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厳選!Ruby アルゴリズム実装に使える 25 の 標準ライブラリ【前編】

Last updated at Posted at 2020-04-25

はじめに

@E869120 さんがとてもいい記事を投稿されています。
厳選!C++ アルゴリズム実装に使える 25 の STL 機能【前編】

それの、Ruby 版です。

今回紹介する 25 個のメソッド

メソッド 標準モジュール
1. 絶対値 abs abs
2. 三角関数 sin/cos/tan Mathモジュール
3. 文字列 string size他
4. 最大値・最小値 min/max min/max
5. 値の交換 swap リスト
6. 最大公約数 gcd gcd
7. 乱数 rand rand
8. 時間計測 clock Timeモジュール
9. 配列を逆順に並び替え reverse reverse
10. ソート sort sort
11. vector 配列
12. stack 配列
13. queue 配列
14. priority_queue × 自作
15. map ハッシュ
16. lower_bound bsearch
17. set ハッシュ
18. pair リファレンス
19. tuple リファレンス
20. assert raise
21. count count
22. find index
23. next_permutation permutation
24. __builtin_popcount to_s(2).count("1")
25. bitset × 自作

1.絶対値 abs

abs.rb
puts -10.abs      #=> 10
puts (2 - 8).abs  # => 6

2.三角関数 sin/cos/tan

sin.rb
puts Math.sin(Math::PI / 3) # => 0.866
puts Math.cos(Math::PI / 3) # => 0.500
puts Math.tan(Math::PI / 3) # => 1.732

追記

include.rb
include Math
p sin(PI / 3) # => 0.866
p cos(PI / 3) # => 0.500
p tan(PI / 3) # => 1.732

includeすると省略できて便利です

三角関数の実装例は、*こちら*を参照してください。

3.文字列 string

プログラム 説明
s = "" 変数 s を定義します
s = S 文字列 S を入力します。
puts s 文字列 S を出力します。
s[i] 文字列 S の i 文字目です。
s << T 文字列 S に文字列 T を連結します。
s.size 文字列 S の長さを整数型で返す関数です。
s[l..-1] 文字列 S の l 文字目から最後の文字までの部分文字列を返す関数です。
s[l, r] 文字列 S の l 文字目から r 文字までの部分文字列を返す関数です。
String.rb
s = "abcde"
puts s            # => abcde
puts s[1]         # => b
puts s << "fg"     # => abcdefg
puts s.size       # => 5
puts s[1..-1]     # => bcde
puts s[1, 3]      # => bcd

4.最大値・最小値 min/max

min.rb
puts [0, 3].min # => 0
puts [5, 9].max # => 9

a = [0, 1, 2, 3, 4, 5]
puts a.min # => 0
puts a.max # => 5

5.値の交換 swap

swap.rb
a = "a"
b = "b"
puts "#{a} #{b}" # => a b
a, b = b, a
puts "#{a} #{b}" # => b a

6.最大公約数 __gcd

gcd.rb
puts 6.gcd(9) #=> 3

7.乱数 rand

rand.rb
puts rand       # => 1未満の乱数
puts rand(1..6) # => 1~6の整数の乱数(サイコロ)

8.時間計測 clock

clock.rb
def func
  # 何かの処理
end
t = Time.now
func
puts Time.now - t # => 経過時間

9. 配列を逆順に並び替え reverse

reverse.rb
s = [0, 1, 3, 2, 4];

puts "#{s.reverse}" #=> [4, 2, 3, 1, 0]

10.ソート sort

sort.rb
s = [0, 3, 2, 11, 4]

p s.sort                          # => [0, 2, 3, 4, 11]
p s.sort {|a, b| b<=>a}           # => [11, 4, 3, 2, 0]
p s.sort {|a, b| a.to_s<=>b.to_s} # => [0, 11, 2, 3, 4] 辞書昇順
p s.sort {|a, b| b.to_s<=>a.to_s} # => [4, 3, 2, 11, 0] 辞書降順

sort に加え sort_by もあります

追記

sort_by.rb
s = [0, 3, 2, 11, 4]

p s.sort_by { _1 }              # => [0, 2, 3, 4, 11]
p s.sort_by { -_1 }             # => [11, 4, 3, 2, 0]
p s.sort_by { _1.to_s }         # => [0, 11, 2, 3, 4] 辞書昇順
p s.sort_by { _1.to_s }.reverse # => [4, 3, 2, 11, 0] 辞書降順

AtCoder の現行バージョン2.7.1では番号指定パラメータを使用することも可能です。
sort_by は sort に比べ高速であることが知られています。

11.vector

Ruby の配列は動的な配列です。

プログラム 説明
v = [] 配列 v を定義します。
v.push(x) v の末尾に x を追加します。
v.pop v の末尾の要素が取り除かれます。
v[i] v の先頭から数えて i 番目の要素にアクセスできます。
v.size v に現在いくつ要素が入っているか、整数型で返します。

12.stack

Ruby の配列は動的な配列で、vector としても stack としても使用可能です。

プログラム 説明
s = [] 配列 s を定義します。
s.unshift(x) 配列 s の一番上に要素 x を積みます。
s.shift 配列 s の一番上の要素を取り除きます。
s[0] 配列 s の一番上の要素を返します。
s.size 配列 s の要素数を整数で返す関数です。
s.empty? スタック s の要素数が 0 である場合 true、1 以上である場合 false を返す関数です。

