問題の34ページをめくったら、急に中二病のような単語が並んでいたので、調べてみました。
キャズム
「キャズム」(Chasm)は、技術革新や製品の普及に関する概念で、特に「技術採用ライフサイクル」において重要な意味を持つ用語です。この概念は、ジェフリー・ムーア(Geoffrey A. Moore)の著書『クロッシング・ザ・キャズム』(Crossing the Chasm)で広く知られるようになりました。
キャズムの意味
キャズムは、新しい技術や製品が初期の市場(イノベーターや初期採用者)から主流市場(初期多数派や後期多数派)へ移行する際に生じる「ギャップ」 を指します。このギャップは、革新的な技術や製品が早期の支持者に受け入れられる一方で、一般の消費者に普及するのが難しくなる現象を表しています。
具体的には、製品やサービスが最初の熱心な支持者(イノベーターや初期採用者)によって採用されるものの、その後の多数派(後期多数派や遅滞者)に対しては、広く普及するためにはさらに多くの努力が必要だということです。キャズムを越えられないと、技術や製品は広がらず、市場で成功することができません。
技術採用ライフサイクル
技術採用ライフサイクルは、以下の5つの段階に分けられます:
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イノベーター(Innovators)
新技術を最初に採用する少数の人々。リスクを取ることを厭わず、革新に興味を持っています。 -
初期採用者(Early Adopters)
技術に敏感で、イノベーターに続いて採用する人々。新しい技術に対する関心が高く、その製品の可能性を評価します。 -
初期多数派(Early Majority)
技術に対して慎重で、他人が使用して成功しているのを見てから採用を決める人々。この段階でキャズムが現れます。 -
後期多数派(Late Majority)
技術が広く普及してから採用を決める、より保守的な人々。 -
遅滞者(Laggards)
新技術に対して非常に保守的で、最も遅く採用する人々。
キャズムを越える重要性
キャズムは、主に「初期採用者」と「初期多数派」の間に現れるギャップです。このギャップを越えることができると、製品や技術は急速に普及し、商業的に成功する可能性が高くなります。逆にキャズムを越えられないと、製品は主流市場に届かず、衰退してしまうことがあります。
魔の川、死の谷、ダーウィンの海
「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」は、ビジネスや技術開発において製品や技術の普及過程で直面する困難を表現するメタファーです。これらの概念を視覚的に理解するために、以下にそれぞれを説明します。
1. 魔の川
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意味:
基礎研究→開発の障壁。
研究成果を実用化するのに、市場ニーズや資金調達、技術課題を満たさなければならない。
2. 死の谷
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意味:
開発→事業化の障壁。
製品開発して事業化するまでに、スポンサーがつかなかったり、事業化までのコストがかさむなどして断念することがある。
3. ダーウィンの海
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意味:
事業化→産業化
販売までこぎつけたとしても売れなければ生き残れない。
製品の生存競争や変化するニーズに応えなければならない。