私自身を含めた話ですが、何かの道具でどの程度効率化できるかを予測できないのは、その道具をまだ使いこなしていないからだと思います。
AIは人間からの指示なしには何もできません。AIの学習済みデータは数十GBから数TBにも達しますが、そこから何をどのように読み出すかは、あくまで人間に指示される必要があります。
つまり仕事の計画を立てさせるにも、調査をさせるにも、コードを出力させるにも、AIが吐き出す回答の精度を高めたければ、自分が送り込むプロンプトの質を高める必要があります。これはプロンプトを新たな「超高水準プログラミング言語」として使いこなす必要があるということです。
AIは人間同士のコミュニケーションの記録を学習して模倣する機械学習システムなので、 理論的には自分の依頼をより明快かつ具体的に、そして何より相手に気持ちよく伝えられればスムーズに仕事をしてくれます。人間と同じですね。 ここはひとつ、腰を据えてじっくり付き合ってあげましょう。
わかりやすい例を挙げれば、こちらが礼儀正しく親切に接すれば、AIも礼儀正しく丁寧に答えてくれます。なんなら回答の精度も上がります。複雑なタスクになるほど説明に必要な会話や、自分の意図が伝わったかどうかの確認作業が爆発的に増えるのも人間相手と同じです。最近のAIは高度にチューニングされていて、利用者に何を言われても絶対に悪口を言わないとか誠実さを失わないとか結構無理やりな指示をされているのでパッと見わかりにくいですが、本質的には職場のチームメイトや顧客と同じように接すれば間違いありません。むしろリアルのチームメイトや家族とのコミュニケーションに悩んでいるなら、受け入れやすい指示の出し方や、気さくな声の掛け方なんかをAIに質問してみるといいアドバイスをくれるかもしれませんよ。
ちなみに、そもそもAIが出てくる前から工数の見積もりは難しいことでした。そもそも最初から全てを予測することは不可能です。 仕事という「敵」を知る (=見積もる) 前に、まず自分自身や仲間についてよく知る方が必要 かもしれませんね。
個人的にAIを使用した開発は、「専属の調査チーム」を率いて仕事をするチームリーダーの役回りに似ています。AIは人間以上に指示に忠実なので、チームの能力を活かすも殺すも自分の指揮次第です。これからはAIと上手に付き合うことも工数算定の大切なスキルの一つになると思います。私も頑張ります。
