5日目は nanbuwks さんの「gmail を使って外部アドレスのメールを送受信、IoTデバイスからメールを送信」でした。
はじめに
正しいメールアドレスがシステムに登録されているはずなのに、いつの間にか届かないメールアドレスが増えてしまった。
というのはよくある話だと思います。
メール送信は基本的な機能ではありますが、ユーザのメールアドレス管理については落とし穴もあり、運用や登録の仕組み次第で届かないメールアドレスが登録されることがあります。
この記事では登録されたメールアドレスが誤ったものになってしまう事例をいくつかご紹介したいと思います。
入力されたメールアドレスにそのまま送っている
ユーザーが入力したメールアドレスに対し、その正確性を確認せずにメールを送信している。ユーザーの入力が誤っている場合もあるので、注意が必要です。
対策例
- ユーザーが入力したメールアドレスへ確認メールを送付する。そのメールには、特定のリンク(ユニークなURL)が含まれており、ユーザーにそのリンクをクリックしてもらうことで、メールアドレスの有効性を確認する。
事例
メルマガ登録
- ウェブサイトの訪問者がメルマガ購読のためにメールアドレスを登録する場合、有効性確認されないまま使用されることも多いです。確認プロセスがないと、誤ったアドレスがリストに加わる可能性があります。
オンラインショップやサービスなどのアカウント登録や変更
- オンラインショッピングサイトでアカウントを作成する際、ユーザーはメールアドレスを登録します。このアドレスが有効性確認されない場合、誤ったメールアドレスがアカウントに登録されることがあります。
- また、マイページ等でのメールアドレス変更においても同様に、アドレスが確認されない場合は誤ったアドレスに更新されることがあります。
オンラインイベントやセミナーへの登録
- ウェブベースのイベントやセミナーに登録する際に参加者がメールアドレスを入力する場合、有効性確認されないままだと誤ったメールアドレスである可能性があります。
メールアドレスが過去のもののまま更新されていない
メールが実際に届いているかを継続的に確認していない。
ユーザーがメールアドレスを変更している可能性や、使えないものになっている可能性があります。
対策例
- 送信したメールが不達となった場合に来るメール(バウンスメール)をチェックする
- ユーザーがアカウントにログインする際、定期的にメールアドレスの更新を促す
- メールの開封率やリンクのクリック率を取って追跡し、長期間活動が見られないユーザーを特定する
事例
企業の再編・合併や倒産
- 企業の再編や合併により、社員のメールアドレスが変更されることがあります。例えば、新しい企業のドメインに基づいた新しいメールアドレスの割り当てをするなどです。
- また、企業が倒産してしまい、連絡なくメールアドレスがなくなることがあります。さらに、ドメインが第三者の手に渡ることもあります。
個人が電子メールサービスを変更した場合
- ユーザーが別の電子メールサービスに変えると、旧サービスのメールアドレスが使われなくなる可能性があります。例えば、個人がGmailからOutlookに変えるなどです。
仕事の役割や職務の変更
- 企業内での役職や職務の変更により、メールアドレスが変更されることがあります。特に、特定の部署やプロジェクト固有のメールアドレスが割り当てられる場合などです。
教育機関の卒業または退職
- 大学や専門学校の学生が卒業すると、学生用メールアドレスが無効になる場合があります。同様に、教育機関の職員が退職すると、その職員のメールアドレスも使用されなくなります。
ドメイン名が第三者に渡った場合のリスク
第三者にメールを送ってしまう可能性
近年注目されている問題として、企業や団体のドメインが変更されるか廃止される場合があり、このような場合、古いドメイン名が第三者によって取得されることがあります。
ドメインの新しい所有者は、そのドメインに届くすべてのメールを受け取る権限を持っています。そのため、古いアドレス宛にメールを送り続けると、意図せず情報が第三者に漏れる危険性があります。
トラップアドレスに変わった場合のリスク
トラップアドレスにメールを送って迷惑メールフィルタに覚えられてしまう可能性
使用されなくなったドメインが「トラップアドレス」として利用されることもあります。
トラップアドレスは、主に迷惑メールを検出するために設置されたもので、このアドレスにメールが届くと、その送信元はスパムや不正な送信者として認識される可能性が高くなります。
これは、メールアドレスが最新の情報に更新されておらず、メールアドレスの管理が不十分と見なされることを意味します。その結果、スパム送信者として認識されるリスクがあり、送信されたメールが受信者に届かなくなる可能性があります。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
ほとんどの対策は既にできていると思いますが、コアな機能に比べると時間をかけることが難しく、考慮漏れしてしまうこともあるかも知れません。
「これで万全!」というほどの記事ではないですが、メールアドレス管理の検討に少しでもお役に立てれば幸いです。