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エンジニアの職業病?相手の「本当に欲しかったもの」を探しがちだなと感じた話

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エンジニアをやっているとよく聞く「顧客が本当に必要だったもの」という話があります。意外と日常生活でもこの話は出てくることがあり、無意識にそれをなぞっているなと感じることがあるので、その話を言語化してみようと思います。

なお、この記事は自分のぼんやりポエムみたいなものなので、気楽に読んでみてください。

「顧客が本当に必要だったもの」という風刺画について

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これはシステム開発の世界でよく題材にされる風刺画の話です。同じ「ブランコ」の依頼でも、関わる人ごとに想像するものがズレていき、最後に「顧客が本当に必要だったもの」として、ごく素朴なタイヤのブランコが出てくる、というエンジニア界隈ではわりと有名な話です。

要望と本当に必要だったものは案外ずれている。家族や親族とやり取りしていると、わりと同じようなことをよくやっているなと感じます。

誰かが「これが欲しい」と言ってくる。その通りに用意してみると、たいてい何かが余計だったり、少し的を外していたりする。言われたものをそのまま渡すより、その人が本当に困っていることは何だろう、と一度考える。意外と日常生活の中でも、無意識にそういうことをしているなと、ふと思いました。

実際にあった話

固定電話の契約をなんとかしたい

去年の夏くらいに、実家の親が「お金もったいないから固定電話の契約どうにかしたいんだけど、いろいろあるから契約切れなくて」とぼやいていて、理由を聞くと「何かあったときに必要だから」と言っていました。
「いや、今の時代スマホだけで十分じゃない?」と思って、どうして必要なのか、もう少し深掘ってみました。

そうすると、どうやら「ガス会社や銀行に、固定電話の番号で登録しているから」という話で、さらに聞いてみると「登録先を全部変更するのが面倒くさい」「変更するのを調べるのがわからない」と言います。じゃあ何が面倒なんだろうとさらに掘っていくと、「電話ってすごい待たされるから本当に嫌」というところにたどり着きました。

「固定電話の契約をどうにかしたい」という最初の話をそのまま鵜呑みにするなら「契約解除の申込すればOK」なんですが、実際に困っていたことは「電話で待たされるのが嫌」という部分がブロッカーになっていたということがこのヒアリングでわかった形でした。

そうとなればスピーカーホンで家の用事をこなしながら電話を流していればOKじゃないか、と思ってそれを提供した形でした。(実際には使い慣れていないので、最初の1本については自分が電話を代行してお手本を見せて、それから親にトライしてもらうという形をとりました)

要するに「固定電話の契約をなんとかしたい」という話に対して、実際に提供したソリューションは「スピーカーホンで通話する」という形で、まさに例の風刺画のような話になったなと自分で実感した出来事でした。

パソコンが欲しい

また別の話で、親戚の叔父さんが「パソコンが欲しい」と言っていました。「いやパソコンって、何したいの?」と聞いてみると、どうやら申請書やら書類作成のために Excel や Word を、キーボードで編集したいだけでした。

それなら手持ちのiPadで間に合いそうだなと思って、家にあった古い Bluetooth のキーボードをつないで、iPad 上で Google Doc と Google Sheet で代用してもらって、どうしても Word, Excel で出力する必要があるときだけ.docxや.xlsxの形式で Google Doc, Sheet からエクスポートする、という形に落とし込みました。

この話でも「パソコンが欲しい」から「Bluetooth キーボードの使い方と Google Doc, Sheet の存在を伝える」という話になり、最初の want の形が全く別の形に変わってしまったなと思った出来事でした。

最近 Wi-Fi 遅くない?

前に親に「なんか Wi-Fi つながりにくい」「なんか壊れてるみたいだから直して」と言われることがありました。よくよくみてみると、ルーターのあるリビングで 2.4GHz の方に繋いでいたので、そりゃ遅いわけだとわかったので、「リビングなら 5.0GHz, 寝室なら 2.4GHz だと速度出るよ」みたいなことをして解決しました。

この話について、もし仮に電波の話をしていたとしたら、2.4GHzと5GHzというのがあって、近くて障害物が少なければ5GHzのほうが速く、壁なんかを挟むと2.4GHzのほうが届きやすい、といった違いを説明する必要があったと思います。とはいえ、この仕組みを知りたいのではなく、相手が欲しいのは「どうすれば直るのか」という答えのほうだけということが多い。

なので、リビングなら5GHzのほうが速いよ、寝室で遅いと感じたら2.4GHzに切り替えてみて、と伝えます。理屈は省いて、どこで何をすればいいか、それだけを渡す。

きちんと理解してもらおうとしても、持っている知識の前提が違うので理解できる通りはない。正しさを伝えるのはいったん脇に置いて、相手が受け取りやすい形に削る。Wi-Fiの件で自分がやっていたのは、「Wi-Fi の不具合を探して修正する」のではなく、「適切な使い方を教える」という形で落としていて、これも要求されたものと実際に提供したものが異なった結果になったなと感じた経験でした。

言われたものより、必要なものを

こうして振り返ってみると、欲しいと言われたものをそのまま用意するのではなく、その人が本当に困っていることは何かを探って解決する。そして、提案したものが正しくても相手がすんなり使えるとは限らないので、様子を見ながら渡し方を調整するということをしていました。

エンジニア人生を歩んでいく中で知った風刺画、こうして家の中でも現実として出てきたのを改めて振り返ると「これが職業病か」と感じました。

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