はじめに
Day1 https://qiita.com/syagi/items/bba813f610529a173aec
注意(免責)
あくまで私のメモであり、私のフィルターを通した解釈を書いているので、Sahota氏の見解とは必ずしも一致しないかもしれません。
一次情報源として、なるべく agilitrix の関連ページへのリンクを張るようにしていますが、本質を知るためには、はクラスの受講を検討してください。
TL;DR
- 組織の文化はリーダーから
- プロセスや構造に目を向けるな。人とマインドセットに目を向けよう。
Wave 2 of Agile
人とマインドセットに着目すること。
全てのプロセスやツールは、人に目を向けるために使う
High Performance Cluture
https://agilitrix.com/2019/02/are-you-using-the-right-culture-model/
文化モデルとして、 laloux culture model が紹介された。
https://agilitrix.com/2015/01/laloux-culture-model/
(日本語文献だと https://www.amazon.co.jp/dp/B078YJV9ZW/ )
Power & Structre や Achivement の文化モデルは、プロセスにフォーカスしており、従来型のビジネスに適している。しかし、 従来型のビジネスはハイパフォーマンスとは言えない。
他方、People や TEAL は 人にフォーカスして、ハイパフォーマンスを達成する土壌を持っている。
ただし、 文化モデルの組織構造(structure)の側面にばかり目を向けると、罠に落ちるので注意。
重要なのは、マインドセットを変えること。
Theory X and Y
Power & Structre や ACHIVEMENT のモデルは、 Theory X を念頭に置いている。
People や TEAL は Theory Y を念頭に置く。
ここで受講者に2つの質問が出された。
質問1) あなたの周りのworkerは、 X / Y どちらが多いか
質問2) あなた自身は、 X / Y どちら寄りか
質問1 に対する回答は、 X寄り あるいは 「場合による」 が優勢だった。
質問2 に対する回答は、 ほとんどが Y だった。
Sahota氏はこれを Cognitive bias (認知的バイアス) と呼んだ。
外界に対する観察と、自身への評価が平等に行われていない可能性を、認識すべきである、と。
また、 Yの文化の中にXが存在することは希だが、 Xの文化の中にYが存在することは往々にしてあり得る。
だからこそ、リーダーたる我々が、 XのなかのYとなり、徐々にYを増やす必要がある。
Case Study
https://www.youtube.com/watch?v=OqmdLcyES_Q
合衆国海軍の潜水艦で、文化がTEALへとシフトする話
合衆国海軍という組織の文化は変わらなくても、 潜水艦のクルーの意識がシフトしたことで、 Culture Bubble が形成された。
4A Leadership Models
リーダーとして成長するためのヒント
https://agilitrix.com/2016/10/awareness-leadership-model/
STAND IN THE TRUTH
人間の脳は、不都合な真実に直面すると、「問題ない」、「関係ない」、「大丈夫」、と問題を矮小化する方向に作用する。その事実を知った上で、不都合な真実と向き合う必要がある。
そのために役立つのが、以下の4つのAである。
- AWARENESS
- ACCEPTANCE
- ASPIRATION
- ASK For HELP
AWARENESS
自身の Leadership Edge や、 意識下、無意識下の行動、 理想とのギャップを生んでいる行動に気づくこと。
ACCEPTANCE
気づいた事実を受け入れること。 100%受け入れる事を目指す。
ストレスや痛みを伴うが、痛みは、100%に近づいているサインである。
ASPIRATION
自身の目標とする姿を定めること。
ASK For HELP
Plan A
人に助けを求める。
他の3つのAを達成するための助力を得る。
思いやりを持って、親切な言葉で助言をしてくれる人を探すのが大事。
Plan B
自然に助けを求める。
一度考えるのをやめて、散歩や旅、スポーツなどのアクティビティをやってみる。
自然に身をゆだねると、思わぬところからインスピレーションやEdgeを克服する力を得ることがある。
COMPLEXITY
複雑さの度合いによって、アプローチの方法が変わる。
複雑度が低ければ、 「正しい1つの解」があるので、それを実行すれば良い。
複雑度が高いと、 「正しい1つの解」は無く、 沢山の「あり得る解」が出てくるため、実験的に試す営みを繰り返すしかない。
