【AWS解説 基本編 #1】AWSとは?クラウドとオンプレミスの違いを整理
基本編 #1(全 6 回予定)
AWSを学び始めると、EC2、S3、Lambdaなど、さまざまなサービス名が出てきます。
ただ、それらを覚える前に、
そもそもAWSとは何なのか
クラウドにすると何が変わるのか
が曖昧なままだと、各サービスの役割も理解しにくくなります。
私もAWSを学び始めた頃は、「インターネット上にサーバーを作るサービス」くらいの認識でした。
この記事では、個別のAWSサービスを学ぶ前の基礎として、AWSとクラウドの意味、オンプレミスとの違いを整理します。
AWSとは
AWSは、Amazon Web Servicesの略です。
Amazonが提供しているクラウドサービスで、サーバー、ストレージ、データベース、ネットワークなど、システムを作るために必要な機能が数多く用意されています。
例えば、仮想サーバーを作る Amazon EC2、ファイルを保存する Amazon S3、データベースを用意する Amazon RDS、プログラムを実行する AWS Lambda などがあります。これらを必要に応じて選び、組み合わせることで、WebサイトやWebアプリケーションなどを構築します。
クラウドサービスを提供しているのはAWSだけではありません。Microsoft Azure や Google Cloud など、他社にも同じようなサービスがあります。
そのため、AWSはクラウドそのものの名称ではなく、Amazonが提供するクラウドサービス群の名称です。
クラウドとは
クラウドは英語で「Cloud」、つまり雲を意味します。
ネットワーク構成図では、インターネットなど、利用者が物理的な場所を意識しなくてよい部分を雲の形で表すことがあります。そこから、ネットワーク経由でサーバーやデータを利用する仕組みを「クラウド」と呼ぶようになりました。
クラウドサービスでは、サーバー、ストレージ、データベース、ネットワーク、監視やログ管理の仕組みといった IT リソースを、ネットワーク経由で利用できます。
例えばサーバーが必要になった場合、物理的な機器を購入して設置する代わりに、AWSの管理画面から仮想サーバーを作成できます。
簡単に表すと、クラウドは次のような仕組みです。
自分でデータセンターや物理サーバーを用意しなくても、ネットワーク経由で必要なITリソースを利用できる仕組み
オンプレミスとは
クラウドと比較するときによく出てくる言葉が、オンプレミスです。「オンプレ」と略して呼ばれることもあります。
オンプレミスとは、サーバーなどのハードウェアやネットワーク機器を自社で用意し、システムを運用する方式です。Webサーバーやデータベース、ストレージ、ネットワーク機器、監視の仕組みに加え、環境によっては機器を置く場所や電源、冷却設備まで自社で管理することもあります。
サーバーを用意するだけでなく、機器の故障、老朽化、容量不足なども考える必要があります。
オンプレミスには、独自の要件に合わせて細かく設計しやすいというメリットがあります。一方で、物理機器の購入や設置に初期費用がかかり、運用にも人員や設備が必要になります。
AWSを使うと何が変わるのか
AWSを利用する場合、サーバーやストレージを動かしている物理機器はAWS側が管理します。
利用者はインターネットに接続できるPCからAWSへアクセスし、管理画面やAPIを使って必要なリソースを作成します。そのため、自分で物理サーバーを購入したり、データセンターの電源や冷却設備を管理したりする必要はありません。
オンプレミスとクラウドの違いを簡単に整理すると、次のようになります。
| 観点 | オンプレミス | クラウド(AWS) |
|---|---|---|
| 物理サーバー | 自社で用意・管理 | AWS側が管理 |
| 電源や冷却設備 | 自社側で管理する場合がある | AWS側が管理 |
| 利用開始 | 機器の調達や設置が必要 | 管理画面から比較的すぐに開始できる |
| スペック変更 | 機器の交換や増設が必要 | 設定変更で対応しやすい |
| 初期費用 | 大きくなりやすい | 小さく始めやすい |
クラウドの大きな特徴は、必要なときに必要な分だけリソースを用意しやすいことです。例えば、最初は小さなサーバーで始め、アクセスが増えたら性能を上げる、といった変更もしやすくなります。
クラウドでも管理は必要
AWSを使えば、すべての運用が不要になるわけではありません。
物理機器の管理はAWS側が行いますが、AWS上に作成したリソースやアプリケーションは利用者が管理する必要があります。アカウントの守り方、パスワードやMFA、権限の設定、サーバーやデータベースの内容、アプリケーション本体、そして料金や不要リソースの削除といった部分は、利用者側に残ります。
特に学習目的でAWSを使う場合、作成したリソースを消し忘れると、利用していない間も料金が発生することがあります。
クラウドは「運用がなくなる」というより、物理機器の管理が減り、AWS上の設定やセキュリティ、料金の管理が中心になると考えると分かりやすいです。
AWS側と利用者側の管理範囲については、「責任共有モデル」と呼ばれる考え方があります。これは基本編の後半で改めて扱います。
まとめ
AWSはAmazonが提供するクラウドサービスです。クラウドではネットワーク経由でサーバーやストレージなどを利用でき、オンプレミスでは物理機器や設備を自社で管理します。AWSではその物理面をAWS側が担う一方で、権限、セキュリティ、料金などの管理は利用者側に残ります。
AWSには多くのサービスがありますが、最初からすべてを覚える必要はありません。まずは「AWSは複数のサービスを組み合わせてシステムを作るもの」と理解しておくと、個別のサービスも学びやすくなります。
次回は、EC2やS3などがなぜ別々のサービスとして提供されているのか、AWSサービスの基本的な考え方を整理します。


