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JavaScript: Web Workerを動かす最小限のコード

Last updated at Posted at 2022-01-27

本稿では、JavaScriptのWeb Workerを手軽に試すために、Web Workerを動かすための最小限の手順とコードを示します。

使わないもの

最小限構成でいくので以下は使いません:

  • コンパイラ: TypeScriptなどは使わず、素のJavaScriptで。
  • バンドラー: webpackなどは使いません。
  • フレームワークやライブラリ: ReactやNPMモジュールも一切なしでいきます。

コード量も最小限

  • コードも過剰にならない範囲でシンプルにします。
  • ファイル数もできるだけ少なく済ませます。

Web Workerとは

Web Workerは、雑に言うと、ブラウザ上でCPU負荷が大きい処理を動かすのに役立つ仕組みです。ワーカーの処理は、UI側の処理をブロックしないのが特徴です。ワーカーにはUIとは別のスレッドが割り当てられます。CPUを複数台積んでるパソコンなら、ワーカーはマルチコアを活用できる可能生があります。

詳しい説明はMDNなどを御覧ください。

Web Workerを動かす最小限の手順とコード

ワーカーを起動させてみよう

まず、index.htmlを作ります。

index.html
<!DOCTYPE html>
<meta charset="UTF-8" />
<script>
  // ワーカーを起動するコード
  const myWorker = new Worker("worker.js");
</script>

次に、worker.jsにワーカーの実装を書きます。

worker.js
console.log("✅worker started!");

index.htmlからworker.jsを参照できるように、この2つのファイルは同じディレクトリに置きます。

.
├── index.html
└── worker.js

Google Chromeではfile://プロトコルではWeb Workerを起動できないので、ローカルにHTTPサーバーを立ててHTTP越しにindex.htmlを開きます。index.htmlとworker.jsがGETできればHTTPサーバーは何でもいいのですが、http-serverが手軽なのでここではこれを使います。

# index.htmlがあるディレクトリでHTTPサーバーを起動する
npx http-server -c-1

http://127.0.0.1:8080にアクセスします。Google ChromeのDev ToolsのConsoleを開いて、「worker started!」と表示されていれば、起動成功です。

20220127_101634.png

ワーカーにメッセージを送ってみよう

親とワーカーの通信は、メッセージを介して行います。ワーカー側でメッセージを受け取るには、messageイベントを購読します。具体的には次のコードをworker.jsに追加します。

worker.js
// メッセージイベントを購読する
self.addEventListener("message", (e) => {
  // メッセージを受け取ったときに動かすコード
  console.log("worker received a message", e);
});

ワーカーにメッセージを送るには、ワーカーオブジェクトのpostMessageメソッドを使います。

index.html
<script>
  // ワーカーを起動するコード
  const myWorker = new Worker("worker.js");
  // メッセージを送信する
  myWorker.postMessage("hey");
</script>

コードを追記したら、ブラウザをリロードします。すると、コンソールに「worker received a message: hey」と表示されるはずです。

20220127_103335.png

ワーカーからメッセージを受信してみよう

ワーカーからのメッセージを親が受信するには、ワーカーオブジェクトのmessageイベントを購読します。

index.html
<script>
  // ワーカーを起動するコード
  const myWorker = new Worker("worker.js");
  // ...中略...
  // ワーカーからのメッセージを受信する
  myWorker.addEventListener("message", (e) => {
    console.log("parent received message:", e.data);
  });
</script>

ワーカーからはself.postMessageメソッドでメッセージを送信します。

worker.js
console.log("✅worker started!");

// ...中略...

// 親にメッセージを送信する
self.postMessage("hello");

まとめ

  • Web Workerは重い処理をバックグラウンドで動かすのに役立つ仕組み
  • Web Workerの起動はnew Worker(ファイル名)
  • 親とワーカーのコミュニケーションはメッセージの送受信
    • 受信はmessageイベントを購読する
    • 送信はpostMessageメソッドを呼ぶ
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