Context7、Serena、Cipher で得られるメリット
開発効率の大幅な向上
- Context7:最新のAPIドキュメントを自動取得し、古い情報によるエラーを防止
- Serena:IDEレベルのコード理解により、大規模リファクタリングを効率化
- Cipher:過去の解決策を記憶し、同じ問題への対処時間を削減
コスト削減効果
- ツール利用料0円:すべてオープンソースツール
- 注意:Claude APIやOpenAI APIの使用料は別途発生します
- API使用量の削減:Cipherのメモリ機能により、重複する質問を回避
- デバッグ時間の短縮:Serenaの精密なコード解析により、バグの原因を迅速に特定
実際の導入効果
- バグ修正:複雑な問題の原因特定が迅速化
- 新機能実装:最新のドキュメントに基づいた正確な実装
- コードレビュー:自動化による効率向上
- ドキュメント調査:即座に最新情報を取得
同時使用する場合は注意が必要
- 同時使用する場合は注意が必要です
以下の記事を参照してください
Claude Code で Context7、Serena、Cipher を同時使用する際の注意事項
はじめに
Claude Codeの登場により、AIを活用したコーディングが新たな段階に入りました。しかし、Claude Code単体でも強力ですが、MCP(Model Context Protocol)ツールと組み合わせることで、その能力を飛躍的に向上させることができます。
本記事では、特に強力な3つのMCPツール「Context7」「Serena」「Cipher」のインストールから実践的な使い方まで、実際のプロジェクトで即座に活用できる形でご紹介します。
対象読者
- Claude Codeをすでに使用している、または導入を検討している開発者
- AIコーディングツールの能力を最大限引き出したい方
- チーム開発でAIツールを効果的に活用したい方
前提条件
- Claude Codeがインストール済み
- Node.js(v18以上)とnpm(v7以上推奨)がインストール済み
- Python(3.8以上)とuv(0.1.40以上)がインストール済み(Serena使用時)
- 注:2025年8月時点のuvはuvx同梱。古い環境では
pip install uvx
が必要な場合あり
- 注:2025年8月時点のuvはuvx同梱。古い環境では
- 基本的なコマンドライン操作の知識
1. 各ツールの概要と選定基準
Context7 — 最新ドキュメントの自動取得
いつ使うか:新しいフレームワークやライブラリを使用する際、常に最新のAPIドキュメントを参照したい場合
- 15,000以上のライブラリのドキュメントをサポート(2025年8月時点公式リポジトリ表記)
- リアルタイムでドキュメントを取得・注入
- OSSで追加料金なし(ただし公式ホスティング版はレート制限あり:Free tier 15 req/min)
Serena — セマンティックコード解析
いつ使うか:大規模コードベースのリファクタリング、複雑なバグ修正、IDE並みのコード理解が必要な場合
- Language Server Protocol(LSP)統合
- マルチ言語サポート(Python、JavaScript、TypeScript、Rust、Go、Java等)
- プロジェクトメモリによるコンテキスト保持
Cipher — AIメモリレイヤー
いつ使うか:長期プロジェクト、チーム開発、過去の決定事項やコンテキストを保持したい場合
- デュアルメモリシステム(System 1:明示的知識、System 2:推論パターン)
- チーム共同作業用のワークスペースメモリ
- セマンティック検索によるインテリジェントなメモリ検索
- 注:大規模プロジェクト(1万ファイル超)では
.cipher
ディレクトリが数GB規模になる可能性あり
2. インストール手順
2.1 Context7のインストール
Context7は最もシンプルにインストールできます。
# Claude Code CLIでの追加(npm v9以降推奨)
claude mcp add context7 -- npx --yes @upstash/context7-mcp
# Windows PowerShellでパス警告が出る場合
claude mcp add context7 -- npx --yes --location=global @upstash/context7-mcp
# 動作確認
claude "Next.js 14のApp Routerについて教えて。use context7"
※ npm v10以降でcorepack enable
使用時は--location
オプションで警告が出ることがあります
2.2 Serenaのインストール
注意: Windows環境では追加の設定が必要な場合があります。デフォルトポート8000が競合する場合は別ポートを指定してください。
方法1:直接インストール(推奨・最も簡潔)
# Python uvが必要(事前にインストール)
pip install uv
# 1行でインストールと登録を完了
claude mcp add serena \
-- uv run --from git+https://github.com/oraios/serena serena-mcp-server \
--port 32123
※ uv run
はpoetry runやpipx runと同等の隔離実行環境を提供します
方法2:ローカルクローン方式(カスタマイズが必要な場合)
# リポジトリをクローン
git clone https://github.com/oraios/serena.git
cd serena
