はじめに
今日、国内初開催、という Michael Sahota 氏の Certified Agile Leadership I を受講しました。
https://www.jp.agilergo.com/cal-sahota-202001
https://agilitrix.com/certified-agile-leadership-training-cal-1/
2日間のカリキュラムなので、まだ前半のみですが、受講の熱が収まらないうちにまとめてみます。
(day2まで待たなければ国内最速公開じゃね?という色気もある)
day2 https://qiita.com/syagi/items/7aaf74abe546e06c01ec
注意(免責)
あくまで私のメモであり、私のフィルターを通した解釈を書いているので、Sahota氏の見解とは必ずしも一致しないかもしれません。
一次情報源として、なるべく agilitrix の関連ページへのリンクを張るようにしていますが、本質を知るためには、はクラスの受講を検討してください。
TL;DR
Everything here is optional
Everything is up to you.
CALって?
組織文化を変えて、ハイパフォーマンスな組織を作るためのメソッドを学ぶためのプログラム。
詳しくは
https://www.jp.agilergo.com/cal-sahota-202001
https://agilitrix.com/certified-agile-leadership-training-cal-1/
Opening
最初の言葉は、
Everything here is optional
すべての内容をどうするかは、リーダーたるあなたたちの責任です。
この言葉は、今日一日の伏線として、後々重くのしかかってくる。
House Rule & Goals
このクラス参加者が自ら同意したルールセットを作った。
また、このクラスで学びたいこと(ゴール)を全員で決めた。
ゴールを決める営みは参加者主導で行われ、ワークを通して「自らのリーダシップを観察する」という裏目的も与えられた。
The challenge with agile is the SAME in all over the world.
世界中で、多種多様な文化があるが、アジャイルの課題は共通である。
ハイパフォーマンスな組織は、全ての階層が同じ目標に向かっている。(alignmentの話か?)
その状態を作るために何を為すかを、このコースで扱う。
Agile in Organization
Challenge with Agile (アジャイルにおける課題)
良くある課題の上位は
- 文化が理解されない、浸透しない
- アジャイルを適用するための経験が足りない
- 経営陣がアジャイルを理解してくれない
- 変化に対する抵抗がある
などなど。(これは受講者の声とも一致した)
https://agilitrix.com/2017/08/fact-agile-failure-disrupting-organizational-performance/
これらに対する解決策はシンプル。
Agileしないこと。
Agileには Practice と Mindset の両側面があり、 Practiceの側面だけに目を向ける(= Agileする)ことでは課題を解決できない。
Doing Agile vs. Being Agile
https://agilitrix.com/2016/04/doing-agile-vs-being-agile/
Practice としての Agile は 20% 増、
Mindset としての Agile は3倍増 のパフォーマンスをもたらす。
Agile is Not the Goal
ただし、Agileは手段であってゴールではない。
Why Agile をちゃんと突き詰めること。
https://agilitrix.com/2017/08/agile-is-a-means-not-the-goal/
Why を突き詰めて、 Agile の種をまく土壌を作って初めて、 Agile の芽が出る。
High performance Organization
Safety and Equal voice
パフォーマンスな組織に必要な2大要素。
(Psychological) Safety
かの有名な心理的安全性。詳細割愛。
Equal voice
誰もが平等に発言できること。
ただしここで言う平等は、「権限の平等」を意味しない。
権限の平等は責任の不在であり、ディストピアだ。とのこと。
ちなみに、クラスの中では、 safety には皆賛同していたが、equal voice については、疑念の声も上がっていた。
疑念の声を上げられる点で、safetyなクラスだと言えるw
Organization Context
組織の問題点=痛いところに目を向けるのは難しい。
そこで大事なのは Humility(謙虚さ) と Compassion(思いやり)
問題点に目を向けるときは、思いやりが大切。
Compassion の対義語は judgement.
