6001",
  "protocol": "http"
}

databaseConfigには、Redisコンテナのホスト名(redis)とポート(6379)を指定します。authHostはLaravelアプリケーションのURLです。

バックエンドでのイベント発火とブロードキャスト

通知イベントクラスの作成

Laravelでイベントを定義します。ここでは、「投稿にいいねがされた」というイベントを例にします。

Bash

docker-compose exec app php artisan make:event PostLiked

app/Events/PostLiked.phpに、イベントのプロパティと、ブロードキャストの設定を定義します。

PHP

// app/Events/PostLiked.php
<?php
namespace App\Events;
use Illuminate\Broadcasting\Channel;
use Illuminate\Broadcasting\InteractsWithSockets;
use Illuminate\Broadcasting\PresenceChannel;
use Illuminate\Broadcasting\PrivateChannel;
use Illuminate\Contracts\Broadcasting\ShouldBroadcast;
use Illuminate\Foundation\Events\Dispatchable;
use Illuminate\Queue\SerializesModels;

class PostLiked implements ShouldBroadcast
{
    use Dispatchable, InteractsWithSockets, SerializesModels;
    public $user;
    public $post;

    public function __construct(User $user, Post $post)
    {
        $this->user = $user;
        $this->post = $post;
    }

    public function broadcastOn(): Channel
    {
        return new PrivateChannel('notifications.' . $this->post->user->id);
    }

    public function broadcastWith(): array
    {
        return [
            'message' => "{$this->user->name}さんがあなたの投稿に「いいね」しました!"
        ];
    }
}

ShouldBroadcastインターフェースを実装することで、このイベントがブロードキャスト対象となります。broadcastOn()メソッドでブロードキャストするチャンネルを定義し、broadcastWith()メソッドでブロードキャストするデータを指定します。

ユーザーアクションに応じたイベントの発火

ユーザーが「いいね」ボタンを押した際に、このイベントを発火させます。

PHP

// app/Http/Controllers/PostController.php
use App\Events\PostLiked;
use Illuminate\Http\Request;

public function like(Request $request, Post $post)
{
    // いいね処理...
    event(new PostLiked($request->user(), $post));
    return response()->json(['status' => 'success']);
}

event()ヘルパー関数を使うことで、イベントを簡単に発火させることができます。

プライベートチャンネルでの認証設定

PrivateChannelは、認証されたユーザーのみが購読できるチャンネルです。認証設定を行うために、routes/channels.phpを編集します。

PHP

// routes/channels.php
use Illuminate\Support\Facades\Broadcast;

Broadcast::channel('notifications.{userId}', function ($user, $userId) {
    return (int) $user->id === (int) $userId;
});

これにより、認証中のユーザーのIDとチャンネル名に指定されたuserIdが一致する場合にのみ、そのユーザーがチャンネルを購読できるようになります。

フロントエンドでのWebSocket接続と購読

Laravel Echoの初期設定

Vue.jsプロジェクトにlaravel-echoとsocket.io-clientをインストールします。

Bash

npm install laravel-echo socket.io-client --save-dev
resources/js/app.jsでEchoのインスタンスを初期化します。
JavaScript

// resources/js/app.js
import Echo from 'laravel-echo';
import io from 'socket.io-client';

window.io = io;

window.Echo = new Echo({
    broadcaster: 'socket.io',
    host: window.location.hostname + ':6001'
});

hostには、laravel-echo-serverが動作しているホスト名とポートを指定します。

プライベートチャンネルへの接続

ユーザーがログインしている場合にのみ、プライベートチャンネルを購読します。

JavaScript

const userId = 1; // 認証中のユーザーID
window.Echo.private(`notifications.${userId}`)
    .listen('.App\\Events\\PostLiked', (e) => {
        console.log('リアルタイム通知:', e);
        alert(e.message);
    });

.listen()メソッドの第1引数には、イベントクラス名を指定します。broadcastAs()メソッドを使って別名をつけることも可能です。

イベントの受信とリアルタイム通知の表示

イベントを受信すると、.listen()に渡したコールバック関数が実行されます。この関数内で、通知を画面に表示するロジックを実装します。例えば、Vue.jsのコンポーネントで通知一覧に新しい通知を追加する、またはブラウザのネイティブ通知APIを使うなどです。

まとめと応用

構築したシステムのレビューとメリット
本記事で構築したリアルタイム通知システムは、以下のメリットを持っています。

効率的な通信: WebSocketにより、無駄なリクエストをなくし、効率的にリアルタイムなデータ更新が可能。
非同期処理: イベント駆動のアーキテクチャにより、通知処理がメインのHTTPリクエストから切り離され、アプリケーションの応答性が向上。
スケーラビリティ: Redisとキューワーカーを組み合わせることで、トラフィックの増加にも柔軟に対応できる。

通知の永続化と未読管理の実装

このシステムはリアルタイム通知を実装していますが、通知をデータベースに保存し、ユーザーがいつでも確認できるようにすることも重要です。LaravelのNotifications機能は、この永続化と未読管理の機能も提供しています。

  • 永続化: databaseドライバを使って通知をデータベースに保存。
  • 未読管理: markAsRead()メソッドを使って通知を既読にすることができます。

スケールアウトを見据えたアーキテクチャの検討

本番環境では、laravel-echo-serverの代わりに、より堅牢なプッシャーサービス(例: PusherやLaravel Reverb)を使用することが推奨されます。これらのサービスは、WebSocketサーバーの運用を管理してくれるため、開発者はアプリケーションロジックに集中できます。

  • Pusher: サービスとして提供されており、サーバーの管理が不要。
  • Laravel Reverb: Laravel公式のWebSocketサーバーで、Laravelのブロードキャスト機能と統合されている。

今回の記事では、LaravelとRedisを使ったWebSocket通信によるリアルタイム通知システムを、Docker環境で構築する方法を解説しました。この知識を活かし、あなたのアプリケーションにユーザーエンゲージメントを高める機能をぜひ実装してみてください。

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