# 設定ファイルをコピー(必要に応じて編集)
cp src/serena/resources/serena_config.template.yml serena_config.yml
# Claude Codeに登録
claude mcp add serena-local -- uv run serena-mcp-server --port 32123
claude_config.jsonに直接記載する場合
{
"mcpServers": {
"serena": {
"command": "uv",
"args": ["run", "serena-mcp-server", "--port", "32123"],
"cwd": "${workspaceFolder}/serena",
"port": 32123
}
}
}
ローカルクローン時はcwd
パラメータが必須です。
既知の問題
- Windows環境でnpmパス解決の問題が発生する場合があります
- TypeScript/JavaScriptのLSPサポートが不安定な場合があります
- Java言語サーバーの起動が遅い場合があります(特にmacOS)
2.3 Cipherのインストール
Cipherは永続的なメモリ管理のため、グローバルインストールを推奨します。
# グローバルインストール
npm install -g @byterover/cipher
# 環境変数の設定(~/.bashrc or ~/.zshrcに追加)
# デフォルトはOpenAI埋め込みを使用
export OPENAI_API_KEY="sk-your-openai-key"
# ローカル埋め込みモデル(MiniLM等)を使用する場合(実験的機能)
export CIPHER_EMBEDDER="local"
# Claude Codeに登録
claude mcp add cipher -- cipher --mode mcp
初期化手順(バージョン別)
Cipherバージョン | 初期化コマンド |
---|---|
≤ 0.8.x | なし(初回 cipher --mode mcp で自動生成) |
0.9.x - 0.10.x | cipher serve --init |
0.11.x 以降 | cipher init && cipher serve |
# バージョン確認
cipher --version
# バージョンに応じた初期化(自動判定)
cipher --version | grep -qE '^0\.[0-8]\.' || cipher serve --init
# ローカル埋め込みモデル使用時のサーバー起動(v0.10系では実験的)
cipher serve --embedder local
注意:
-
--embedder local
オプションはv0.10系では実験的機能です。v0.11安定版のリリースをお待ちください - ローカルモデル使用時は
~/.cache/cipher/models
に1GB超のモデルファイルがダウンロードされます
注意:
- デフォルトではOpenAI APIキーが必要です
- ローカル埋め込みモデル(MiniLM等)を使用する場合は
--embedder local
オプションを指定 - 大規模プロジェクトでは
.cipher
ディレクトリが数GB規模になる可能性があります
3. 設定ファイルの詳細設定
3.1 Claude Code設定ファイル(claude_config.json)
すべてのツールを統合した設定例:
{
"mcpServers": {
"context7": {
"command": "npx",
"args": ["--yes", "@upstash/context7-mcp"],
"env": {}
},
"serena": {
"command": "uv",
"args": [
"run",
"serena-mcp-server",
"--port",
"32123"
],
"cwd": "${workspaceFolder}/serena",
"port": 32123,
"env": {
"SERENA_PROJECT_PATH": "${workspaceFolder}"
}
},
"cipher": {
"command": "cipher",
"args": ["--mode", "mcp"],
"env": {
"CIPHER_WORKSPACE": "${workspaceFolder}/.cipher",
"OPENAI_API_KEY": "${OPENAI_API_KEY}",
"CIPHER_EMBEDDER": "local"
}
}
}
}
設定のポイント:
- Serenaでローカルクローンを使用する場合、
cwd
パラメータは必須です - Cipherでローカル埋め込みを使用する場合、
CIPHER_EMBEDDER
環境変数を設定します
3.2 Serenaプロジェクト設定(.serena/project.yml)
プロジェクトルートに.serena
ディレクトリを作成し、以下の設定を追加:
project_name: "my-awesome-project"
language: typescript # python, rust, go, java など
entry_points:
- src/index.ts
- src/app.ts
ignored_dirs:
- node_modules
- .git
- dist
- coverage
- __pycache__
- public/images # 画像ディレクトリを除外
- docs/pdfs # PDFドキュメントを除外
ignored_files:
- "*.log"
- "*.tmp"
- ".env*"
- "*.jpg"
- "*.png"
- "*.pdf"
- "*.zip"
