Docker知識ゼロでもWordPress開発環境が60秒で完成する公式ツールとは
WordPressのテーマやプラグインを開発するとき、ローカル環境の準備で挫折した経験はないでしょうか。
XAMPPの設定でハマったり、Local by Flywheelのインストールに時間がかかったり、そもそも「本番と同じPHPバージョンで試したいのに合わせ方がわからない」という悩みもよくあります。
実はWordPress公式が配布しているwp-envというツールを使うと、コマンド数行でPHP・MySQL・Apacheが揃った環境が立ち上がります。
Gutenbergの開発チーム自身が使っているツールなので、信頼性も高いです。
wp-envとは何か
wp-envは@wordpress/envというnpmパッケージで配布されている、WordPress公式のローカル開発ツールです。
裏側ではDockerを使っていますが、Docker Composeの設定ファイルを自分で書く必要はありません。
設定はJSON1つだけです。
2026年9月時点の最新のWordPressコアは7.0系(コードネームArmstrong)です。wp-envは指定しなければ常に最新の安定版WordPressを取得するので、最新機能の検証にもそのまま使えます。
事前に必要なもの
以下の3つだけ用意すれば準備は完了です。
- Docker Desktop(Windows / Mac / Linuxいずれも対応、WindowsはWSL2バックエンド推奨)
- Node.jsのLTS版(nvmなどのバージョン管理ツール経由が安全です)
- git(テーマやプラグインのソース取得に使われます)
Dockerの詳しい知識は不要です。インストールしてアプリを起動しておくだけで大丈夫です。
セットアップ手順
作業用のディレクトリを作り、そこに移動してからwp-envをグローバルインストールします。
npm -g install @wordpress/env
続けて、開発したいテーマやプラグインのディレクトリ(なければ新規ディレクトリ)に移動し、起動コマンドを打つだけです。
cd my-plugin
wp-env start
初回はDockerイメージのダウンロードが走るので数分かかりますが、2回目以降はほぼ即座に立ち上がります。
起動が終わったら、ブラウザでhttp://localhost:8888にアクセスしてください。
管理画面はhttp://localhost:8888/wp-adminで、初期ユーザー名はadmin、パスワードはpasswordです。
このデフォルトの管理者パスワードはローカル専用です。インターネットに公開するサーバーで使い回すと非常に危険なので、本番環境には絶対に流用しないでください。
よく使う設定を.wp-env.jsonにまとめる
プロジェクト直下に.wp-env.jsonを置くと、有効化したいプラグインやテーマ、PHPバージョンなどをチームで共有できます。
{
"core": null,
"phpVersion": "8.3",
"plugins": ["."],
"themes": [],
"config": {
"WP_DEBUG": true
}
}
coreをnullにしておくと常に最新のWordPressが使われます。
逆に検証したいバージョンが決まっている場合は"WordPress/WordPress#6.9"のようにタグやブランチを指定することも可能です。
環境を止める・消す
作業を終えるときは以下のコマンドで止められます。
データは保持されたままです。
wp-env stop
環境を完全に作り直したいときはwp-env destroyを実行してください。
関連するDockerのコンテナやボリュームがまとめて削除され、次にwp-env startをしたときにまっさらな状態から始まります。
つまずきやすいポイント
ERROR: Couldn't connect to Docker daemonというエラーが出た場合は、単純にDocker Desktopが起動していないだけのケースがほとんどです。
タスクトレイのDockerアイコンを確認してみてください。
また、社内プロキシ環境ではDockerイメージの取得に失敗することがあります。
その場合はDocker Desktopのプロキシ設定を先に見直すと解決することが多いです。
まとめ
wp-envを使えば、Dockerの知識がなくてもコマンド2つでWordPressの開発環境が手に入ります。
チーム開発でも.wp-env.jsonを共有するだけで環境差異がなくなるので、これからテーマやプラグイン開発を始める人はぜひ試してみてください。