はじめに
AWS Solutions Architect Associate (SAA) の学習中に整理した Amazon Route 53 関連の知識をまとめました。
ルーティングポリシーの選び方、Alias と CNAME の違い、TTL の影響、Resolver Endpoint の方向など、試験で頻繁に問われるポイントを網羅しています。
本記事は個人の学習ノートをベースにしています。誤りがあればコメントでご指摘いただけると助かります。
サービス概要
ルーティングポリシー
| ポリシー | 基準 |
|---|---|
| Simple | 単一リソース |
| Weighted | 重み付け比率でトラフィック分散 |
| Latency-based | 最低レイテンシーのリージョン |
| Failover(Active-Passive) | プライマリ → セカンダリ(ヘルスチェック) |
| Geolocation | ユーザーの地理的位置(国/大陸、固定マッピング) |
| Geoproximity | 距離ベース + バイアスでエリアサイズ変更可能 |
| Multi-value Answer | 最大8レコードを返す |
Geolocation vs Geoproximity
この2つの違いは試験で頻出です。
| Geolocation | Geoproximity | |
|---|---|---|
| 基準 | 国/大陸の固定マッピング | 距離 + バイアス |
| エリアサイズ変更 | ❌ | ✅(バイアス値で拡大/縮小) |
「エリアサイズを変更したい」→ Geoproximity、「国ごとに固定的にルーティングしたい」→ Geolocation です。
Active-Active vs Active-Passive
| 設定方法 | |
|---|---|
| Active-Passive | Failover Routing Policy |
| Active-Active | Failover 以外のポリシー(Weighted 等)+ ヘルスチェック |
「Active-Active Failover Routing Policy」は存在しないため、選択肢に出たら不正解です。
CNAME vs Alias
| CNAME | Alias | |
|---|---|---|
| マッピング先 | 任意のドメイン名(サードパーティ含む) | AWS リソースのみ + 同一 Hosted Zone のレコード |
| Zone Apex(ルートドメイン) | ❌ 使用不可 | ✅ 使用可能 |
| DNS 料金 | 有料(クエリごと) | 無料(AWS リソース宛) |
Zone Apex には Alias のみ使用可能です(CNAME は DNS 仕様で不可)。
Route 53 Resolver Endpoint
| エンドポイント | 方向 | 用途 |
|---|---|---|
| Inbound | オンプレ → AWS | オンプレから AWS の DNS を解決 |
| Outbound | AWS → オンプレ | VPC 内からオンプレの DNS を解決 |
覚え方: In = 入ってくる(オンプレ → AWS)、Out = 出ていく(AWS → オンプレ)
Private Hosted Zone の前提
- VPC で DNS hostnames と DNS resolution の両方を有効化
- 非デフォルト VPC では DNS hostnames がデフォルト無効
TTL(Time To Live)
- DNS 変更が反映されない主な原因
- レコード変更前に TTL を短く設定するのがベストプラクティス
- Simple レコードにはヘルスチェック機能がない
DNS レコードタイプ
| レコード | 用途 |
|---|---|
| A | ドメイン → IPv4 |
| AAAA | ドメイン → IPv6 |
| CNAME | ドメイン → 別ドメイン名 |
| Alias | ドメイン → AWS リソース |
| PTR | IP → ドメイン名(逆引き) |
| MX | メールサーバー |
| NS | ネームサーバー |
試験で問われる設計パターン
ルーティングポリシーの選択
欧州ユーザーのレイテンシー改善 → Latency Routing + Aurora Read Replica
シナリオ: 米国リージョンで運用しているアプリケーションに対して、欧州ユーザーのレイテンシーを改善したいです。どの構成が最適でしょうか?(2つ選択)
正解:
- eu-west-1 に EC2 フリート + Route 53 Latency Routing
- eu-west-1 に Aurora Read Replica
- 「レイテンシー改善」→ Latency Routing(Geolocation ではない)
- 「DB 読み取り改善」→ Read Replica(Multi-AZ ではない)
地理的エリアのサイズを動的に変更 → Geoproximity Routing(バイアス)
シナリオ: 2つのリージョンにアプリケーションをデプロイしています。一方のリージョンに、より広い地理的エリアからのトラフィックを集めたいです。どのルーティングポリシーが適切でしょうか?
