目的
一般のご家庭にある光回線で普段使い(ゲームなどの大容量高速通信)のためにv6プラス、サーバ用にPPPoEを使い分けられる環境を作ったよという話です。
値段と速いとの売り文句でv6プラスの光コラボを選んだ後でv6プラスの制約を知り、試行錯誤した結果であり、もっといい方法があればコメントいただければ幸いです。
環境
コラボ光: GMO光アクセス ファミリー接続サービス
別途用意したプロパイダー: インターリンク ZOOT NEXT
v6プラスは速いが制約がある
まずv6プラスでは固定IPが利用できないものが多いです。
DDNSを用意したとしても解放できるポートが決まっており、80や443などを開放することはできないようです。それ以外にもVPNやポートの決まっているゲームなどでも困ることがあるかと思います。(回線契約後に気づいて辛かったです。)
また対応機器を用意する必要があります。v6プラスを提供するプロパイダーからレンタルされたルータは当然対応していますが、別途用意する場合はIPv4overIPv6の規格(MAP-EやDS-Lite)に注意して用意する必要があります。これらの規格は日本のガラパゴス規格のため自作ルータでpfsenseやOPNsenseを使う場合は相当面倒な設定が必要になってきます。
しかし、逆に言えば固定IPやポート解放を使用しない、スマホや一般的なゲーミング用途の回線としてはv6プラスは非常に有用なものと言えます。
PPPoEは遅い
PPPoEは遅いです。プロパイダーにもよるところが大きいのですが、今回GMO光のままPPPoEに変えてもらったところ普段使いには論外な速度(fast.comで数Mbps~数十Mbps程度)になってしまったため、人間向けにはIPoE、サーバ向けにはPPPoEという今回の環境を構築するに至りました。
マルチセッションとは
一つの回線契約に複数のプロパイダーに同時接続するものです。
ONU直下にハブを置き、分岐させて二つ以上のルータを使うことができます。 知らなかった
参考
https://www.interlink.or.jp/service/flets/multisession.html
イメージとしてはこんな感じ
標準で2セッションまで扱うことができます。IPoEであればセッション数は消費しないため理論上もう一つプロバイダーを用意することも可能でしょう。ひかり電話は起動時のみ1セッション消費するようです。
v6プラスはNTTから回線に割り当てられるIDに紐づくためv6プラスをこの方法で複数扱うことはできず、複数扱うには光ファイバーをもう一本引き込むことになるようです。
副産物
グローバルIPが二系統あるので、Webサーバが外から見た時どう振る舞うかの確認が簡単になりました。(これまではテザリングで確認していました)
また片方(PPPoEを想定)をサーバ専用にすれば、もう片方(v6プラスを想定)を友人に多少軽率に貸し出してもセキュリティが保てます。こうなってくると自作ルータで仕切る意味がもうないんよな...
プロパイダーの冗長性向上が見込めますがこれに関しては物理回線が死んだら両プロパイダー両方死ぬのであんまり意味ないかもです。
デメリット
宅内のサーバでもグローバルIPを用いてアクセスするので、LAN内だからいいやーと雑に設定してあったNASをどうしようか迷っています。サーバ増やして外向きのサーバと宅内用サーバに分けようかな...
あと体感できるレベルではないですが一度外の回線を通ってサーバへアクセスするため多少ラグくなるとは思います。