はじめに
先日、Microsoft AZ-104(Azure Administrator Associate)に合格しました。
合格までの道のりで、最も悩まされたのは**「実機を触る環境をどう確保するか」**でした。
ご存知の方も多いと思いますが、2025年9月以降、Microsoft Learnのサンドボックス機能が段階的に廃止されました。これまで無料で気軽に試せた学習環境が突然なくなり、独学者にとっては大きな打撃でした。
本記事では、Microsoft Learn廃止後の状況下で、私がどうやって実機演習環境を確保し、AZ-104合格まで辿り着いたかを共有します。
特に以下の方の参考になれば嬉しいです:
- これからAZ-104を受験する方
- Microsoft Learnの廃止で学習環境に困っている方
- ハンズオン環境の選択肢を比較したい方
- コストを抑えながら効率的に学びたい方
なぜハンズオン環境にこだわったのか
AZ-104は「Azureのインフラ管理者」の資格です。出題内容を見ると、テキストや動画だけで理解するのが難しい問題が多くあります。
例えば以下のような出題:
- VNetピアリングの設定で、どこに何を入力するか
- NSGの優先順位がどう動作するか
- Storage Accountのレプリケーションオプションの違い
- RBACで Reader / Contributor / Owner をどう使い分けるか
- App Serviceのデプロイスロットの切り替え動作
これらは実際に画面を触って構築してみないと「なるほど、こういうことか」と腑に落ちません。
私は最初、Udemy講座と参考書だけで進めていました。しかし、模擬試験で点数が伸び悩む。原因は明らかでした。手を動かしていないのです。
文字で読んで「分かった気」になっても、いざ実機の画面を見ると「あれ、この設定どこにあったっけ」となる。これでは試験本番でも同じ状況になります。
ハンズオン環境を確保することは、AZ-104合格には必須だと痛感しました。
ハンズオン環境の選択肢を全部試した話
実機を触る環境として、以下を順番に検討・試行しました。それぞれの体験を率直に共有します。
選択肢1: 自分のAzureアカウントを作成
新規登録時の$200クレジットを活用する方法です。
良かった点:
- 本物のAzure環境
- 制約なく自由に試せる
- 30日間は実質無料
困った点:
- 30日経過後は完全有料
- リソースの消し忘れによる請求事故リスク
- 「これ料金かかってないかな」と毎回不安
- 学習に集中できない
実際に最初の月、設定したVMを停止し忘れて数千円の請求が来ました。学習を始めたばかりの時期にこれは精神的にきつかったです。
コスト: 月3,000〜10,000円(使い方による)
選択肢2: Microsoft Learn(廃止前)
無料のサンドボックス機能。「Activate sandbox」ボタンを押すだけで一時的なAzure環境が使えました。
これは2025年9月以降に廃止されています。それまでは独学者の強い味方でしたが、現在は使えません。
復活する可能性については、公式情報を見る限り不透明です。
選択肢3: Udemy講座のハンズオンセクション
講師が画面を見せながら解説してくれます。
良かった点:
- 講師の手順を真似できる
- 解説付きで理解しやすい
困った点:
- 講座を一時停止して自分で操作するのは煩雑
- 講師と完全に同じ環境にならず、エラーが出ても自力で解決が必要
- 自分で応用問題に挑戦できない
これだけでは「動画を見ているだけ」の状態を脱せませんでした。
選択肢4: CloudDo(Azureの有料ハンズオンラボ)
最近、日本語で運営されている使い捨てサンドボックスサービスをいくつか見つけました。
https://clouddo.app/
特に試したサービスはCloudDoというサービスです。:
- 月額3,300円程度
- 2時間制限の使い捨て環境を1日1回起動
- 自動削除で請求事故ゼロ
- 日本語サポート付き
良かった点:
- 日本語で安心して使える
- 自動削除されるので請求事故の心配なし
- 学習に集中できる
- AZ-104の出題範囲に沿った課題集付き
私が最終的に学習で一番使ったのはこのタイプのサービスでした。
私が実際に使った組み合わせ
色々試した結果、私が最終的に使ったのは以下の組み合わせです。
1. ベース教材: Udemy講座(2,400円)
- AZ-104の全範囲を一通り学べる動画講座
- 倍速再生でインプット効率UP
2. 公式ドキュメント: Microsoft Learn(教材機能のみ、無料)
- サンドボックスは使えないが、テキスト教材は読める
- 出題範囲に該当する箇所を精読
