9月2日に、Claude Fable 5.1 が2ターン目のキャッシュに乗ったり乗らなかったりすると書きました。18回測って13回外れ、原因は分かりませんでした。
翌9月3日の 2.1.260 に、Fable 5.1 のキャッシュ修正が3件入りました。測り直したらこうなりました。
2.1.260 / Fable 5.1 2ターン目のヒット率
ツールを使った 99.7 99.7 99.7 99.7 99.7 99.7 6回とも乗る
ツールを使わない 38.6 38.6 38.6 38.6 38.6 99.7 … 9回中8回外す
私が測っていたのは、修正の対象ではありませんでした。
検証環境: Windows 10 / Claude Code 2.1.260 / 測定は 2026-09-04 時点
何が修正されたか
リリースノートの記述です。
Fixed prompt caching on Claude Fable 5.1 not covering the context attached after tool results, so it was re-sent as uncached input on every tool-call turn
(Fable 5.1 のプロンプトキャッシュがツール結果のあとに付いた context を覆っていなかった問題を修正。ツールを呼ぶターンのたびに、キャッシュされない入力として再送されていた)
「ツール結果のあと」という条件が付いています。
9月2日に私が測ったのは claude -p "hi" で、ツールを1度も呼んでいません。 条件が違います。
条件を合わせて測った
同じセッションを --resume で継続し、ツールを使う場合と使わない場合を分けました。
ツールを使わない(hi → hi again)
| 試行 | read | create | ヒット率 |
|---|---|---|---|
| 1〜5 | 32,047 | 約51,000 | 38.6% |
| 6 | 82,696 | 211 | 99.7% |
| 7〜9 | 32,047 | 約51,000 | 38.6% |
ツールを使う(Read で .md を1つ読ませてから継続)
| 試行 | read | create | ヒット率 |
|---|---|---|---|
| 1〜6 | 約163,000 | 425〜496 | 99.7% |
6回とも乗りました。 ばらつきがありません。
つまり、直ったのは半分
| 2.1.258(9/2) | 2.1.260(9/4) | |
|---|---|---|
| ツールを使うターン | 未測定 | 6回とも99.7% |
| ツールを使わないターン | 18回中13回が約40% | 9回中8回が38.6% |
ツールを使わない側は、そのまま残っています。 むしろ低いほうに寄っています(72% → 89%)。試行数が9回と少ないので、この差は誤差の範囲かもしれません。
外したターンにいくら払うか
書き直す約 50,959 トークンを価格表で換算します。1時間キャッシュの書き込みは Fable 5.1 が $20/M です。
外したとき 50,959 tok × $20/M = $1.02
乗ったとき 496 tok × $20/M = $0.010
1ターンで約1ドルの差です。私はサブスクなので請求されませんが、API 定価ではこうなります。
何をすれば乗るのか
ツールを呼ばせれば乗ります(6回とも99.7%)。コードを触る作業はたいていファイルを読むので、そういう使い方なら影響は小さいはずです。ここは推測で、測っていません。
測って確かめたのは、ツールを使わない側が残っていることです。
-
claude -pで質問だけ投げるバッチ - ファイルを触らせず、文章の相談だけする使い方
- 要約や翻訳をさせる用途
こうした使い方では、2ターン目に5万トークン書き直すことになります。
前の記事の数字は訂正しません
9月2日の記事に「18回中13回外れた。原因は分かりません」と書きました。あれは 2.1.258 での実測で、それ自体は正しい記録です。
今回分かったのは、その現象が 2.1.260 の修正の対象ではなかったということです。修正が入ったから直ったはず、と思い込まずに測ったのが良かったと思っています。
「公式が修正を出した」と「自分が見た現象が直った」は別の話です。
測るときの注意
リリースノートの条件を読み飛ばさないでください。
今回の修正には「after tool results」という限定が付いています。これを見落とすと、
- 直っていないのに「直った」と書く
- 直っているのに「直っていない」と書く
のどちらかになります。私は後者をやりかけました。 ツールなしで測って「直っていない」で終わるところでした。
条件を変えて測り直すまでが検証です。
まとめ
- 9月2日に「Fable 5.1 は2ターン目のキャッシュに18回中13回乗り損ねる。原因は分かりません」と書いた
- 翌9月3日の 2.1.260 に Fable 5.1 のキャッシュ修正が3件入った
- 修正の条件は「ツール結果のあとに付いた context」。 私の測定はツールを使っていなかった
- 条件を合わせて測ると、ツールを使うターンは6回とも99.7%で乗った
- ツールを使わないターンは、9回中8回が38.6%のまま。 直っていない
- 外したターンは約5万トークンを書き直す。定価換算で 約$1.02
-
claude -pで質問だけ投げる使い方が一番影響を受ける - 「公式が修正を出した」と「自分が見た現象が直った」は別
リリースノートに条件が書いてあるときは、その条件で測り直してください。 私は一度「直っていない」で終わらせるところでした。
参考
- Claude Code v2.1.260 リリースノート — Fable 5.1 のキャッシュ修正3件
- How Claude Code uses prompt caching — キャッシュの仕組み
- Pricing — 1時間書込 $20/M
※ 引用は原文と日本語訳を併記しています。訳は読みやすさを優先しているので、正確な表現は原典をご確認ください。
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