目次
はじめに
何故出願したか
何故ウォートンビジネススクールか
どうやって準備したか
おわりに
写真
はじめに
MBAの場合先人たちからの豊富な情報がありますが、EMBA、特にウォートンEMBAに関する日本語の情報は少ないです。2023年末にウォートン・スクールからオファーをいただき、2024年5月から授業を開始しました。なぜ出願したのか、そしてどのように出願準備をしたのか、今のうちにまとめておきたいと思います。働きながらMBA/EMBA進学を考えている方々の参考になれば幸いです。
ちなみに、この記事は同僚であり親友である新井さんからのジョージア工科大学でコンピュータサイエンスを学び始める話の兄弟編になります笑。
何故出願したか
ウォートン・スクールへの出願理由を簡潔にまとめると、以下の3点です。
- 「ビジネスの知識を活用し、顧客に貢献したい」
- 「持続的な学びを習慣づけ、更にFull Stack人材になりたい」
- 「業種や人種を超えて様々な人と連携し、お互いに学び合い、相乗効果を生み出したい」
個人的な経歴と合わせて、この決断の背景を以下に記しますが、興味のない方はスキップして何故ウォートンビジネススクールかから読み進めてください。
個人履歴
詳しいプロフィールはLinkedinをご覧ください。
学生時代から幸運にも最適化を研究し、2011年頃からPythonを使い始めました。工場レーアウトの最適化関連する研究でそれなり成果出て博士も取ろうかにも検討したほど楽しく経験しました。それ以降、主に技術職を志向していました。
大学院を卒業後、事業会社でデータとAI関連の仕事に携わり、機械エンジニアからデータサイエンスチームのリードまでのキャリアを積んできました。11年間に及ぶこの経験の中で、仕事と並行して書籍やMOOC、勉強会などを通じて知識を深め、実務で活かしてきました。
2022年Databricksへ転職し現職でシニア・レジデント・スソリューション・アーキテクトとして活動しており、プロフェッショナルサービス部門に所属しています。
このポジションでは、お客様に対しデータとAIの基盤設計開発および導入のサポートを提供しています。特徴としてはDatabricksのプロフェッショナルサービスでは技術的な支援だけでなく、お客様向けの最適なデータガバナンスの策定や組織の構築、人材育成など、幅広い支援を行っています。
会社の宣伝
Databricksのロゴは積み木(brick)が重なっていて可愛いですね。
背景と課題
技術者出身の私が職位を上げるにつれ、見える範囲が広がり、個人のスキルには限界がありました。チームメンバーと協力することで大きな影響を与えられるマネジャーの役割に就きましたが、自身のチームにしか影響を与えることができなかったため、Databricksでアドバイザリー的な活動をすることにしました。これにより、より多くのお客様をサポートすることで世の中に対する影響力を広げたいと考えています。
現在の活動の中で、複数のプロジェクトを同時に進行させています。上手くいくプロジェクトとそうでないプロジェクトの違いを常に考えており、組織構成や人材の育成、方針立案など、ビジネスの要素が重要であることを実感しています。
つまり、世の中には技術でほぼ全ての問題が解決できると信じていますが、それでも問題が生じるのは技術が不足しているからではなく、ビジネスに問題があると感じ始めています。そのため、ビジネススクールで学ぶことが重要な動機となっています。
まだ内定を受けた後、実際に入学するかどうか迷っていましたが、現在の上司から非常に協力的な支援を受け、「ぜひ勉強して、より高い付加価値のサービスを提供できるように成長してくれ!」と言われたことが、入学を決める決定打となりました。
何故ウォートンビジネススクールか
日本を拠点とする上で、仕事をしながらビジネスを学ぶ機会は限られていますが、私がウォートンスクールを選んだ理由は以下の通りです。
ビジネス教育のトップ大学である
ウォートンは米国で最初のビジネススクールであり、各種のランキングで高い評価を受けています。スタンフォード、ハーバードと並び、御三家の一つとされ、その中で唯一ハーフタイムのMBAプログラム(私の代でEMBA50期)を提供しています。所属するUniversity of Pennsylvaniaよりも知名度が高く、大学名ではなく学院名だけで通用するほどです。
ウォートンは各種ランキングにおいても高い評価を受け、Wikipediaのページを見ると褒めちぎられています。
ウォートンは、ファイナンス教育において有名である。U.S. News & World Reportのランキングが始まって以来、ファイナンス部門では常に第1位の評価である。QSグローバル(QS 200 Business Schools Report 2013/2014)のランキングにおいても、ファイナンス部門でトップの評価であり、「ウォートンはファイナンス部門での卓越さを示し第1位の座に輝いた」との評価を得ている。ニューヨークタイムズは、ウォートンの学部プログラムを受けている学生を評価して、ウォールストリートのプロフェッショナルファームの人材に、最も近い存在であると評価し、Poets & Quants誌も、ウォートンのプログラムは、非常に濃密な教育プログラムと学生間での競争的なカルチャーにより、ファイナンス分野における唯一最高のプログラムであると評価している。
私が現在の仕事も日本のトップ企業のサポートを行っていますので、世界最高の教育を受けて、それらのお客様に適用し、国際的にも競争力のある日本の未来に貢献したいと考えています。
自分に適したプログラムである
自分が入学するのはEMBA Global Cohortである。これは原則として社会人経験が11年以上の方を対象としたパートタイムプログラムで、卒業後にはMaster of Business Administration (MBA)学位が授与されます。このプログラムの特徴は、ほとんどの授業がオンラインで行われるため、家族、仕事、学業のバランスを取りやすい点です。また、テクノロジーや起業などに特化したBerkeleyなどの西海岸の大学とは異なり、幅広い授業が設定されており、私の知識を補完できると考えています。
さらに、3ヶ月に1度、海外で1週間から2週間の集中講義が行われるため、異なる背景や文化を持つ仲間と共に新しい環境で学ぶことで、よりグローバルな視野を得ることができると期待しています。
唯一の欠点?
