はじめに
これまで、19cのAutonomous Databaseを23aiにアップグレードする方法としてクローン機能を使ったアップグレード方法が利用可能でした。
Upgrade to Oracle Database 23ai with Scheduled Upgrade
先日、上記マニュアルに記載の23aiへのアップグレードをスケジュールする機能が追加されました。これにより、インプレースで23aiへのアップグレードが可能になりました。
今回はそちらの機能を使い、既存の19cのADBを23aiへアップグレードしてみます。
※クローン機能を使ったアップグレード方法についても以前投稿しております。
前提
今回使用するのは、大阪リージョンで作成している既存の19cのAutonomous Data Warehouse(以下ADW)です。
スケジュールのオプションは、「使用可能な最も早いスケジュール」を使用します。
スケジュールのオプションについて
19c→23aiへのアップグレードのスケジュールは、以下2パターンから選択可能です。
⚫︎ 使用可能な最も早いスケジュール:(デフォルト)Oracle側で自動で日時設定
→追加コスト発生なし
⚫︎ 将来のスケジュール:ユーザー側で任意の日時を指定
→追加コスト発生あり(スケジュール設定〜アップグレードが完了するまでの間)
※追加で発生するコストの詳細については、以下マニュアル内の Scheduled Upgrade to 23ai をご確認ください。
Oracle Autonomous Database Serverless Features Billing
アップグレードのスケジュール
1. 既存ADBインスタンスの詳細画面を確認する
アップグレードを実施する19cのADWインスタンスの詳細画面を開きます。
「データベースのバージョン」を確認すると、19c表示の横に23aiへのアップグレードのスケジュールのボタンが表示されていることがわかります。
2. 23aiへのアップグレードをスケジュールする
23aiへのアップグレードのスケジュールをクリックすると、以下のポップが表示されます。
スケジュールの選択はデフォルトの「使用可能な最も早いスケジュール」のままにし、右下の「スケジュール」をクリックします。
3. スケジュールを確認する
デフォルトの「使用可能な最も早いスケジュール」を選択した場合、アップグレードが実施される日時が自動でセットされます。
スケジュールがセットされると、以下のようにインスタンスの詳細に「スケジュール済23aiアップグレード」に日時がUTCで表示されます。
あくまでも参考までにですが、今回の場合はこの操作の約1時間後にアップグレードがスケジュールされました。
4. アップグレード状況の確認
スケジュールの時間になったらアップグレード作業が開始され、状態が「アップグレード中」に切り替わります。
5. アップグレード完了の確認
アップグレードが完了したら、状態が「使用可能」に切り替わります。
インスタンスの詳細画面を確認すると、データベースのバージョンは23aiに変更されており、画面上部に以下の表記が追加されていました。
「このデータベースとそれに関連するリソースは、データベース・バージョン23aiに正常にアップグレードされました。」
19c→23aiへのインプレース・アップグレードの実施は以上で完了です。
おまけ
作業状況の確認をしたい場合は、インスタンスの詳細画面の「作業リクエスト」より確認ができます。
操作内容、状態(ステータス)、%完了、受け入れ済み時間、開始時間、終了時間などが表示されます。アップグレードのスケジュールを設定した時間や、アップグレードを開始〜終了した時間などを確認することができます。
まとめ
今回、既存の19cのADWインスタンスをインプレースで23aiへアップグレードしました。
操作は簡単ですが、実際にアップグレードを検討する際は、23aiでのワークロードのテストやマニュアルに記載の注意事項も併せて確認する必要があります。
Notes for Scheduled Upgrade to Oracle Database 23ai
またマニュアル冒頭に以下の記載もあり、一度インプレースでアップグレードするとコンソール上ではダウングレード(23ai→19cへ戻す)操作ができないこともご注意ください。
Please ensure you test your workloads on Oracle Database 23ai before you upgrade your database.
After you upgrade to Oracle Database 23ai there is no option on the Oracle Cloud Infrastructure Console or with the APIs to downgrade the database. If you need to downgrade the database you can file a support ticket at Oracle Cloud Support or contact your support representative. A downgrade request must opened within 72 hours after you upgrade.
参考情報
OCIドキュメント
・Upgrade to Oracle Database 23ai with Scheduled Upgrade
Qiita
・[Oracle Cloud][Autonomous Database]ADB-S19c を 23ai へ In-Placeアップグレードしてみた。(2025/08/20)