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新卒5ヶ月目でPMをやったら、1時間おきの「大丈夫です」で丸1日が消えた

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新卒5ヶ月目でPMをやったら、1時間おきの「大丈夫です」で丸1日が消えた

新卒5ヶ月目で、研修のプロジェクトマネージャーをやりました。4人1チームで1ヶ月弱アプリを開発して、最後に成果物を発表する研修です。

その発表の2日前の夜に、後半のスライドを任せていたメンバーの手元を見たら1枚もできていませんでした。しかもその日、自分は1時間おきに「どう? 詰まってるところある?」と聞いていて、返ってくるのは毎回「大丈夫です」だったんですよね。それを1日中やって、丸1日が消えました。で、そのあと自分は、学生のとき一番嫌いだった詰め方でその人を詰めました。

先に書いておくと、問題は聞き方ではありませんでした。翌日、聞き方は「どう?」のまま何も変えずに、渡すタスクを「後半のスライド、作っておいて」から「20ページ目にこの画像が欲しい、撮る順番はここから」に変えたら100点の成果物が上がってきたので、何をすればいいか分かっていない人に「大丈夫?」と聞いても、返事は最初から決まっていました。

順番に書きます。

開発をしないPMを選んだ

4人の内訳は経験者2人と未経験者2人で、自分は経験者枠、PMは立候補です。

で、自分は開発をほとんどしないことに決めました。経験者2人がガリガリ実装すると未経験の2人が見ているだけになってしまうので、1ヶ月しかない研修なら学びの機会を配るほうを取ろうと。この判断が最後に効いてきます。

3週間目までは、うまくいっていた

研修と並行してプライベートで『Googleのソフトウェアエンジニアリング』を読んでいて、5章にサーバントリーダーシップという考え方が出てきます。チームの面倒ごとを自分が引き受けて、メンバーが本来の仕事に集中できる状態を作る、というやつです。読んだ直後にチームを持つことになったので、そのまま試しました。

具体的には、Notionのチーム開発ページを整えて、テストシートを作って、タスクを洗い出して進捗を持って、DB設計を引いて、レビューを回して、詰まった人の相談を受けて、講師とのやり取りも引き受けて、という感じです。これは効きました。他の3人は自分の作業だけ見ていればいいし、全体の進捗を自分が持っているので今どれくらい余裕があるかが常に見えるし、開発をしていないぶん自分が一番フリーなので、誰かが転んでもすぐ手が回ります。

一度だけ講師の方に「講師とのやり取り、もっと他の人に任せてもいいんじゃない?」と言われましたが、今もそうは思っていません。どうせその情報は自分のところに集まるので、自分から3人に配ればいいかなと。ここは意見が分かれるところだと思います。

とにかく、3週間目までは回っていました。

見に行くのを、やめた

発表3日前に、スライドを前半・後半で割って、前半を自分、後半をメンバーの1人に任せました。叩き台はもう作ってあって、「20ページ目に後半でやったことを書く」「21ページ目はその目次」というレベルまで箱は置いてある状態です。それを渡して「これをもとに、後半のスライド作っておいて」と言って、その日は終わりました。

2日前の午前、自分は前半を進めながら、なんとなく進捗がなさそうだなとは感じていました。画面を見せてもらおうかとも思ったんですが、マイクロマネジメント気味になるかなと思ってやめて、代わりに1時間おきくらいに「どう?」「詰まってるとこある?」と声をかけていました。返ってくるのは毎回「大丈夫です」で、これ以上ぐちぐち言うのもよくない、ここは信頼しよう、と思って午後もそのままにしました。

で、夜に蓋を開けたら、何もできていませんでした。

正直に書くと、自分の中には「スライド作成なら大丈夫だろう」という前提がありました。その人は未経験枠で、開発中はどうしても経験差のぶんスピードが出ないのは分かっていたんですが、スライドは開発じゃないし、資料を作る経験くらい誰にでもあるはずだと思っていて、その前提のまま一度も中身を見ませんでした。

「なんでそうなったの」

まずいと思いました。プロジェクトの最後が発表なのに、その発表が間に合わないかもしれない。

そのうえで悩みました。相手は同期で立場は完全に横並びなので、自分がいろいろ言うのも違うんじゃないかと思ったんですが、期待していたレベルに全然届いていないという事実は伝えないといけないし、ここで流すのはその人にとってもよくない。それで、オンラインで直接言いました。

その言い方が最悪でした。「なんでそうなったの」と入って、相手が説明を始めたのに、自分が引っかかったところですぐ遮りました。相手は謝るしかありません。オンラインなので、どんな顔をしていたかも分かりません。

相手の話を、途中で遮った

あとから考えると、指摘する側になった瞬間に、自分が上だと錯覚していたんだと思います。普段なら相手の話を最後まで聞いてから話すのが当たり前なのに、それができなくなっていました。

