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「怖いけど発表してみたい」を「準備できた」に変えるアプリをつくった話

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はじめに

技術コミュニティのイベントで、こんな声をよく聞きます。

「発表してみたいけど、怖くて…」

経験者から見ると「大丈夫、やってみれば」と言いたくなる。でも、その「怖い」には名前があると思っています。「どこまで準備すれば十分か、わからない」という曖昧さです。

スキルがないわけじゃない。経験がないわけでもない。ただ、ゴールが見えない。

この曖昧さを「デザインで解決できないか」と考えて作ったのが First Talk Coach です。
スクリーンショット 2026-03-09 11.35.43.jpg

🔗 https://main.d1ut0irpwyzmmx.amplifyapp.com/

「準備完了」ってどういう状態?

自分が初めてLTに登壇したとき、当日まで「これで大丈夫なのか」という不安が消えませんでした。

振り返ると、その不安の正体は「準備完了の定義がなかった」ことでした。何を達成すれば「OK」なのか、誰も教えてくれない。だから永遠に不安なまま当日を迎える。

First Talk Coach では、この「準備完了」を明示的に定義しています。

  • 話す内容が1つに絞れている
  • 5分に収まる構成ができている
  • 1回通しで練習できた
  • 少し早く終わってもOK、言い間違いがあってもOK(これが大事)

最後の「失敗の許容範囲」を明示することが、いちばん効いていると感じています。完璧を目指さなくていいと分かると、心理的なプレッシャーがぐっと下がります。

AIは「答え」じゃなく「たたき台」

登壇準備アプリを作ると聞くと「AIが自動でスライドを作ってくれるやつ?」と思われがちです。

でも、それはなぜか作りたくなかった。スライド自動生成アプリで溢れてるからかもしれない。でもそれは結局自分の言葉じゃない

「AIに作ってもらった感」が残るプレゼンは、登壇者自身も不安になります。「これ、私の言葉じゃないかも」という感覚で壇上に立つのは、むしろつらい。

だから AI の役割は構成のたたき台を出すことだけにしました。叩き台を自分の言葉で書き直すプロセスがあることで、「自分で準備した」という感覚が生まれます。

仕様を先に書くということ

開発は Kiro という仕様駆動開発ツールを使いました。コードを書く前に「このアプリは何ができればOKか」を言語化するところから始めました。

最初に決めたのはスコープの制約です。

  • 対象:5分LT・初心者・小規模コミュニティ
  • やらないこと:スクリプト自動生成・スコアリング・テンプレート一括生成

「これ、あっても便利じゃない?」と思う機能がたくさん浮かびました。でも仕様書に「v1.0の対象外」と書いてあると、「仕様外」と言い切れる。

この一言で切り捨てられる安心感は、仕様書を書いてみて初めてわかりました。

作ってみてわかったこと

不安はコンテンツ問題ではなく、デザイン問題だった。

「何を話せばいいかわからない」は情報の問題じゃない。「どこまでやればいいかわからない」という構造の問題です。ゴールを定義して、スモールステップに分解して、「これができていなくても失敗じゃない」と伝える——それだけで、かなりの不安は消えると感じています。

登壇の裾野が広がると、コミュニティはもっと豊かになると思っています。First Talk Coach がその一助になれたら嬉しいです。
でもまだまだ本当は機能を追加したい!ふふ。皆さんのご意見をお待ちしています。


技術的な実装については Zenn にも書いています。
https://zenn.dev/sugimisu/articles/c64dc106c28580

英語版はAWS Builder Centerの 10,000 AIdeas Competition にも投稿しています。

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