しかし、複雑度が高い世界で実験を繰り返すことで、成長することが出来る。
そのための第一歩は、リーダーたる我々が実験を繰り返し、成長する姿を示すこと。
気をつけるべきは、 実験の結果として、「正しい1つの解」を求められること。
複雑さの度合いが異なるのに無理矢理アプローチを当てはめようとしているパターンなので、これはうまく行かない。
組織からそういうことを求められたら、無理に抵抗するよりは、ノラリクラリとかわしつつ、culture Bubbleの中で実験を繰り返すのが良いとのこと。
Multi-Team Alignment
自己組織化したチームは、チーム内では最適解を導けるが、チームの外にも最適な解を得られるとは限らないので、注意が必要。
複数チームを意識した文化形成(Clutual/Stategic/Tactical)が必要。
文化面では リーダーシップがチームではなく、全体の状況に責任を負うこと。
戦略面では チーム間で情報や認識の共有を行うこと
戦術面では チーム間連携を行うこと。チーム間で統合されたワークだけをDoneとみなすこと など。
Decision Making
Decision Card
意思決定には、誰が決めるか、誰のアドバイスを受けるか、誰を巻き込むか、などのオプションがある。
これらの認識が組織内でそろわないと、意思決定がうまく行かない。
そこで、 Decision Card でオプションを可視化し、揃えるアプローチがある。
https://agilitrix.com/2016/04/improve-decision-making-advice-cards/
Advice process
アドバイスを受けるときの効果的なプロセス。
https://agilitrix.com/2016/11/advice-process/
ただし、アドバイスはあくまでアドバイスであり、意思決定者は時に、アドバイスを「採用しない」判断もする。
また、応用編として、意思決定したいのに、意思決定者が自分より上位にいる場合は、アドバイスという形で提言する方法もある。その提言が十分に魅力的で惹きつけられるものなら、上位者は自発的にそれを採用するはずである。(Green List のアプローチ)
Metrics
ハイパフォーマンスな組織かどうかを評価するためのメトリクスは、人と成長に目を向けられるものを選択すべき。
ただし、メトリクスは使い方を誤れば罠に落ちるので注意。
例えば
- 遅延要素を採用し、リアルタイムな評価が出来ない
- 直接管理できないからと、無理矢理代替指標を用意する
- 数字管理(予実管理etc)が目的化してしまう
など。
Virtuos Cycle
組織のパフォーマンスを高い状態で維持するために、健全なエコシステムを循環させることが重要。
理想的なモデルは
- 従業員が顧客に価値を提供する
- 顧客が購買により資金を提供する
- 資金によって、従業員をケアする
- 1に戻る
というサイクルを回すこと。
このサイクルのスタートは、従業員にある。
また、サイクルの外側にいる 関連企業、社会、環境などにも配慮する必要がある。
Engaement
エコシステムのスタートは従業員にある。
つまり、従業員を適切に扱わないとエコシステムは機能しない。
(ここでいう 適切に扱う は Theory Y で従業員が自発的に活躍できる状態を作ること)
そのためには CALLUP Q12 (https://president.jp/articles/-/23978) のような指標で調査し、問題に対処する必要がある。
ただし、調査は 心理的安全性が担保された状態で行わないと意味が無い。
また、結果に対する改善は、リーダーが率先して行う必要がある。
リーダーが成長すれば、組織の文化もそれに続く。
https://agilitrix.com/2016/08/organization-follows-leadership/
おわりに
以上で、 Day2 の内容は終わり。
ストーリーの中に綺麗に盛り込めなかった細かい要素はけっこう端折ってまとめている。
また、 agilitrixが資料公開していない内容については、コースの中で提示された資料や図を載せていないので、ちょっと分かりづらいかもしれない。
(例えば、Virtuos Cycle や Multi-Team Alignment についてももっと詳しい資料があったが、手書きのノートを起こすのがしんどいのと、 copyright周りが不安なのでエッセンスだけに留めている)
コースを通して、自組織の現実を直視できたことと、組織を変えたいなら自分が成長して(背中で語り)追従させるしかない、というあたりを理論つきで明言されたインパクトは大きかった。
ちなみに、CAL2も年内開催を計画している?的な話が出ていた。
こっちは 3daysのクラスのあとに、 1monthのフィールドワークと成果発表がmustらしい。
なかなかHardそうな内容だが、状況が許せばチャレンジしてみたいところ。