もうひとつ心当たりがあって、学生のときにベンチャーで2年ほどアルバイトをしていたんですが、そこの社長が割と詰めるタイプの人でした。あの詰め方が、毒みたいな感じで自分に入っていて、それを自分でやって初めて体感しました。これはまじで直さないといけない。

情けない話ですが、言い終わった直後は何とも思っていなくて、よくなかったと気づいたのは人に話してからです。

メンターに話した

たまたまその日がメンターと1on1をする日だったので、こういうことがあってどうすればよかったんでしょう、と聞きました。返ってきたのは、1ヶ月の短いプロジェクトで、相手が横並びの同期で、今まで出ていなかった問題が最後の最後に出てきたのは運が悪かった、ただその日のうちに気づけたのはよかったんじゃないか、という話でした。

そのあと、もっとマネジメント経験の長い人にも同じ話をしたら、Trust, but verify という言葉が返ってきました。信じることは大事だけど、信じることと確認しないことは別で、信じたうえで確認はする。その人は今回の件に限らず、信用とか信頼とか、他人への尊敬が一番大事だとも言っていて、今回いちばん大きかった教訓はこれだと思っています。

謝って、渡し方を変えた(聞き方は変えていない)

その日は3時間ほど残業して、翌日はほぼフルで動きました。

まず謝りました。詰めてしまって申し訳なかった、と。相手がどう受け取ったかは分かりませんが、よくないことをしたら謝るのは大事だと思ったので謝りました。

そのうえで渡し方を変えました。前日までは「後半のスライド、作っておいて」だったのを、翌日は「20ページ目に、こういう画像が欲しい。撮る順番は、まずここを撮って、次にここ。このタイミングでこれを聞いてほしい」というところまで、デモの動画と画像を手順まで指定して渡しました。進捗の聞き方は変えていません。前日と同じ「どう?」です。

それで、100点の成果物が上がってきました。本人も反省していて、成果物を出してもらって自分がフィードバックする、というやり取りがちゃんと回るようになりました。「大丈夫?」が機能しなかったのは聞き方が悪かったからじゃなくて、渡したタスクが粗すぎて本人が何をすればいいか分かっていなかったからで、分かっていない人に「大丈夫?」と聞けば「大丈夫です」と返ってきます。当たり前の話なんですが、その当たり前に丸1日払いました。

発表は評価されて、システムは評価されなかった

発表前日は全員でスライドを作って、なんとか間に合いました。発表の評価は高くて、わかりやすかったと言ってもらえました。一方でシステム自体の評価はそこまで高くなくて、理由ははっきりしています。経験者の自分が開発をほとんどしなかったからです。自分が書いていればもっといいものができたと思います。

ただ、これは後悔していません。講師が評価ポイントに挙げていたのは成果物だけでしたが、自分はそこを取りにいかずに全員に学びが回るほうを優先すると最初に決めていたので、評価軸を分かったうえで外した結果として納得しています。

反省も残っていて、ひとつはスケジュールです。スムーズにいっても最後は自分が巻き取る前提の引き方だったので、そこは甘い。もうひとつは自分の記憶力で、「ここってどうなってたっけ」とメンバーに聞く回数がとても多かった。把握できていないマネージャーにマネジメントはできないので、ここは次の宿題です。

で、何と言えばよかったのか

まだ答えが出ていません。

「できなかったね、明日から頑張ろう」で済ませるのは違うと思っていて、それは何も解決していない。今回みたいに締め切り3日前なら切り替えるしかなくて、原因分析より手を動かして間に合わせるほうが先です。でも実務でこれから何年も一緒に働く相手なら話が変わって、チームメンバーが成長するほうが大事なので、事実は伝えたうえで、なぜそうなったのかを一緒に徹底的に洗い出すことになると思います。そのとき詰めない。相手を尊敬して、立場は対等だと意識する。今回は、事実を伝えるところまではやろうとして、最後の「詰めない」を落としました。

次に同じ場面が来たら、一言目は詰める言葉じゃなくて、相手を気遣う言葉にするつもりです。「大丈夫? 分からないところはあった?」。なんでそうなったのかを一緒に洗い出すのはそのあとでいい。これが正解かは分かりません。

多くのチームが1on1をやっている理由も、少し分かった気がします。こういう話を締め切り3日前にやらないための仕組みなんだと思います。

おわりに

マイクロマネジメントになりたくない、で確認を飛ばすと丸1日が消えるというのが今回の一番の学びで、「大丈夫?」に「大丈夫です」が返ってくるときは、聞き方じゃなくて渡したタスクの粒度を疑ったほうがいいです。あと、嫌いだった詰め方は思っているより自分に入っています。これは自分でやるまで分かりませんでした。

将来マネジメントに進みたい人や、新卒が何を考えているのか知りたい先輩・マネージャーの方に届けばと思って書きました。難しさも感じましたが楽しさも感じたので、この方向で進んでいくつもりです。

あの日あの場面で、具体的に何と言うのが正解だったのか。同じ場面に立ったことがある方がいたら、どうしたか教えてもらえると嬉しいです。

参考

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