目次
1.はじめに
2.データ人材育成の取り組み概要
3.SQLをどう教えてみたか - 具体的な方法と内容
4.教えてみた結果と得られた成果
5.「教えてみた」から見えた反省点・学び
6.まとめ
1.はじめに
この記事で伝えたいこと:社内プロジェクトの一環で、特定のチームを対象にSQLを教えてみた経験とその学びについてのお話です。
対象読者としては、これからSQLの業務での活用を考えている事業部の方、またはSQLを事業部側に書いてもらいたいデータ部門の方を対象にしています。
2.データ人材育成の取り組み概要
取組の背景としては、今まで「データがほしい・見たい」となった際は、私たちデータ専門チームに抽出依頼をもらい提供するのが社内の基本フローとなっていました。
対象チームからは類似したデータ抽出依頼が定期的に発生するため、依頼というコミュニケーションを挟まずに、ほしい人が自ら抽出できた方がデータを確認するまでのスピードが上がるだろうという仮説があり、「SQL操作スキルの習得」と「複雑なSQL文にならないデータマートの開発」に取り組むことになりました。 取組の後半では、Tableauを使ったデータのビジュアライズにもチャレンジしてもらいました。
3.SQLをどう教えてみたか - 具体的な方法と内容
教育方法の全体像です。 基本操作・知識のレクチャーと、実際の抽出案件を使った実演ロールプレを組み合わせて進めました。
SQLのレクチャー2カ月、Tableau2カ月ぐらいのスケジュール感で、さらに対象チーム向けに作成したデータマートの開発と使用方法の解説も平行進行しました。
学習環境は、弊社の分析環境であるBigQueryとTableauについて、学習と実務に必要な権限を付与して、進めました。
4.教えてみた結果と得られた成果
定量的にも、定性的にも成果が出せたのはよかったなと思いました。 一見すると、SQLの自分たちのやっている業務を押し付けられたような感じになるのですが、定量的な部分の成果がお互いに出たこと(事業部側は分析依頼工数の削減、データ側:分析案件数の削減)で、Win-Winの関係が構築できたような気がしてます。
特に、コミュニケーションを密にとることが今回の業務で初めてだったので、定性的な成果のコミュニケーションの部分は今後の関係構築する上で、すごくよかったのではないかと感じています。
<以下、成果のサマリ>
定量的な成果:
抽出依頼件数の削減(全体に対して、約10~20%程の削減)
業務作業効率の向上(抽出依頼 フォーマットの記載や細かな要件定義によるコミュニケーションコストの大幅な減少)
定性的な成果:
データに関する質問のハードルが下がったこと、理解度が上がったことで関係者とのコミュニケーションが円滑になったこと。
施策のデータを取得する際の結果の解釈が明確になり、より効果的なデータ活用が可能になったこと。
SQL学習環境により、初心者もデータにアクセスしやすくなったこと。
5.「教えてみた」から見えた反省点・学び
良かった点は前述の部分と重複しますが、改善点も多くありました。 限定的な期間の中で、対象チーム向けのデータマート開発とスキルレクチャーを進めなければいけなかったので、体系的に教えるということはなかなかできなかったように感じます。
<以下、良かった点、改善点のサマリ>
良かった点:
定量的で分かりやすい成果が出たこと(プロジェクト全体として)。
取り組み内容がシンプルで再現性が高く、属人性のない施策だったこと(プロジェクト全体として)。
改善点:
スキル習得のフローを段階的に示したほうが、学習者にとって取り組みやすかったと感じたこと
手探りやぶっつけ本番の要素が強かったため、より体系的に進める余地が大きいと感じたこと。
これらの学びを今後の育成にどう活かせるか。
6.感想・まとめ
業務の効率化という定量的な部分の成果があった以上に、お互いの業務を知ること、そのうえでのコミュニケーションが大事だということがすごく痛感させられました。
自分たちのように毎日SQLを書く人にレクチャーするというのと違い、他にメイン業務があって、その隙間時間でSQLを身に着けるというのは、工夫やしっかり時間をかけていかないといけない部分の選別をしないとなかなか定着は難しいなと思いました。
今現在、別プロジェクトとして、SQLを使える人を増やすプロジェクトも動き始めました。
もっとたくさんの部署の人たちと関わりながらもっと規模も大きく進んでいくことになったので、そちらでも、この活動が活きてくるといいなと思いました。
最後に、私たちのチームではこのようなデータに関する取組を日々行っています。興味を持たれた方は、ぜひ採用ページもご覧ください!(カジュアル面談のリンクはこちら)