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はじめに
AIエージェントと作業していると、「さっきの提案で進めたけど、やっぱり別の方針を試したい」という場面が頻繁にあります。普通のCLIだと、ここで会話が一本道なので、変な方向に進んでしまうと戻れない。仕方なく最初からやり直す——そんな経験はないでしょうか。
Devin for Terminal は、会話そのものを Git のように巻き戻したり、分岐させたりできます。/revert・/fork・/resume。今回は、この「セッション操作術」で試行錯誤を高速に回す方法を紹介します。これまで設定や権限の話が多かったので、今回は日々の操作感に効くテクニックです。
内容は公式の変更履歴・コマンドリファレンスと
devin 2026.5.xで確認しています。
会話は「ステップ」の連なり
まず前提として、Devin との会話はステップ(conversation step)の連なりとして記録されています。これを一覧するのが /steps です。
/steps で各ステップを確認し、その番号を /fork や /revert に渡して操作します。うれしいことに、これらはコンパクション(要約圧縮)前のステップも対象にできるので、長い会話でも遡れます。
/revert:ファイル変更と会話をまとめて巻き戻す
/revert は、指定したステップ以降のファイル変更を取り消し、会話もそのステップの直前まで巻き戻すコマンドです。「step3 で実装したけど、これは違った」というとき、/revert step3 で step3 以降を取り消し、step2 時点の状態(ファイルも会話も)に戻せます。
ポイントは、/revert がファイルの変更だけでなく会話の状態も同時に戻すことです。手で git checkout して戻す代わりに、会話のステップ基準でまとめて巻き戻せるのが便利です。「この提案の前に戻して、別案でいこう」が1コマンドで済みます。
/fork:履歴を汚さずに分岐して試す
個人的にいちばん好きなのが /fork です。既存の会話から枝分かれして、別の実装を試せる機能で、Git のブランチに近い感覚です。
ポイントは、フォークの仕様です。
| 性質 | 内容 |
|---|---|
| 履歴 | 親セッションの全履歴を引き継ぐ |
| ID | 新しいユニークIDが割り当てられる |
| 影響 | フォーク後の変更や応答は親に反映されない |
つまり、元の会話を汚さずに「もしこうしたら?」を試せる。/fork <ステップ番号> で、過去の特定ステップから枝分かれもできます。方針Aで進めた会話から、step2 地点で fork して方針Bを試し、良かったほうを採用する——この使い方が、試行錯誤を一気に速くします。
/resume・-c・-r:セッションを再開する
セッションをまたいだ再開も揃っています。ターミナルを閉じた後でも続きから始められます。
| 操作 | 内容 |
|---|---|
devin -c / --continue
|
直近のセッションを継続 |
devin -r / --resume [ID]
|
指定IDのセッションを再開(省略時は選択) |
/resume(セッション内) |
IDなしで実行すると対話的なセッション選択UIが開く |
devin list |
現在のディレクトリのセッション一覧 |
/resume をIDなしで打つとピッカー(選択UI)が開くので、「どれだっけ」となっても一覧から選べます。
試行錯誤のワークフロー例
これらを組み合わせると、こんな流れになります。
私の場合、「これは賭けだな」という実装の前には、必ず /fork してから試すようにしています。失敗しても元の会話は無傷なので、心理的にどんどん試せる。AIとの作業は「当たり外れ」がある以上、安く失敗できる仕組みがあるかどうかで生産性がかなり変わります。
おわりに
/revert・/fork・/resume は、AIとの会話を「一本道」から「巻き戻しと分岐ができる作業空間」に変えるコマンドです。特に /fork は、元を汚さずに別案を試せるので、試行錯誤のコストを劇的に下げてくれます。
「変な方向に進んだら最初からやり直し」をやっている人は、まず /steps で今の位置を見て、/fork で気軽に枝分かれする癖をつけてみてください。失敗が怖くなくなります。