Windows では、各種ファイルへのアクセスを短縮するためにショートカット ファイル (.lnk
拡張子のファイル) を作成できます。
実はこの .lnk
ファイルには個別にショートカット キーを割り当てることができ、任意のショートカットをキーボード操作のみで起動できます。
ショートカット キーの割り当て方法
ショートカット キーの設定は、.lnk
ファイルのプロパティから行えます。プロパティ ダイアログを表示し、[ショートカット] のタブへ移動します。
.lnk
ファイルを起動する際のキーの組み合わせは、[ショートカット キー] の項目で設定できます。
標準では Ctrl + Alt + [任意のキー]
で .lnk
ファイルを開くためのショートカット キーを割り当てられます (項目にフォーカスした状態でキーを押すと、自動で Ctrl + Alt
が補完されます) 。
キー コンビネーションには Shift
キーとの組み合わせも可能で、修飾キー以外では記号や F1
~F12
のキーも使用できます。
総括すると、以下のルールによりショートカット キーを設定可能です。
使用するキー | 修飾キー | 組み合わせ |
---|---|---|
A-Z , 0-9 , 記号 |
Ctrl , Alt , Shift のいずれか 2 つ以上 |
(26 + 10 + 11) * (3 * 2 + 1) = 329
|
F1 ~F12
|
Ctrl , Alt , Shift のいずれか 1 つ以上 |
12 * (3 + 3 * 2 + 1) = 120
|
記号キーは (英語配列であれば) `-=[]\;',./
のいずれかが該当し、ファンクションキーも含めた組み合わせの総数は 449 通りにもなります。
類似機能との比較
ショートカットキーのみでアプリケーションを起動できる同様の機能としては、タスクバーにピン留めしたアプリを起動する際のショートカット Windows + [0-9]
があります。
両機能には、おおまかに以下のような違いがあります。
観点 | アプリのピン留め |
.lnk へのショートカット割り当て |
---|---|---|
設定箇所 | タスクバー | システム上に存在する任意の .lnk ファイル |
事前操作 | アプリケーションをピン留めする | プロパティからショートカットを登録する |
組み合わせ | 10 通り | 449 通り |
設定の確認方法 | アプリケーションを全て終了した状態のタスクバー | 個別のショートカットのプロパティ |
固有の機能 |
Windows + Alt + [0-9] によるジャンプリストの展開 |
アプリケーション以外も実行可能 |
比較すると、タスクバーにピン留めする方法は「ショートカットの組み合わせ」と「起動されるアプリ」との対応が視覚的にわかりやすく、また Windows キーとのコンビネーションであることから他ショートカットとの重複が起こりにくいといえます。
.lnk
ファイルに対してショートカットを割り当てる方法は起動できる対象が多く、応用の幅が広いですが、ファイルの設定を個別に変更する手間であったり、設定したショートカットが増えてくると全貌を把握するのが困難になったり、という欠点もあります。
推奨事項
前述した管理の煩雑さを低減するため、.lnk
ファイルに対するショートカット割り当て機能を利用する場合には、以下のような運用ルールを規定することになると思います。
- ショートカットを割り当てる
.lnk
ファイルの配置場所を限定する - 使用するキーの幅をあえて制限する
自分の場合、上記のルールに則って以下の方針でショートカットを設定しています。
- デスクトップに配置した
.lnk
ファイルに対してのみショートカットを設定する
(デスクトップ アイコンは非表示に設定する) - 使用するキーは
A-Z
のみとし、数字や記号は使用しない - 起動対象アプリケーションの頭文字をとってショートカットに使用する
- 使用頻度の高いものを
Ctrl + Alt + [A-Z]
で、低いものをCtrl + Shift + Alt + [A-Z]
で登録する
自分の環境での登録例
例として、上記のルールに則って自分が設定しているショートカットは以下の通りです。
起動対象 | ショートカット |
---|---|
Blender | Ctrl + Alt + B |
Visual Studio Code | Ctrl + Alt + C |
Docker Desktop | Ctrl + Alt + D |
Groove ミュージック | Ctrl + Alt + G |
Kindle | Ctrl + Alt + K |
Office | Ctrl + Alt + O |
付箋 | Ctrl + Alt + S |
Windows Terminal | Ctrl + Alt + T |
(Geforce Experience) | Ctrl + Shift + Alt + G |
Ctrl + Shift + Alt + T |
Geforce Experience を括弧書きで表記したのは、ショートカットの設定を .lnk
ファイルではなく、Geforce Experience 自身の設定から行っているためです。Geforce Experience の起動ショートカットは標準で Alt + Z
であり、将来的に Ctrl + Alt + Z
のショートカットを設定する場面での衝突を避けるため、あえて変更を行いました。