13.queue

Ruby の配列は動的な配列で、vector としても stack としても queue としても使用可能です。

プログラム 説明
q = [] 配列 q を定義します。
q.push(x) 配列 q の後尾に要素 x を追加します。
q.shift 配列 q の先頭の要素を取り除きます。
q[0] 配列 q の先頭の要素を返します。
q.size 配列 q の要素数を整数で返す関数です。

14.priority_queue

優先度付きキューの実装例は、*こちらを参照してください。
優先度付きキューの実装例2は、
こちらを参照してください。
ac-library-rb の優先度付きキューの実装例3は、
こちら*を参照してください。

15.map

Ruby ではハッシュを使用します。

プログラム 説明
h = {} ハッシュ h を定義します。
h[key] = x ハッシュ h に要素 x を代入します。
h[key] ハッシュ h から要素 x を出力します。
h.clear ハッシュ h を初期化します

16.lower_bound

ソート済みの配列 a に対し、計算量 O(log N) で検索を行います。

bsearch.rb
a = [2, 3, 4, 6, 9, 10]
puts a.bsearch {|x| x > 7}                # => 9 要素
puts a.bsearch_index {|x| x > 7}          # => 4 インデックス
puts a[1..5].bsearch {|x| x > 7}          # => 9 要素
puts a[1..5].bsearch_index {|x| x > 7}    # => 3 インデックス

二分探索の実装例は、*こちら*を参照してください。

17.set

Ruby では Set クラスもありますがハッシュを使用します。
multiset への対応は、プログラム例にて説明します。

プログラム 説明
h[y] = x ハッシュ h に要素 x を代入します。
h.delete(y) ハッシュ h から要素 x を削除する。
h.delete(y) ハッシュ h からイテレーター y の要素を削除する。
h.clear ハッシュ h を空にする。
set.rb
list = ["a", "c", "b", "b", "a", "d", "b"]

h = Hash.new(0)
list.each do |a|
  h[a] += 1
end
puts h # => {"a"=>2, "c"=>1, "b"=>3, "d"=>1}

h.delete("c")
puts h # => {"a"=>2, "b"=>3, "d"=>1}

ハッシュの keys 側でユニークな set の集合とし、values 側でその出現回数を記録することにより multiset に対応します。

追記

tally.rb
list = ["a", "c", "b", "b", "a", "d", "b"]

h = list.tally
puts h # => {"a"=>2, "c"=>1, "b"=>3, "d"=>1}

h.delete("c")
puts h # => {"a"=>2, "b"=>3, "d"=>1}

Ruby (2.7.1)ではtallyで同様の処理が可能です。

18.pair

リファレンスの実装例は、*こちらを参照してください。
リファレンスの実装例2は、
こちら*を参照してください。

19.tuple

リファレンスの実装例は、*こちらを参照してください。
リファレンスの実装例2は、
こちら*を参照してください。

20.assert

assert.rb
1.upto(100) do |i|
  raise "i over 9" if i > 9 # => i over 9 (RuntimeError)
end

指定した条件でコメントを出力し、警告終了します。
【追記】
assert もいいけど warn もいいという話です。

21.count

count.rb
list = [1, 2, 3, 4, 1, 2, 3, 1, 2, 1]

puts list.count(1)       # => 4 1の個数
puts list.count(2)       # => 3 2の個数
puts list[1..5].count(1) # => 1 配列1~5の間の1の個数
puts list[1..5].count(2) # => 2 配列1~5の間の2の個数

22.find

find.rb
list = [1, 2, 3, 4, 1, 2, 3, 1, 2, 1]

puts list.index {|i| i == 3 }   # => 2
puts list.index {|i| i == 5 }   # => nil

23.next_permutation

next_perm.rb
puts "#{[1, 2, 3].permutation(3).to_a}" # => [[1, 2, 3], [1, 3, 2], [2, 1, 3], [2, 3, 1], [3, 1, 2], [3, 2, 1]]

permutation に加え、repeated_permutation combination 等もあります

24.__builtin_popcount

bp.rb
puts 42.to_s(2).count("1") # => 3

to_s(2) で2進数表記とし、count で 1 の個数を数えます
popcountの実装例は、*こちら*を参照してください。

25.bitset

プログラム 説明
a = (a ^ b) など int 型ですので、ビット演算(and, or, xor)をすることができます。
a[i] 配列と同様、a の i 桁目にアクセスすることができます。a[i] は必ず 0 か 1 です。
bitset.rb
b = 2 ** 8 - 1
puts b.to_s(2)       # => 11111111
puts b[1]            # => 1
puts (b - 2).to_s(2) # => 11111101
puts (b - 2)[1]      # => 0

特定の bit 桁を変更する場合でも、Integer 全体へビット演算を行います。

まとめ

  • @E869120 さんの情熱が凄い
  • C++ のチート具合が凄い
  • Ruby もそれなりに凄い
  • 後編はない

参照したサイト
厳選!C++ アルゴリズム実装に使える 25 の STL 機能【前編】
厳選!Perl アルゴリズム実装に使える 25 の 標準ライブラリ【前編】
class Integer
ac-library-rb

追記

Ruby競プロTips です。凄いっ!
Ruby競プロTips(基本・罠・高速化108 2.7x2.7) - dev

追記の2

Rubyで競プロをするときに覚えておくと嬉しい機能

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