はじめまして。株式会社PRUMでエンジニアをしている、すもも🍑です
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最近「AIで日々の作業をもっと自動化したい」と思っているのですが、実際に調べてみると、OpenAIのCodex、Claude Code、GitHub Copilot、Cursorなど、選択肢だけでもかなりの数があります。
どれも「効率化できる」と聞くと気になるものの、「まずは違いを調べて、どれか一つを選んで、使い方を覚えて…」と考えた瞬間に、一気に腰が重くなってしまうんですよね。
結局、
「どれが自分に合うか分かってから始めよう」と思っているうちに、また新しいツールの名前を聞いて、余計に選択肢が増えていく。 効率化できるとわかっているのに、結局いつもの自己流のやり方を続けてしまう。
これ、意志が弱いだけなのか、それとも他にも同じ人がいるのか、気になって調べてみました。
この「わかってるのにやらない」、ちゃんと名前がありました
調べてみると、この現象は心理学で「意図と行動のギャップ」と呼ばれているそうです。
「やった方がいいのは分かっている」という気持ちと、「実際に行動する」ことの間には、もともと距離があるものらしく、これは今に始まった話ではなく、昔からずっと人間が抱えてきた悩みのようです。
「自分だけ意志が弱いから動けない」というわけではなさそうです。 ちょっと安心しました。
なぜ「わかってるのに動けない」が起きるのか
ではなぜこのギャップが生まれるのか、自分なりに調べて腑に落ちたのが、次の2つの考え方です。
まず、「新しく調べて始める」というひと手間そのものが、実際の大変さ以上に心のブレーキになってしまうという考え方です。
冒頭のAIコーディングツールの話もまさにこれで、冷静に考えれば触ってみるだけなら10分もかからないはずなのに、"複数の選択肢を比較して選ぶ"という下調べの部分だけで、なぜか腰が重くなってしまいます。
もう一つは、人は「今の面倒くささ」を大きく感じて、「将来得られる効率化のメリット」を小さく見積もってしまう傾向があるという考え方 です。効率化した先の"ラクになる未来"より、目の前の"ちょっと面倒"の方が、なぜか強く感じられてしまうんですね。
エンジニア界隈でも、チュートリアル動画ばかり見て自分では何も作らないまま止まってしまう状態を「チュートリアル地獄」と呼ぶこともあるそうです。まさに、わかった気になって満足してしまい、実際の行動には移せていない状態だな、と思いました。
この"面倒くささ"の威力、実はこんなデータもあります
アメリカの退職積立制度(日本でいう確定拠出年金のようなもの)の調査では、「自分で申込書を書いて手続きする」方式から「自動加入にして、やめたい人だけ手続きする」方式に変えただけで、参加率が2倍以上に跳ね上がったそうです※。将来の得は同じでも、"申込書を書く"というほんの少しの手間の有無だけで、これだけ人の行動が変わるんですね。
※参考: The Power of Suggestion: Inertia in 401(k) Participation and Savings Behavior(Madrian & Shea, 2001)
でもAI時代って、この現象がむしろ悪化してる気がする
ここまで調べて、一つ引っかかったことがあります。この"面倒くささの壁"自体は昔からある話なのに、なぜ今、こんなに心当たりがある人が多い気がするんだろう、という点です。
自分なりに考えてみると、
理由は「壁の高さ」よりも「試すべき候補の数」が異常に増えたことにある気がしています。
冒頭のAIコーディングツールの例がまさにそうで、Codex・Claude Code・GitHub Copilot・Cursorだけでも4つあり、他にもDevinやWindsurfなど次々に新しいツールの名前を聞きます。昔は新しいやり方が話題になる頻度自体がそう多くなかったので、たまに来る「これは試す価値あるかも」に、ちゃんと向き合う余裕がありました。でも今は、AIの新しい使い方や新しいツールがほぼ毎日のように流れてきます。
一つのハードルを越える前に、次から次へと新しい"越えるべきハードル"が積み上がっていくので、「いつかやる」リストが減るどころか、永遠に伸び続けているんですよね。
しかも厄介なのが、勇気を出してどれか一つに手をつけたとしても、数週間後には「もっと性能が上がった新しいモデルが出た」「あのツールに新機能が追加された」という話をまた聞くことです。
「せっかく覚えたのに、もう情報が古くなってるかも」と思うと、今度こそ調べ直しになる気がして、余計に手を出す気力が削がれてしまいます。他の分野なら一度覚えたことはしばらく通用するのに、AI関連だけは"覚えた瞬間から情報が古くなっていく"感覚があるんですよね。
なので、これは意志の弱さというより、情報が多すぎる時代特有の"渋滞" なんじゃないかと思っています。
だから、全部のハードルを越えようとしなくていい
そう考えると、対策の方向性も少し変わってきます。流れてくる効率化ネタを全部試そうとするのは、この時代においてはそもそも無理ゲーな気がしています。
むしろ、「気になったものは全部試す」ではなく「今週はこれ一つだけ試す」と、あえて対象を絞ってしまう方が、現実的に行動につながる気がしています。
冒頭のAIコーディングツールの例で言えば、4つ全部を比較してから選ぼうとせず、「とりあえず名前をよく聞くこの1つだけ、5分触ってみる」と決めてしまう方が、結局は前に進める気がしています。全部拾おうとするから、結局どれも手をつけられずに終わってしまうんですよね。
- 気になる効率化ネタ・ツールは、その場でメモだけして「今週の1つ」を自分で選ぶ
- 選んだ1つは、「本格導入」ではなく「5分だけ試す」に変換してみる
- 選ばなかったものは、忘れてOKにする(全部拾おうとしない)
- チュートリアル動画を見たら、その場で一つだけ真似して手を動かしてみる
どれも「ちゃんとやる」を目指さず、「絞って、ちょっとだけ触る」に置き換えるのがポイントかなと思っています。
まとめ
「わかってるのにやらない」のは、怠惰でも意志の弱さでもなく、情報が多すぎる時代に"越えるべきハードル"が増え続けていることが原因だった。全部拾おうとせず、絞って小さく試すことで、案外あっさり動けるようになる。
情報があふれる今の時代、これに心当たりがある人は結構多いんじゃないかと思います。今度こそ、あの後回しにしてきたAIツール、まずは1つだけ選んで5分だけ触ってみようと思います。
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