max_file_size: 1048576 # 1MB(バイナリも含む総バイト数)
show_logs: true
use_lsp: true
# セキュリティ設定
security:
exclude_sensitive:
- "**/*.key"
- "**/*.pem"
- "**/secrets/**"
sanitize_logs: true
注意: max_file_size
はバイナリファイルも含む総バイト数として扱われます。大きなアセットファイルはignored_dirs
やignored_files
で除外することを推奨します。
3.3 Cipher設定(.cipher/config.json)
{
"memory": {
"system1": {
"enabled": true,
"maxEntries": 1000,
"retentionDays": 90
},
"system2": {
"enabled": true,
"trackReasoningSteps": true
}
},
"workspace": {
"sharedMemory": true,
"teamId": "your-team-id"
},
"embedder": {
"type": "openai",
"model": "text-embedding-ada-002"
},
"privacy": {
"localOnly": false,
"encryptMemory": true
},
"performance": {
"indexing": "incremental",
"searchStrategy": "hybrid",
"cacheExpiry": 3600
}
}
設定項目の説明:
-
embedder.type
: "openai"または"local"を指定(MiniLM等のローカルモデル使用時) -
embedder.model
: 使用する埋め込みモデルの指定
4. 実践的な使用例
4.1 新機能実装フロー(3ツール連携)
# 1. Context7で最新の情報を取得
claude "React 19の新機能Suspenseの使い方を教えて。use context7"
# 2. Serenaでプロジェクト構造を解析
claude "現在のプロジェクトでSuspenseを実装するのに最適な場所を提案して"
# 3. 実装
claude "提案された場所にSuspenseを使った非同期データ取得を実装して"
# 4. Cipherで知識を保存
claude "今回のSuspense実装パターンを将来のために記憶して"
4.2 バグ修正ワークフロー
# Serenaでエラー箇所を特定
claude "TypeError: Cannot read property 'map' of undefined というエラーが出ています。原因を特定して"
# Context7で解決策を検索
claude "このエラーパターンの一般的な解決方法を教えて。use context7"
# 修正実装
claude "特定された問題を修正して、同様のエラーを防ぐガード句も追加して"
# Cipherで学習
claude "このエラーパターンと解決方法を記憶して、次回同様の問題に遭遇したら警告して"
4.3 リファクタリング作業
# Serenaで依存関係を解析
claude "UserServiceクラスの依存関係をすべて洗い出して"
# リファクタリング計画
claude "依存性注入パターンを使ってUserServiceをリファクタリングする計画を立てて"
# 段階的実装
claude "計画に従って、まずインターフェースを定義して"
claude "次に、具象クラスを実装して"
claude "最後に、DIコンテナーの設定を追加して"
# 知識の保存
claude "今回のリファクタリングパターンをチーム用のベストプラクティスとして保存"
5. 高度な活用テクニック
5.1 カスタムプロンプトテンプレート
.claude/prompts/
ディレクトリにカスタムプロンプトを保存:
<!-- code-review.md -->
以下の観点でコードレビューを実施してください:
1. Serenaを使用してコード品質を分析
2. Context7で最新のベストプラクティスを確認
3. Cipherで過去の同様のレビュー結果を参照
対象ファイル: {files}
重点チェック項目: {focus_areas}
使用方法:
claude --template code-review --files "src/**/*.ts" --focus_areas "セキュリティ,パフォーマンス"
5.2 チーム開発での活用
# チームメモリのセットアップ
cipher serve --team --id "frontend-team"
# 共有知識の登録
claude "このプロジェクトのコーディング規約を記憶して:
- TypeScriptのstrictモードを使用
- 関数は30行以内
- コンポーネントは単一責任原則に従う"
# チームメンバーが参照
claude "このプロジェクトのコーディング規約を教えて"
5.3 自動化スクリプト
// claude-assistant.js
const { exec } = require('child_process');
const util = require('util');
const execPromise = util.promisify(exec);
async function analyzePR(prNumber) {
// Serenaでコード解析
await execPromise(`claude "PR #${prNumber}の変更を解析して"`);
// Context7で関連ドキュメント取得
