はじめに
ディップ株式会社で新卒2年目エンジニアの@syun990806です!
先日社内で行われた、株式会社カオナビさんとの合同勉強会でLT発表した内容についての記事です📝
この記事では、チームトポロジーに基づくEnablingチームの役割について、「Devin導入プロジェクト」を通して得た学びについてまとめます。
当日の発表資料はこちら! 👉 Enablingチームの動きとは? - Devin導入を通じての学び -
チームトポロジーとEnablingチームの役割
現在私はCTO室直下のEnablementユニットに所属しています。
dipのエンジニア組織は、チームトポロジーに基づいた組織設計がされており、まさにそこで定義されているEnablingチームとしての位置付けになります。
このチームトポロジーに定義されたEnablingチームの役割とは、他のチームが新しい技術やスキルを円滑に導入・習得できるよう支援することです。
そして我々Enablementユニットは、「技術を通してストリームアラインドチームの自律性を高めるための仕組み作りを担う」というミッションのもと、よりAIネイティブな開発の推進を担うAI Enablementチームとしての側面を持っています。
そのため我々がまず行いたいのは、「AIコーディングツールを組織に浸透させたい!」ということです🤖
なぜDevinを導入するのか
ここからは実際に、"Devin導入プロジェクト"を進めていく話になります。
まずはDevinを導入するにあたって、そのメリットについて考えてみます。
Devinの特徴は、クラウドベースの自律型AIエージェントであることです。
クラウド上で動くことによって、ローカル環境の構築やメンテナンスの手間が省けます。
またDevinを「いちエンジニア」として扱い、保守運用における繰り返しタスクや定常作業をどんどん任せることができます。
そのため組織内に定着さえさせてしまえば、人的リソースや保守運用といった領域の大きなコスト削減に繋がると見込み、このDevin導入プロジェクトが始動しました。
"Enabling"を進める3つのアクション
我々Enablementユニットに期待される役割として、以下の3アクションを定義しています。
- 各チームへのAI技術の普及、教育、およびサポート
- AI活用によるプロダクト開発プロセスの最適化と効率化
- AI活用による開発の成功事例創出と横展開
そして今回のDevin導入プロジェクトは、1つ目のアクションである「各チームへのAI技術の普及、教育、およびサポート」のフェーズがちょうど完了したフェーズにあるので、このフェーズで目指したことと動きについて次に説明します。
とにかく組織内でDevinを使いこなせる人を増やす!
最初のフェーズで目指したことはこれに尽きます。
まずは社内のチームごとにDevinの使い所が分かる人、通称"エバンジェリスト"を立てていくために、様々な部署のメンバーに声をかけ、Devinを布教していきました。
「Devinとはこういうもので、必ずこういう場面で役に立つはず。なのであなたもDevinマスターになりませんか?」みたいな布教の仕方です。
選出したエバンジェリストたちには、最初に「Devinオンボーディング会」に参加してもらいました。
ここではDevinの公式ドキュメントを参考に、「Devinの基本情報・必ず押さえるべき機能・応用的な使い方」といった感じで端的にまとめ直したドキュメントを作成し、チームごとのエバンジェリストへのインストールを行っていきました。
そして最終的には、エバンジェリスト自身がチーム内へ広められるようになることを目指してもらうために、その仕組み作りまでを行いました。
例えばエバンジェリスト同士がDevinの使い方や疑問などをすぐシェアし、お互いにアドバイスするためのSlackチャンネルを用意したり、チームごとの具体事例を確認できるNotionページを作成したりなどです。
プロジェクトを進める上で大変だったこと
dipのエンジニア組織には色々なチームがいます。
Webやアプリといった媒体が異なるチーム、新規開発や保守運用といった開発フェーズの違いなど、チームごとの"Devinが合う形"についてエバンジェリストたちにヒアリングしながら、一緒に模索する必要がありました。
この部分が少し大変でしたが、同時にたくさんのチームの状況について知ることができ、単純にとても楽しかったです。
そして何よりこの段階が一番、"Enabling"を感じた瞬間でもありました。
学びのまとめ
ここまでを通して一番学びになったのは、Enablingチームとしての責任範囲についてです。
冒頭にも触れましたが、チームトポロジーの考えに基づいたEnablingチームの役割とは、
「他のチームが新しい技術やスキルを身につけるのを支援するチーム」
でした。
そしてこのDevin導入を通じて、まさにこの部分を実感できました。
あくまでも我々は"仕組みづくり"までが役割であり、新しい技術を波及させるための「種を蒔く」という役割です。
そしてそれをチーム内に広めるのはエバンジェリストたちの役割のため、まさに今回は、Devinオンボーディング → エバンジェリストたちがお互いに学びあえる環境作りまでを行なった訳です。
今後は引き続き各エバンジェリストへの継続的なサポートと、Devin導入後の定量的な効果計測を行い、AI活用による開発の成功事例創出と横展開を進めていきます。
そして自分自身の活動としても、このようなAI活用の事例をどんどん社外に発信していけるように精進していこうと思います💪