1
0

MacOSでの.gitignoreと.dockerignoreの最適な設定方法

Last updated at Posted at 2024-06-10

はじめに

開発プロジェクトを管理する上で、.gitignoreと.dockerignoreは重要なファイルです。これらの設定を正しく行うことで、リポジトリやDockerイメージのサイズを最適化し、不要なファイルを無視することができます。特にMacOS環境では、特定のファイルやディレクトリを無視する設定が重要です。この記事では、MacOSでの.gitignoreと.dockerignoreの最適な設定方法について解説します。

基本的な構文

.gitignoreと.dockerignoreに共通する基本的な構文です。

#で始まる行はコメントとして扱わる

特定のファイルやディレクトリを無視する場合は、その名前を記述します。

# コメント
filename.txt

ワイルドカード(*)を使用して、複数のファイルを一度に指定できる

*.log

ディレクトリを無視する場合は、スラッシュ(/)を使用する

/directory_name/

ネストしたディレクトリやファイルを無視する場合も、同様に記述

/dir1/dir2/filename.txt

.gitignore編

.gitignoreとは何か?

.gitignoreファイルは、Gitリポジトリ内で無視するファイルやディレクトリを指定するためのファイルです。このファイルに記載されたパターンと一致するファイルは、Gitの追跡対象から外れ、リポジトリに追加されません。これにより、不要なファイルや一時ファイル、機密情報などをリポジトリに含めないようにすることができます。

MacOSでの.gitignoreの設定

以下に、MacOS環境でよく使われる.gitignoreの設定例を示します。

# Created by https://www.toptal.com/developers/gitignore/api/macos
# Edit at https://www.toptal.com/developers/gitignore?templates=macos

### macOS ###
# General
.DS_Store
.AppleDouble
.LSOverride

# Icon must end with two \r
Icon


# Thumbnails
._*

# Files that might appear in the root of a volume
.DocumentRevisions-V100
.fseventsd
.Spotlight-V100
.TemporaryItems
.Trashes
.VolumeIcon.icns
.com.apple.timemachine.donotpresent

# Directories potentially created on remote AFP share
.AppleDB
.AppleDesktop
Network Trash Folder
Temporary Items
.apdisk

### macOS Patch ###
# iCloud generated files
*.icloud

## Dockerとgitの除外ルール ##
.git
*Dockerfile*
*docker-compose*

# End of https://www.toptal.com/developers/gitignore/api/macos

参考文献

.gitignoreの変更を反映させる手順

1 .gitignoreファイルを編集する

まず、プロジェクトのルートディレクトリにある.gitignoreファイルを開き、無視したいファイルやディレクトリを追加・編集します。

2 既にトラッキングされているファイルをキャッシュから削除する

変更前に既にGitがトラッキングしているファイルは、.gitignoreに追加しただけでは無視されません。これらのファイルをキャッシュから削除する必要があります。

git rm -r --cached .

このコマンドは、すべてのファイルとディレクトリをキャッシュから削除しますが、実際のファイルは削除されません。

3 再度、すべてのファイルを追加する

次に、変更を反映させるためにすべてのファイルを再度Gitに追加します。

git add .

4 変更をコミットする

最後に、これらの変更をコミットします。

git commit -m "Update .gitignore and remove cached files"

このコミットによって、.gitignoreの変更が反映され、キャッシュから削除されたファイルが無視されるようになります。

5 変更をリモートリポジトリにプッシュする

必要に応じて、リモートリポジトリに変更をプッシュします。

git push origin main

これで、リモートリポジトリに変更が反映されます。

参考記事

.dockerignore編

.dockerignoreとは何か?