予断を下さず、事実を見つめることが大事。
とはいえ、簡単ではない。 痛いところに目を向ける恐怖が、思いやりを邪魔する。
だからこそ、自身の Compassion と judgement の境界(Edge)を知ることが大事。
Resistance
抵抗は、こちらが力をかけるから生まれる。
言い換えると、 「我々が、周囲が抵抗出来る状況を作っている」
Red List vs Green List
Red List は 押しつけのリスト。
Green List は 共感のリスト。
https://agilitrix.com/2018/12/how-to-overcome-resistance-in-your-agile-transformation-the-power-of-invitation/
Green list は Safe な組織を作る、 Agile なlist。
自分が今どちら側にいるか。
行動ではなく、マインドの面でどちら側にいるかを意識すること。
組織の雰囲気は、リーダーがどちら側にいるかに引きずられるので、要注意。
Transformation vs Growth
Transformation (変化) には恐怖が伴う。
そして変化は外圧により起こるので、Red listの側にいる。
Green List 側では、 Growth(成長) がこれに対応する。
Growth は 内発的な現象なので、抵抗なく受け入れられる。
Focusing for growth
Tactical / Strategic / Cultual
https://agilitrix.com/2012/11/tactics-strategy-culture/
3つの側面それぞれを知った上で、エネルギーを配分する必要がある。
特に着目すべきは、 Cluture
https://agilitrix.com/2012/11/tactics-strategy-culture/
Culture
Culture Model
文化とは何か、をモデル化したのが以下の図。
https://agilitrix.com/2019/02/are-you-using-the-right-culture-model/
https://agilitrix.com/2018/07/change-organizational-culture/
Sahota氏の Culture Model のポイントは People > Process という理念に基づいている点。
上半分にある要素にまずは着目すべき。
Consciousness(意識)にまず目を向ければ、 Structure(組織構造)はあとからついてくる。
別の言い方をすると、 明確な意識が無ければ、仮に正しい組織構造を適用したとしても、意義が理解できず、正しく運用できない。(20%は得られても、3xには至らない)
Culture grows locally
組織文化というと組織全体を考えがちだが、もっと小さい単位に部分適用することも可能。
この、部分適用された文化を cluture bubble と呼ぶ。
https://agilitrix.com/2013/05/how-to-build-a-culture-bubble/
Bubbleを守り、育てることで、徐々により広い組織に文化が浸透していく。
この説明で興味深かった点として、 Bubbleを守るためには Tax を払うことも必要、という話。
Tax は 本来Bubbleには不要だが、 Bubbleの外側に存在を認めてもらうために必要な営み。(個人的なイメージだが、決裁スタンプラリー、ウィークリー進捗報告、セキュリティ?検査と御指摘対応 など)
このあたり、 CSMの研修なら「SMなら『それをする必然性は何ですか?』と問いかけるべきでは??」とか詰められそうな話だが、より組織文化の現実解に寄せているように見えた。
Bubbleを拡大するためには、 Bubbleの内側にも外側にも敬意を払い、 Green list のアプローチで拡大する必要がある。
Bubbleを外に広げようと push するのではなく、 外側の人たちを魅了し、 pull する事を目指す。
しかしこれには時間がかかる。
文化を広げるには辛抱強さも大事。
Leadership
Leaders go first
リーダーは率先して新しい文化に飛び込む必要がある。
リーダーが新しい文化に馴染み、成長していくことで、メンバーが惹きつけられ、ついてくる。
なおここで、リーダーとは組織長のことではない。
リーダーは組織のどの階層にも存在するし、1人でもない。
自分が組織の文化を変えたければ、まずは自分がリーダーとして新しい文化に飛び込み、それに魅せられた人々を新たなリーダーに育て上げる必要がある。
成長させることは出来ないので、 成長「したい」と思わせる
Playbook
カリキュラムの中では、 組織文化を変えるための playbook が紹介される。
agilitrixのサイトに紹介されていたら、引用しようと思ったが、載っていないので転載は控えることにする。
基本的には、コース内で紹介された基本要素(safety, equal voice etc...)をベースに、組織のメンバーと段階的な議論(質問) を重ねて agile適用に向けたステップを踏む、というフレームワーク。
おわりに
ここまでで、 day1 は終了。
このメモでは空気感の半分も伝えられていないが、実際は 辛い現実を直視することで、原因も解決策も自分の中にあることを気づかされ、**「辛いけど逃げられない。でも道はある」**という、絶望なのか希望なのか分からない感覚を抱くことになりました。
明日は day2.
寝坊するとアウトなので、もう寝ます。