はじめに
時系列解析の分野では、データに重きを置くLSTM(DeepLaearningの一種)などの機械学習色の強い手法や、データ以外に理論や経験的知識も用いたARMAモデルなどの統計分析色の強い手法などが用いられます。
本項では後者の統計分析手法のうち、後者に属する線形ガウス状態空間モデルについて記述します。ARMAモデルなどを状態空間モデルとして表現することで、予測、フィルタリング、平滑化などの処理を分かりやすく記述することができます。
参考
https://ocwx.ocw.u-tokyo.ac.jp/course_11416/
実装
https://github.com/suepiiin/time_series_analysis
線形ガウス状態空間モデル
線形ガウス状態空間モデルを以下のように定義する。
システムモデル(状態方程式)
$$ \boldsymbol{x}_n = F_n\boldsymbol{x}_{n-1} + G_n\boldsymbol{v}_n,\qquad\boldsymbol{v}_n~\sim N(0,Q_n)$$
観測モデル(観測方程式)
$$ \boldsymbol{y}_n = H_n\boldsymbol{x}_{n} + \boldsymbol{w}_n,\qquad\boldsymbol{w}_n~\sim N(0,R_n)$$
3つの分布
$$p(\boldsymbol{x}_j|\boldsymbol{y}_{1:k})=N(\boldsymbol{x}_{j|k},V_{j|k})$$
上記定義のもとで3つの分布は以下のようにかける。ここで$0\leqq t \leqq T$である。
予測分布・・・$p(\boldsymbol{x}_n|\boldsymbol{y}_{1:n-1})$
$$\boldsymbol{x}_{n|n-1}=F_n\boldsymbol{x}_{n-1|n-1},\qquad V_{n|n-1}=F_nV_{n-1|n-1}F_n^T+G_nQ_nG_n^T$$
フィルタ分布・・・$p(\boldsymbol{x}_n|\boldsymbol{y}_{1:n})$
$$\boldsymbol{x}_{n|n}=\boldsymbol{x}_{n|n-1} + K_n(\boldsymbol{y}_n - H_n\boldsymbol{x}_{n|n-1}),\qquad V_{n|n}=(I-K_nH_n)V_{n|n-1}$$
$$カルマンゲイン:K_n=V_{n|n-1}H_n^T(H_nV_{n|n-1}H_n^T+R_n)^{-1}$$
パラメータ推定
一般に最尤推定で求めます。