1. はじめに:新通知「より軽量なディープリサーチ」って何?
2025年4月25日、ChatGPT上に 「より軽量なディープリサーチが提供されるようになった」 という通知が表示され、多くのユーザーが目にしました。
これは、ChatGPTの高度な調査エージェント機能「Deep Research」が軽量版モデルでも利用できるようになったことを知らせるものです。
これまでDeep Researchは高性能かつ大規模な処理を要するため、主に上位プランユーザーのみが利用可能でした。
しかし今回のアップデートで、無料プランを含むすべてのユーザーに対して利用枠が開放され、実行回数も増えたことが大きなニュースとなっています。
2. Deep Researchとは?
概要と技術背景
Deep Researchとは、ChatGPTにおける複雑なオンラインリサーチや解析を自動で行うエージェント型の新機能です。
ユーザーが調べたいテーマを入力すると、AIが自律的にウェブ検索・情報収集・解析・要約を行い、研究員がまとめるような包括的なレポートを自動で作り上げます。従来のシンプルなチャット応答を超え、数百もの情報源を参照したり、画像やPDFを解析したり、内部でPythonコードを実行して統計処理を行うなど、幅広い手段を活用できるのが特徴です。
レポートには引用元URLの明確な参照が付くため、どの情報がどこから得られたかを追跡しやすく、信頼性も検証しやすくなっています。
できること・具体的な用途
- 専門分野の詳細調査:金融、科学、法律、政策など、複雑な情報を必要とする領域で文献を横断的に調べ、包括的にレポート化
- 市場リサーチ・競合分析:ビジネス上の競合情報や市場規模をまとめ、根拠データや出典も一括提示
- 製品選定・購買アドバイス:家電、自動車、家具など高額商品のレビュー比較・推奨分析
- 学術文献調査・技術動向調査:関連する論文や資料を集めて要点をまとめ、研究や開発に役立つ情報を提示
いずれも 「時間をかけて幅広い情報源を当たらなければならないタスク」 に強く、レポートには引用付きのエビデンスがあるため社内提出や論文執筆下調べにも有効です。
3. 「軽量版Deep Research」の登場と通知の意味
従来版との違い
「軽量版Deep Research」は、新しい「o4-mini」モデルを用いたバージョンで、従来のDeep Researchとほぼ同等の品質を保ちながら、計算資源を大幅に削減することに成功しています。
その結果、サーバー負荷やコストを抑えながらより多くのユーザーに解放することが可能になり、無料プランやPlusプランでもDeep Researchが使えるようになりました。
利用可能範囲の拡大とコスト削減
この軽量化によって、従来はProユーザー限定に近かったDeep Researchが無料ユーザー含む全プランで利用可能となり、月内の利用回数も大幅に増えています。上位プラン利用者も、標準版の使用上限を超えた場合は軽量版モデルでさらにDeep Researchを回せる仕組みになりました。
つまり今回の通知は、「これまでのDeep Researchがさらに使いやすくなった」 という内容であり、多くのユーザーが手軽に試せるタイミングが来たというわけです。
4. Deep Researchの使い方
メインの利用手順
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Deep Researchボタンをオンにする
ChatGPTの入力ボックス付近にある「Deep research」ボタン(通常は青色)を押して機能を有効化します。 -
テーマや調査内容を入力
質問や調べたい内容を、できるだけ具体的に伝えます。必要に応じて、興味分野や調査観点を追加で指定可能です。 -
調査開始~レポート生成
バックグラウンドで自動的にウェブ検索やツール実行が行われ、5~30分程度で結果がまとめられた詳細レポートが提示されます。レポートには引用元URLや要点がしっかり整理されています。
5. プランごとの利用回数制限
今回のアップデートを受け、すべてのプランでDeep Researchが利用可能になりました。
ただし、月あたりの利用可能回数にはプラン別の上限があります。
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Freeプラン(無料版)
- 月5回まで(軽量版モデルのみ適用)
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Plusプラン / Teamプラン
- 標準版:月10回
- 軽量版:月15回
- 合計:月25回まで
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Proプラン
- 標準版:月125回
- 軽量版:月125回
- 合計:月250回まで
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Enterpriseプラン / 教育機関向けEduプラン
- 標準版:月10回(追加枠は契約内容による)
Plus・Team・Proユーザーは、まず標準版の枠を使い切るまでは従来の高性能モデルでDeep Researchが動き、上限を超えると軽量版モデルが自動的に適用されます。
出力のフォーマットは同じで、品質もほぼ維持されるように調整されています。
Freeユーザーは今回初めて月5回の利用枠が追加され、無料でもDeep Researchを試せるようになりました。
6. 活用のメリット・注意点
具体的なメリット
- 時間・手間の節約:複数サイトを横断して情報収集する作業が自動化され、短時間で深いリサーチが可能
- 引用元の明示:各情報源が明確に提示されるため、信頼性や根拠がはっきりしている
- 幅広い形式への対応:テキストだけでなく、画像やPDFも解析でき、内部のPython実行で統計処理も可能
- ビジネスから学術まで幅広く使える:市場調査、競合分析、論文下調べなど、多方面のリサーチ業務を効率化
使う際の注意・コツ
- 調査テーマをできるだけ具体的に:目的や条件を明確に伝えると、より役立つレポートが得られやすい
- 実行時間に余裕をもつ:調査が完了するまで5~30分ほどかかる場合がある
- 月の利用回数を把握:プランごとの上限を超えると軽量版に切り替わる、あるいは実行不可になる場合がある
- 最終的な内容精査は自分でも:AIがまとめたレポートでも、最終的な判断や確認は人間が行うとより安心
7. まとめ
「より軽量なディープリサーチ」の提供開始により、これまで一部プラン限定だったDeep Research機能がより多くのユーザーに解放されました。
高性能モデルに近い品質を維持しつつコストを大幅に削減した軽量版は、Freeプランでも月5回まで使用可能です。ビジネス・研究・日常の買い物アドバイスまで、時間のかかるリサーチ業務を一挙に自動化できる強力な機能として、今後さらにアップデートや拡張が進むことが期待されています。
ぜひ一度試してみて、ChatGPTの新たな可能性を体感してみてはいかがでしょうか。
参考文献(リンク)
- ChatGPT 新機能「Deep Research」徹底解説&使用レビュー #OpenAI - Qiita
- Introducing deep research | OpenAI
- ChatGPTの「Deep Research」のつかいかた ~レポート作成に「包括的に/詳細に」プロンプトが超絶便利 - 柳谷智宣のAI ウォッチ! - 窓の杜
- 〖実践レビュー〗ChatGPT o3-miniとDeep Research機能って何ができるの? 使い方&特徴を教えます | ライフハッカー・ジャパン
- Deep Research FAQ | OpenAI Help Center
- ChatGPTのDeep Researchが「買い物アドバイザー」として優秀な理由 | ギズモード・ジャパン