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Python+Windows10でMeCabをインストール (2022/4/13)

Last updated at Posted at 2022-04-12

 形態素解析器として日本語を扱う上で有名なMeCabですが、Windows環境でPythonから使えるようにするのは結構大変でした。Web上に色々な情報が散乱していますが、なかなか上手く行かなかったため、備忘録として残しておきます。
(本記事は2022/4/13時点での最新版であるmecab-python3 1.0.5に合わせたものとなっています。バージョンが異なる場合、他の方法が必要となる可能性がありますが、予めご了承ください)

 基本的には MecabをインストールしてPythonから使ってみた の記事を参考に進めます。

1. MeCab本体のインストール

 まず、公式ページ からMeCab本体を入手し、インストールしてください。Windowsの場合は自己解凍型のインストーラーがあるため、それを使えばインストールは簡単です。
 注意点として、Pythonから利用するためには、インストーラーから聞かれる文字コードをUTF-8にしておく必要があるようです。

 その後、(MeCabインストール先)\binディレクトリを環境変数PATHに設定してください。
 ここでコマンドラインからmecabコマンドを叩いて実行できれば成功です。(失敗している場合は、「コマンドが存在しない」的なエラーになります)
 実行すると入力待ち状態になるため、見かけ上は何も表示されません。また、文字コードの問題で、日本語文を入力しても実行結果の出力が文字化けしますが、どちらも問題ありません。
(コマンドから使いたい場合は、mecab <in.txt >out.txtなど、ファイルを介して入出力すれば正常に使えるはずです)

2. mecab-python3のインストール

 普通にpip install mecab-python3をするとエラーが発生しました。Windowsの場合は自分でビルドが必要とのことです。

2.1. mecab-python3ソースコードの入手と書き換え

 まず、PyPIのページ からソースコードを入手しましょう。
 ダウンロードしたファイルを適当な場所で展開すると、直下にsetup.pyが見つかります。こちらを開いてください。
 こちらのファイルの177行目に定義されている変数WIN_MECAB_DIRに、MeCabのインストール先を指定します。この時、インストールしたフォルダ内sdkディレクトリを指定してください。
(このファイルは参考サイトと異なっています。ご注意ください)

setup.py
// 175行目から引用
# Windows requires special prep
if os.name == 'nt':
    WIN_MECAB_DIR = r'(MeCabインストール先)\MeCab\sdk' // ここを変更

    include_dirs = [WIN_MECAB_DIR]
    library_dirs = [WIN_MECAB_DIR]
    libraries = ['libmecab']
    data_files = [("lib\\site-packages\\MeCab\\",
                  ["{}\\libmecab.dll".format(WIN_MECAB_DIR)])]
    MECAB_EXTENSION = Extension("MeCab._MeCab",
                                ["src/MeCab/MeCab_wrap.cpp"],
                                libraries=libraries,
                                include_dirs=include_dirs,
                                library_dirs=library_dirs)
    # We use a prebuilt MeCab so this is taken care of
    cmdclass = {}
else:
    // ...

2.2. MeCab本体側スクリプトの書き換え

 最初にインストールしたMeCabのスクリプトも一部書き換えが必要です。(MeCabインストール先)\sdkフォルダにあるmecab.hをテキストエディタで開いてください。C++のコードですが、内容は理解できなくても大丈夫なのでご安心ください。
 ここで、779行目の後にvirtual void set_result(const char *str) = 0;という行を追加します。

mecab.h
// 775行目から
/**
 * Lattice class
 */
class MECAB_DLL_CLASS_EXTERN Lattice {
public:

  virtual void set_result(const char *str)        = 0; //追加

  /**
   * Clear all internal lattice data.
   */
  virtual void clear()              = 0;
// ...

2.3. dllファイルのコピー

 (MeCabインストール先)\binフォルダにはlibmecab.dllファイルが存在していますが、インストール段階でうまく参照されません。このファイルを(MeCabインストール先)\sdkフォルダにコピーしてください。
 ファイルを移動すると、インストールできても実行の際に失敗してしまうため、binディレクトリとsdkディレクトリの両方にlibmecab.dllファイルがある状態にしてください。

2.4. インストール

 以上で準備は完了です。最後に、コマンドラインからインストールを行います。
 まず、コマンドラインでsetup.pyがあるディレクトリに移動します。そこで

python setup.py install

を実行します。上手く行けばインストールが成功するはずです。
 赤文字で何かエラーが出た方はインストールに失敗しています。MeCabのインストールとパス設定などを見直してみてください。

2.5. 動作確認

 Pythonを起動して、以下のスクリプトを実行してみてください。(MecabをインストールしてPythonで使う【Windows】より拝借しました)

import MeCab
 
mecab = MeCab.Tagger()
target_str = "DOS窓では、基本的には日本語がアウトです"
print(mecab.parse(target_str))

 ImportError等のエラーなく、形態素に分解された情報が出力されればインストール完了です。

2.6. 後始末

 追加した諸々のファイルのうち、不要なものを削除します。(削除しなくても使用上は問題ありません)
 まず、2.1.でダウンロードした、mecab-python3のソースは、全く必要ありません。フォルダごと削除しましょう。
 また、2.3.でコピーしたsdk\libmecab.dllについても削除して構いません。通常使用時はbinディレクトリのものが使用されます。(間違えて.libファイルまで削除しないよう気を付けてください)

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