await execPromise(`claude "変更されたAPIの最新仕様を確認。use context7"`);
// レビューコメント生成
await execPromise(`claude "PRレビューコメントを生成して"`);
// 知識ベースに追加
await execPromise(`claude "このPRから学んだパターンを保存"`);
}
// GitHub Actionsから実行
analyzePR(process.env.PR_NUMBER);
6. トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
Context7が動作しない
# キャッシュクリア
npm cache clean --force
# 再インストール
claude mcp remove context7
claude mcp add context7 -- npx --yes @upstash/context7-mcp@latest
Serenaがプロジェクトを認識しない
# 設定ファイルの確認
cat .serena/project.yml
# MCPサーバーの再起動
claude mcp restart serena
# ログ確認
tail -f .serena/logs/serena.log
# LSPキャッシュが肥大化した場合のクリア(v0.7以降)
serena --clear-cache
# v0.7未満または上記コマンドが存在しない場合
# シンボリックリンク環境でも安全な削除方法
find .serena/cache -type f -delete
# または直接削除
rm -rf .serena/cache/
# ポート競合の確認
lsof -i :32123 # macOS/Linux
netstat -ano | findstr :32123 # Windows
Windows環境でSerenaが動作しない
# WSL2を使用するか、以下の環境変数を設定
set PATH=%PATH%;C:\Program Files\nodejs\
set PATH=%PATH%;C:\Python311\Scripts\
# PowerShellの場合
$env:PATH += ';C:\Program Files\nodejs\'
$env:PATH += ';C:\Python311\Scripts\'
Cipherのメモリが同期されない
# メモリのリビルド
cipher rebuild
# 同期状態の確認
cipher status
# 手動同期
cipher sync --force
# ストレージ容量の確認(大規模プロジェクトの場合)
du -sh .cipher/ # macOS/Linux
dir .cipher /s # Windows
7. パフォーマンス最適化
メモリ使用量の最適化
# .serena/project.yml
performance:
max_memory: 2048 # MB
cache_size: 512 # MB
lazy_loading: true
レスポンス速度の向上
{
"performance": {
"indexing": "incremental",
"searchStrategy": "hybrid",
"cacheExpiry": 3600,
"maxStorageGB": 5
}
}
パフォーマンス設定の説明:
-
maxStorageGB
: ストレージ上限設定(大規模プロジェクト向け)
8. セキュリティ考慮事項
APIキーの管理
# .envファイルを使用(.gitignoreに追加必須)
echo "OPENAI_API_KEY=sk-..." >> .env
echo "ANTHROPIC_API_KEY=sk-ant-..." >> .env
# 環境変数として読み込み
source .env
プライベートコードの保護
# .serena/project.yml
security:
exclude_sensitive:
- "**/*.key"
- "**/*.pem"
- "**/secrets/**"
sanitize_logs: true
9. 既知の制限事項と注意点
Context7の制限
- 一部のプライベートパッケージのドキュメントは取得できません
- 公式ホスティング版にはレート制限があります(Free tier: 15 req/min)
Serenaの制限事項
- TypeScript/JavaScriptのLSPサポートが不安定な場合があります
- Windows環境でnpmパス解決の問題が発生することがあります
- Java言語サーバーの起動に時間がかかる場合があります(特にmacOS)
- デフォルトポート8000が競合しやすいため、カスタムポート推奨
Cipherの前提条件と制限
- デフォルトではOpenAI APIキーが必要(ローカル埋め込みモデル使用時は不要)
- 大規模プロジェクト(1万ファイル超)では
.cipher
ディレクトリが数GB規模になります - v0.9時点では
cipher init
コマンドは存在せず、cipher serve --init
を使用
まとめ
Claude CodeとMCPツール(Context7、Serena、Cipher)を組み合わせることで、以下のメリットが得られます:
- Context7:常に最新の正確な情報でコーディング
- Serena:深いコード理解による精密な作業
- Cipher:知識の蓄積による継続的な改善
これらのツール自体はすべて無料で利用可能ですが、Claude APIやOpenAI APIの使用料は別途発生する点にご注意ください。また、環境や設定によっては追加の手順が必要な場合がありますので、本記事のトラブルシューティングセクションを参考にしてください。