イントロダクション
こんにちは、米嶋です。先日のOpen Compliance Summit 2023において、我々教育SGの活動発表を行いました。
教育SGはOpenChain JWGの有志グループで、OSSに関わる教育資料を策定しています。
この1年間、我々は教育資料の応用編と英語版の作業を進めてきました。その活動が一段落ついたところで、今回のイベントをお披露目の場として活用させていただきました。
教育SG自体に関しては、7日に公開された小泉さんから説明がありますので、ぜひそちらもご覧ください。
講演情報
Creating OSS Educational Materials for Developers Who Actually Use OSS
講演資料はページ内に添付されています。
今回の講演メッセージ
大まかに以下の通りです。
- 活動の背景
- 各章のトピック
- 今後の展望
順に説明していきます。
教育資料作成の背景
この点は7日の記事でも触れていますが、OSSに関する共有知を集めてオープンにすることが、私たちの教育資料作成のモチベーションです。教育SGには各社から多様な立場のメンバーが集まっており、OSS教育の基礎編や応用編の各プログラムを検討してきました。当初検討の際は、各社から既存資料を持ちより活用する始め方をしましたが、以後の新たな部分を検討する際は各有識者に執筆してもらう進め方にしています。
取り組んでいる教育資料
OpenChain-JWG
Education_Materialに順次格納していきます。
私自身、社内でOSS教育資料を検討する立場にありますが、こういった共有知は非常に有益だと思っていて、うまく役立ててもらえればよいものだと考えています。
資料の特色
発表で説明した内容から、以下2点の特色を紹介します。
・セキュリティ、SBOMの領域に踏み込んだ内容
OSSを活用する際にそのライセンスの理解が一つ課題としてあり、このライセンスに関する教育資料は教育SGから過去に公開を行ってきたことがあります。今回の資料ではこのOSSライセンス問題の他、OSSのセキュリティに踏み込んだ内容になっています。昨今、著名なOSSの脆弱性問題からOSSのセキュリティに対する関心が高まっていますので、それに対する教育資料として活用を検討していただければ良いと思います。SBOMに関しても知識習得の需要はあがっているので同様に活用を検討してみてください。
・初心者を想定した教育資料
これらの資料は、OSSの取り扱いに長けていない方にも有益に使って頂けるよう、クイズ形式としたり、イメージし易いよう図で示したり、優しい資料の作成を心がけています。またユースケースを想定した構成としていて、例えばライセンスの観点ではライセンスの調査方法や製品文書や各契約書類に記載すべき内容も記載しています。
一方で、個社で対応や解釈が分かれるような内容はこれらの資料内には記載がされていませんので、こういった特色を理解してご活用を検討してみてください。
今後の展望
来春を目処に今回発表した応用編の完成を目指しています。また今回の発表をきっかけに英語圏の方からの協力も得て、多言語対応もできたら良いということも発信しました。コンテンツ自体の拡充も継続的な展開を行っていきたいと考えています。
さいごに
OpenChainはオープンなコミュニティ形成を目指しており、私たち教育SGもそのポリシーのもと活動を展開しています。フィードバックは大歓迎です。また、私たちの活動に興味がある方がいらっしゃいましたら、お気軽に声をかけてください。
さいごに、今回の教育資料策定に尽力頂いた皆様、そして今回の素晴らしい講演を一緒に作り上げてくださった皆様、ありがとうございました。