.dockerignoreファイルは、Dockerイメージをビルドする際に無視するファイルやディレクトリを指定するためのファイルです。このファイルを使用することで、不要なファイルやディレクトリを除外し、イメージのビルドプロセスを効率化し、生成されるイメージのサイズを削減することができます。

.dockerignore: ホスト側ビルドコンテキストを基準に

.dockerignoreファイルで記述するパスは、ホスト側のビルドコンテキストを基準にします。つまり、Dockerイメージをビルドする際に指定するディレクトリ内のファイルやディレクトリに対して適用されます。コンテナ内部のパスではなく、ホスト側でのビルドコンテキスト内の相対パスや絶対パスを指定することになります。

具体例

例えば、以下のようなプロジェクトディレクトリ構造があるとします

.
└path
    └── project
        ├── .dockerignore
        ├── Dockerfile
        └── src
            ├── main.py
            └── setting
                └── settings.py

この場合、.dockerignoreファイルに以下のように記述することができます

.dockerignore
src/config/settings.py

絶対パスを使用する場合

.dockerignoreファイルで絶対パスを使用する場合も、ホスト側のビルドコンテキストを基準にします。絶対パスで指定する場合、ビルドコンテキスト内のルートからのパスになります。

.dockerignore
# ホスト側のビルドコンテキストのルートからの絶対パス
/src/config/settings.py

上記のように記述すると、ビルドコンテキスト内のsrc/config/settings.pyファイルが無視されます。

MacOSでの.dockerignoreの設定

.dockerignore
# 一般的な除外ルール
.DS_Store
.AppleDouble
.LSOverride
Icon
._*

# ファイルシステム関連
.DocumentRevisions-V100
.fseventsd
.Spotlight-V100
.TemporaryItems
.Trashes
.VolumeIcon.icns
.com.apple.timemachine.donotpresent
.AppleDB
.AppleDesktop
Network Trash Folder
Temporary Items
.apdisk

# iCloud関連
*.icloud

# Xcode関連
*.xcodeproj
xcuserdata/
build/
DerivedData/

# その他
*.symlink
*.localized
*.vmx
*.vmdk

## Dockerとgitの除外ルール ##
.git
*Dockerfile*
*docker-compose*

設定のテクニックとベストプラクティス

.gitignoreと.dockerignoreの設定において役立つテクニックやベストプラクティスを紹介します。

  1. パターンマッチングの利用
    .gitignoreや.dockerignoreでは、ファイルやディレクトリを除外するためのパターンマッチングが可能です。ワイルドカードや正規表現を使って、複数のファイルやパターンを一括して指定することができます。例えば、*.logと指定することで、すべてのログファイルを無視することができます。

  2. コメントの利用
    .gitignoreや.dockerignoreでは、行の先頭に#を付けることでコメントを記述することができます。コメントを使うことで、設定の目的や意図を他の開発者と共有しやすくなります。

  3. 特定のディレクトリを無視する
    プロジェクト内で生成される一時ファイルやビルド生成物など、特定のディレクトリ全体を無視することができます。これにより、リポジトリのクリーンさを維持し、不要なファイルの追跡を防ぎます。

  4. 環境依存ファイルの除外
    開発環境によって生成される設定ファイルやキャッシュファイルなど、環境に依存するファイルは.gitignoreや.dockerignoreに含めるべきです。これにより、異なる環境間でのコード共有やDockerイメージの再現性を向上させます。

  5. リポジトリのルートに配置
    .gitignoreや.dockerignoreは、それぞれのプロジェクトのルートディレクトリに配置することが推奨されます。これにより、設定が一貫していることを保証し、他の開発者がすぐに見つけやすくなります。

  6. 継続的な見直しと更新
    プロジェクトの構造や開発環境が変化するたびに、.gitignoreや.dockerignoreも適切に更新する必要があります。定期的な見直しを行い、不要なファイルやディレクトリを追加し、新しいパターンを考慮に入れることが重要です。

.dockerignoreと.gitignoreの違い

.dockerignoreと.gitignoreの違いを説明します。

ファイルの無視方法:

  • .gitignore: .gitignoreファイル以下の全ての階層で一致するファイルを無視します
  • .dockerignore: .dockerignoreファイルが置かれているディレクトリからの相対パスで記載されたファイルのみを無視します

サブディレクトリ:

  • .gitignore: サブディレクトリにも.gitignoreを置けます
  • .dockerignore: ビルドコンテキストルートの.dockerignoreのみが有効です

参考記事

1
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
0