欠点と敢えて言うと学費は高額であり、2年間で約25万ドルかかりますが、その価値があると信じて入学を決めました。
入学後の感触
実際に入学すると、テレコム会社のCEOやパイロット、脳神経外科医、アメリカ陸軍特殊部隊長官など、世界中から面白い人々が集まるクラスの一員として、刺激を受けながら学びました。そして、仲間に加われることを非常に光栄だと思っています。
どうやって準備したか
ビジネススクールへの出願準備にはそれなりの工程が必要であり、早めの計画と実施がおすすめです。
卒業生訪問
MBAでは特に、在学中または卒業した人々を訪ねて(Coffee Chat)、学校選びや申請エッセイの準備に役立つ情報を得ることができます。私の場合、Wharton Club Japanの会長から始め、複数の卒業生から多くの助言を受けました。
英語試験証明書
私の場合、すでにBerkeleyでMasterを取得していたため、提出は不要でした。勉強法についてはネット上で沢山記事あり、詳しく説明されています。
GMAT
私の場合、3年前に受験した730点の成績を提出しました。GMATの代わりにGMATやEAなどの試験を受けても問題ありません。勉強方法についてネットでは沢山書かれているので割愛します。
推薦状
多くの学校では内定を得た後に提出することになりますが、ウォートンの場合は申請時にも会社からの推薦書が必要です。事前にそれを取得することが重要です。また、2人の方から推薦状を取得する必要があります。私は当時の上司と前職の上司に依頼し、両名とも快諾していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
申請エッセイ
私にとって最も時間のかかる作業でしたが、人生を振り返り、自分の目標を明確にし、それがウォートンで達成できるかを考え、独自のエッセイを書くことが必要でした。
私はビジネスの力を活用してDataとAIの民主化に貢献したいという自分の志を書きました。その熱意を伝えたことで、内定をもらった重要な理由の一つだと思います。
面接
書類選考通過後、AOから面接があり、30分だけなので話展開しないまま終わる気がします。
おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございます。
何故出願したのか、ウォートンスクールへの出願準備についてまとめましたがいかがでしたでしょうか。
働きながら米国の大学院、特にMBAへの出願を検討している方々にとって、役立つ情報となれば幸いです。もしご質問ありましたら、Linkedinでいつでもお気軽にご連絡ください。
補足:会社の宣伝2
Databricksでは大学院通学を含めた自己研鑽費用を補助しています。日本のオフィスでは、学校に通いながら働く同僚が多く、個人の成長と学びをサポートする素晴らしい会社です。採用もしておりますので、お気軽にLinkedinまでご連絡ください。
写真
スクールアドミンであるスタインバーグ・ホール・ディートリッヒ・ホールは、ウォートンスクールのために専ら建設された最初の建物でした。
ウォートンの中心となるのは、ジョン・M・ハンツマン・ホールです。これは、2002年にオープンした学校の主要な学術ビルであり、建築設計は建築設計会社のKohn Pedersen Foxによって行われました。
スタインバーグ・カンファレンスセンターは、ウォートンのエグゼクティブ教育の中心地であり、便利な立地にあります。フィラデルフィアのペンシルベニア大学キャンパス内に位置しています。カンファレンスセンターは、最新鋭の学習施設や、ウォートンに参加する多くの参加者が滞在するプライベートルームを備えたフルサービスのホテルを含む安全な環境です。(チーズケーキとても美味しいです!)