3. ハンズオン: CloudDo(月額3,300円)
- 毎日コツコツ実機を触る
- 課題に沿って手を動かす
4. 模擬試験: Udemy(3,000円程度)
- 試験直前1〜2週間で集中的に
- 弱点分野を特定
合計で1万円弱のコスト。試験料を入れても2.5万円程度で合格できました。
ハンズオンで重点的にやるべき分野
合格してから振り返ると、「実機でやっておいて本当に良かった」と思う分野があります。
1. ネットワーク(VNet周り)
最重要分野です。出題が多く、しかも実機で触らないと分からない問題が多い。
優先度の高い演習:
- VNet作成、サブネット分割
- VNetピアリング(同じリージョン、異なるリージョン)
- NSG(Network Security Group)の優先順位の動作
- ルートテーブルとUDR(User Defined Routes)
- Application Gateway(余裕があれば)
特にVNetピアリングは、書籍を読むだけでは絶対に理解できません。自分で構築して、ping を通してみるまで触ってください。
2. ストレージ
Storage Accountの選択肢が多すぎて、文字で覚えるのは困難な分野。
優先度の高い演習:
- Storage Account作成(各種設定の意味を理解)
- Blob、File、Queue、Tableの使い分け
- レプリケーション(LRS / ZRS / GRS / RA-GRS)の選択
- アクセスポリシーとSAS
「LRSとZRSのどっちが正解?」みたいな問題は、実機で「どこに選択肢があるか」を見ておくと記憶に定着します。
3. ID管理(Entra ID)
最近の試験ではEntra ID(旧Azure AD)関連の出題が増えています。
優先度の高い演習:
- ユーザー作成、グループ管理
- RBAC(Reader / Contributor / Owner)の挙動確認
- 条件付きアクセスの設定
- MFA設定
特にRBACは、複数の権限を組み合わせた問題が頻出します。実機で各ロールを割り当てて、何ができて何ができないかを確認してください。
4. 仮想マシン
基本中の基本ですが、奥が深いです。
優先度の高い演習:
- VM作成、サイズ選択
- 可用性ゾーン、可用性セットの違い
- 拡張機能、スケールセット
- バックアップ設定
複数台のVMを組み合わせた構成を実際に作ってみると、理解が深まります。
5. 監視と管理
これは実機がないと理解しにくい分野No.1だと思います。
優先度の高い演習:
- Azure Monitor、Log Analyticsワークスペース
- Azure Policy(コンプライアンス確認)
- Cost Management
- Alert設定
特にAzure Policyは、文字で読んでもピンと来ません。実機で何かしらのポリシーを適用して、リソース作成時に弾かれる体験をしてみてください。
試験対策の進め方
ここからは試験対策全般のtipsです。
学習スケジュール例
私の場合、以下のような流れで進めました(週10〜15時間想定):
Phase 1: 基礎インプット(Udemy講座中心)
全範囲を一通り視聴
章ごとにメモを取る
Phase 2: 実機演習(サンドボックス中心)
主要サービスを実際に構築
公式ドキュメントを参照しながら
Phase 3: 模擬試験で弱点把握
模擬試験を1回解く
間違えた分野をリストアップ
Phase 4: 弱点分野を再ハンズオン
苦手分野を実機で再確認
公式ドキュメントを精読
Phase 5: 仕上げ
模擬試験を再度解く
最終確認
人によってペースは違いますが、実機演習に最低でも全体の40%以上の時間を割くのがおすすめです。
試験当日の注意
合格者として伝えたいtips:
- オンライン受験はトラブル多発: テストセンター推奨
- 試験時間は割と短い: 見直し時間が想像以上に短い
- 「分からない問題」は後回し: チェックして次へ進む
- 記憶があやふやな問題: 実機の画面を思い出す
まとめ - 合格のために本当に必要だったこと
Microsoft Learnの廃止は、独学者にとって大きな打撃でした。私自身、最初は「お金をかけずに学べないか」と無料の選択肢を探しまくりました。
しかし結論として、月数千円の投資は惜しまない方が早く合格できると痛感しました。
無料にこだわって時間を浪費するより、適切な投資で実機演習環境を確保し、合格までのスピードを上げる方が圧倒的にコスパが良いです。
特にハンズオン環境は、「請求事故が怖い」「制限が分かりにくい」という不安が学習を妨げます。多少のコストを払って安心して実機を触れる環境を選ぶことを、強くお勧めします。
私と同じように、Microsoft Learn廃止で困っている方の参考になれば幸いです。