正解: Route 53 Geoproximity Routing
- バイアス値でエリアの拡大/縮小が可能
- Geolocation は固定マッピング(変更不可)
プライマリサイト障害時に静的エラーページ → Active-Passive Failover
シナリオ: プライマリサイトが障害で応答しなくなった場合、S3 でホストした静的エラーページにフェイルオーバーさせたいです。どのルーティングポリシーを使うべきでしょうか?
正解: Route 53 Failover Routing Policy
- Active-Passive = Failover Routing Policy
- 「Active-Active Failover Routing」は存在しない
DNS レコード系
Route 53 レコード変更後もユーザーが旧 LB に接続 → TTL がまだ有効
シナリオ: Route 53 のレコードを新しい ALB に変更しましたが、一部のユーザーがまだ古い ALB に接続されています。原因は何でしょうか?
正解: TTL がまだ有効(DNS リゾルバーが古いレコードをキャッシュ中)
- レコード変更前に TTL を短く設定しておくのがベストプラクティス
- Simple レコードにはヘルスチェック機能がない
ドメイン名を別のドメイン名にマッピング → CNAME レコード
シナリオ: 自社ドメインをサードパーティのサービスのドメイン名にマッピングしたいです。どの DNS レコードタイプを使うべきでしょうか?
正解: CNAME レコード
- Alias は AWS リソースのみ(サードパーティドメインには不可)
- A レコードは IP アドレス宛
Zone Apex(ルートドメイン)のルーティング → Alias Record
シナリオ: example.com(ルートドメイン)を ALB にルーティングしたいです。どのレコードタイプを使うべきでしょうか?
正解: Alias Record
- Zone Apex には CNAME は使えない(DNS 仕様)
- Alias は Route 53 独自の拡張
- AWS リソース宛のクエリは無料
フェイルオーバー系
Blue/Green + DNS キャッシュ問題 + グローバル → Global Accelerator
シナリオ: Blue/Green デプロイメントをグローバルに行っていますが、DNS キャッシュにより切り替えが遅れます。DNS キャッシュの影響を受けずに即座に切り替える方法はどれでしょうか?
正解: AWS Global Accelerator
- 静的 IP で DNS キャッシュの影響なし
- Route 53 Weighted は DNS キャッシュの影響あり
- ALB Weighted Target Groups は単一リージョンのみ
DNS 解決系
VPC からオンプレ DNS を解決 → Outbound Endpoint
シナリオ: VPC 内のアプリケーションからオンプレミスのプライベートドメインを解決したいです。
正解: Route 53 Resolver Outbound Endpoint + Forwarding Rule
ハイブリッド DNS 解決(双方向)→ Inbound + Outbound Endpoint
シナリオ: オンプレミスと AWS の間で双方向に DNS を解決したいです。(2つ選択)
正解:
- Inbound Endpoint(オンプレ → AWS)
- Outbound Endpoint(AWS → オンプレ)
- Universal Endpoint は存在しない
Private Hosted Zone が動かない → DNS 設定の有効化
シナリオ: Route 53 Private Hosted Zone を作成しましたが、VPC 内から名前解決できません。
正解: VPC で DNS hostnames と DNS resolution の両方を有効化
- 非デフォルト VPC では DNS hostnames がデフォルト無効
おわりに
Route 53 は「どのルーティングポリシーを選ぶか」が試験の中心テーマです。「レイテンシー改善 → Latency」「エリアサイズ変更 → Geoproximity」「障害時切り替え → Failover」「Zone Apex → Alias」という判断パターンを押さえておけば、ほとんどの問題に対応できます。
間違いや補足があればぜひコメントで教えてください。