合併による変化で文化が変わってしまいました。
記事内容の大手経営コンサルティング会社は2024年6月に退職しました。
はじめに
最近、新入社員の方が毎月のように入社されていて、うちの部署もにぎわってきたなーと感じています。
やっぱり、人が増えてくるといろんな方がいてコミュニケーションの大切さを実感しています。
うちの部署では、事業部で大切にしていることの一つに心理的安全性があるので、それについて考えてみたいと思います。
心理的安全性とは?
心理的安全性とは何でしょうか?ググってみると
「心理的安全性とは、職場で誰に何を言っても、人間関係が壊れることなく、罰を受ける心配もない状態のこと。」と出てきます。
これだけだと抽象的で、よくわかりませんね
そこで心理的安全性を提唱したエイミー・C・エドモンドソン先生の「恐れのない組織」を読んでみました。
本書では様々なケーススタディから組織での心理的安全性について書かれています。
心理的安全性の高い組織はどういうものかざっくり要約すると
- 「このままではまずいのでは?」と思ったインシデントに対して「これってこのままでもいいんですか?」と誰もが聞ける環境で、インシデントが大事になる前に対処することができる。
- ミスを受け入れる体制があることで、ミスが大きく膨れ上がったり蔓延するのを防ぐことができる。
- 「こうすれば、良いのでは?」と意見がある時、沈黙することなく率直に提案ができる環境で、建設的に議論が進みパフォーマンスを発揮しやすい。
- わからないことや失敗を受け入れる環境があることで学びを促進でき、全体のナレッジを向上できる。
逆に心理的安全性が低い場合は真逆のことを思い浮かべていただければと思います。
チームがよくなるなら何を言ってもいいよという感じのように思います。(これも語弊がある言い方ような気がしますが...)
なんとなく心理的安全性がなんなのか見えてきましたね。
心理的安全性についての誤解
エイミー先生は心理的安全性についての誤解を次のようにまとめています。(本書の40~46ページ)
※一部を抜粋しています。
- 心理的安全性は、感じよくふるまう事とは関係がない。
- 感じよくあるために、誰もがいつも相手の意見に賛成するということではなく、心理的安全性は、率直であるということであり、建設的に反対したり気兼ねなく考えを交換し合ったりできるということなのだ。
- 心理的安全性は、性格の問題ではない。
- 職場で考えを言わないのは、性格が内気か自信がないからではなく、心理的に安全な風土であれば、人は内向的か外交的かにかかわらず、アイデアを提供し懸念を述べる。
- 心理的安全性は信頼の別名ではない。
- 信頼とはあなたが相手をとりあえず信じてみるということであり、心理的安全性とは、あなたが支援を求めたり過ちを認めたりしたときに他者があなたをとりあえず信じてみようとおもってくれること。
- 心理的安全性は、目標達成基準を下げることではない。
- 心理的安全性とは高い基準も納期も守る必要のない「勝手気ままな」環境のことや職場で「気楽に過ごす」という事ではない。
「チームのパフォーマンスを最大限にするためのもので、ぬるま湯やただ雰囲気をよくすることではないよ。」と言っています。
もっと心理的安全について知りたいという方は、ぜひ本書を読んでみてください。
心理的安全性について、もう一つ取り上げたい本があります。
Googleのソフトウェアエンジニアリング
Googleのソフトウェアエンジニアリングの本です。(そのまんま...)
640ページもありエンジニアリングについて詳しく書かれています。(こちらもぜひ読んでみてください。)
本書では、知識共有での心理的安全性について書かれていて、心理的安全性は、「学びの環境を促進するうえで決定的に重要である。」とあります。
3章 知識共有の中で大規模集団での心理的安全性について
集団の交流パターン推奨されるパターンとアンチパターンが紹介されています。
推奨パターン | アンチパターン |
---|---|
基本的な質問や誤りは適切な方向へ導かれる。 | 基本的な質問や誤りは粗探しをされ、質問者は責められる。 |
質問者が学ぶのを手伝う意図で説明がなされる。 | 自分の知識をひけらかす意図で説明がなされる。 |
回答は親切で、忍耐強く、助けになる。 | 回答は相手を見下すようで、皮肉っぽく、建設的ではない。 |
交流は、解法発見のための議論の共有である。 | 交流は、「勝者」と「敗者」の論争である。 |
Googleでは気兼ねなく質問しやすいように工夫がされているようです。
心理的安全性を高める
今日から心理的安全性を高めるためにできることを考えてみました。
-
心理的安全性を知ってもらう。
- 心理的安全性がどういうものなのかを知ってもらう。(記事や本を広めてみる)
- プロトコルが合っていないと通信ができないように、お互いの認識がそろっていないとうまくコミュニケーションが嚙みあわないかもしれない。
-
心理的安全性の低下を防ぐ。
- 尊敬(リスペクト)と思いやりをもって接する。
- 相手に不安を与えないようにして、心理的安全性が低下しないように心掛ける。(不安で発言がしにくくならないように)
- 指摘する時「なぜここを直した方がいいのか」具体的に理由を添えて相手が受け入れやすいように工夫してみる。(不安感の低減)
- 質問する時 漠然と質問しない。なるべく疑問点などを提示して質問する。(受け手のストレスを減らす。)
- 尊敬(リスペクト)と思いやりをもって接する。
-
心理的安全性を高める。
- 謙虚に耳を傾ける。(とりあえず、相手の話を受け入れる)
- 安心して失敗をできるように失敗を受け入れる。そして、恐れずに失敗を報告する。
- 相手と対立する意見でも受け入れやすいように工夫して意見してみる。
- 「これいいかも」と思ったら率直に意見してみる(言いたいことがあるのに言えず、沈黙を優先してしまうのは心理的安全性が低い状態)
- 「心理的安全性、心理的安全性、心理的安全性...」と常に心理的安全性を忘れないよう、念仏のように唱える(うちの部署のトップの言葉)
他にも、心理的安全性を高めるためにできることはこういうのもがあるよってのがあればぜひコメントで教えてください。
まとめ
今回、心理的安全性についてふんわりと理解していたのですが、しっかりイメージが掴めました。
思い返せば、前職は心理的不安全性のかたまりでした...
結局、心理的安全性とは何なのかですが、エイミー先生のこの言葉がしっくりきました。
心理的安全性とは、対人関係の不安を減らすことだ。勇気を出さなくても、質問したり間違いを認めたりできるようになることである。<恐れない組織 P241抜粋>
最後に、心理的安全性が高ければ絶対パフォーマンスが上がるのかといえばそうではないという点は留意しといた方がいいかもしれません。