Linear Drag とは何か？

Visual Effect Graphの公式ドキュメントによると，

Linear Drag Blockは、パーティクルに力を加えて、方向を変えずに速度を落とすことができます。

と書かれていて，ここでのdragとは抗力らしいです．つまり空気抵抗や摩擦に近いものっぽい．

実際にやってそうな計算

KeijiroさんのKvantSwarm を読んでいて，Linear dragが何かがおおよそわかりました ↓

 //現在のフレームで設定する速度 = (前のフレームの速度) * (抵抗力) + (加速度) * (時間 dt)
velocity = velocity * _Drag + (force) * _DeltaTime;

現在のvelocityの方向は変更せず，大きさだけ若干落とすというやり方になっていました．ここでの _Drag の数値として，C#側から Mathf.Exp(-_drag * deltaTime) が設定されていました（実際の値はMathf.Exp(- 2 * 0.025) = 0.951..でした）．

dragの値における減少度合いは以下の通りです．

math.exp(- 0 * 0.025) => 0.0
math.exp(- 100 * 0.025) => 0.08208..
math.exp(- 1 * 0.025) => 0.9753..
math.exp(- 10 * 0.025) => 0.7788..
math.exp(- 100 * 0.025) => 0.08208..

という感じです．ちなみにdragの値をマイナスにすると抵抗ではなく，加速的な状態になるので注意が必要です．

math.exp(- (-1) * 0.025) => 1.0253..
math.exp(- (-10) * 0.025) => 1.0253..
math.exp(- (-100) * 0.025) => 12.182...

用途

ちなみにKvantSwarmでは，特定のオブジェクト(Attractor objectと呼ばれる)に追従するトレイルの速度を決める際に使われていました，

linear dragがないと，速度が強すぎてAttractor objectよりも遠くにトレイルがいってしまう（発散する）ので，その速度を落とすのにLinear dragが使われていました．