はじめに
WorkDocs では、Directory Service (Microsoft AD, Simple AD, AD Connector) と連携してユーザー管理を行います。Directory Service 上で新たなユーザーを作成したときに、WorkDocs 側でどのように認識されるのか、また WorkDocs へのログインを許可したいときに、どういった作業が必要なのかわからなかったので、検証してみました。
次の観点で検証を行いました
- ユーザーは、どの作業を行うと「アクティブ」になるのか。WorkDocs では、東京リージョンだと 1 アクティブユーザー あたり 7.00 USD の費用が発生するが、Directory Service 側のユーザー数がどのように反映されるのか
- 「アクティブ」になったときのユーザーの権限は、どの権限になっているのか
WorkDocs のセキュリティ設定
Directory Service で新規作成されたユーザーの挙動は、WorkDocs 側のセキュリティ設定によって左右されます。管理者で WorkDocs にログインして、管理コントロールパネルを開きます。
セキュリティ欄で変更をおします。
これがデフォルトの設定になっています。この「自動アクティベーション」や「新しいユーザーに対するロールの設定」が、Microsoft AD 上で作成したあらたなユーザーの挙動に影響を与えます。
それぞれ、具体的に見ていきましょう。
デフォルトの設定
デフォルトの設定の場合、初めに結論を書きます
- Microsoft AD (Directory Service) で管理されているユーザーは、WorkDocs にログインをすることで、自動アクティベーションが可能
- 自動アクティベーションの結果、一般的なユーザー (有料) として扱われる
- そのため、ログインするユーザーの数が増えると、WorkDocs の費用が上がるデメリットがあると考えられる。一方、ユーザー側で自由にアクティベーションできるので、セルフサービスがやりやすいメリットもある。
デフォルトの設定の場合は、このような設定です。
Microsoft AD 上で新しいユーザーを作成しました
WorkDocs の管理コントロールパネルでは、作成したユーザーは、非アクティブなゲストユーザーとして認識されています
該当のユーザーでログインをしてみると
一般的なユーザーとして、ログインされました
管理コントロールパネルを確認すると、ステータスが「アクティブ」となり、権限が「ユーザー」となりました。このユーザーは、今後 WorkDocs 上では有料ユーザーとして扱われます。
ロールをゲストユーザーにする
初めに結論
- Microsoft AD (Directory Service) で管理されているユーザーは、通常のログインをすることで、自動アクティベーションが可能
- 自動アクティベーションの結果、ゲストユーザー (無料) として扱われる
- ユーザーがいくらログインしても費用の増加は発生しないので、管理者によるコントロールがやりやすい方法と言える
- ゲストユーザーは、閲覧のみのユーザー。自分で何かファイルをアップロードすることはできない
- 閲覧についても、他の一般ユーザーからファイルやフォルダの共有をしてもらないと、何も閲覧できない
以下の設定をオフにしている状態です。
Microsoft AD 上で、新しいユーザーを作成します。
WorkDocs の管理コントロールパネルでは、作成したユーザーは、非アクティブなゲストユーザーとして認識されています
サインインを行うと
ゲストユーザーとしてログインされました。何も共有されていないので、何も閲覧できませんが。
管理者でユーザー一覧を確認すると、「非アクティブ」から「アクティブ」に代わっていて、権限はゲストユーザーになっています。
自動アクティベート禁止
初めに結論
- Microsoft AD (Directory Service) で管理されているユーザーは、管理者が手動でアクティブ化しないかぎり、WorkDocs にログインできない
- より厳密に管理したい場合は、こういった方法で管理するのもよいでしょう
以下の設定の状況です。
Microsoft AD で新たなユーザーを作成
WorkDocs の管理コントロールパネルでは、作成したユーザーは、非アクティブなゲストユーザーとして認識されています
サインイン
アクティブではないので、ログインできませんでした!
管理者がアクティブ化すると、、、
ログインできました
検証を通じてわかったこと
- Microsoft AD 上で作成されたユーザーは、WorkDocs では「非アクティブ」ステータスになる。Microsoft AD 上でユーザーを作成しただけでは WorkDocs の追加料金は発生しない
- デフォルトでは、Microsoft AD 上のユーザーは、だれでも WorkDocs に有料ユーザーとしてアクティベーションできるため、設定内容の検討はしても良いと考えられる