この記事は、ひまプロ談話室 Advent Calendar 2025 の20日目の記事です!
はじめに
「AWSで最先端のインフラ構築をするぞ!」
そう意気込んで転職した私が、新しい職場で最初に手にしたもの。
それはキーボードではなく、サーバー室に高く積まれた段ボールでした。
"インフラエンジニア"という言葉の響きだけで転職先を選び、盛大にミスマッチを起こしてしまった私の「失敗談」です。
正直、恥ずかしい話ばかりですが、もし今、「転職したけどなんか違う」「キャリアの選択を間違えたかも」と悩んでいる人がいたら、私の屍(しかばね)を越えていってください。
この記事が、あなたのキャリアの「再起」のヒントになれば嬉しいです。
他人の失敗談に興味はないけど、転職には失敗したくない人🖖
この記事でわかること
- 転職で「なんか違う」と感じたときの判断基準
- 「出戻り」という選択肢のリアル
- 転職前に確認すべき「自分の軸」の見つけ方
この記事の対象者
- 転職を考えているエンジニア
- 転職したけど「なんか違う」と感じている人
- キャリアの方向性に迷っている駆け出しエンジニア
1. なぜ転職したのか:目標を達成して燃え尽きた
オリンピックという目標
新卒入社した会社で最初にたてた目標がありました。
「オリンピック担当者になる」
新卒入社した会社はマスメディア系のIT企業でした。
日々の業務としては、社内SEのような業務が多かったです。その中でも特殊な業務としてスポーツイベントでの技術支援という業務がありました。
主には、その大会開催地でのインフラ設営などの事前準備、大会当日の障害対応や運用支援のような業務です。
私は小さいスポーツイベントから担当し、徐々に大きなイベントの担当や、各国のメディアが集まる会議への参加などを経験して、目標であったオリンピックの担当者になることができました。
無事に任務を果たして、オリンピックを終え、日常業務に戻ると…
「次は何を目指して仕事すればいいんだ?」
かっこよく言うと燃え尽き、簡単に言えばやる気を失ってしまいました。
「次に何をやりたいか」がわからない
目標を達成した後、虚無感に襲われました。ずっと走り続けてきたのに、次に向かう先が見えない。
それまでは、運用監視、WEB開発など多岐にわたる業務を行っていました。
そして、それを活かしつつ自分がやりたいこと…考えた末に浮かんだのは、
「〇〇エンジニアと名乗れる仕事がしたい」
という思いでした。
今までは、特に名前もなく、エンジニアと名乗ることもほぼなく会社から与えられた業務を行っていたように感じます。
システムエンジニア、WEBエンジニア、フロントエンド、バックエンド…
漠然としていましたが、堂々と〇〇エンジニアと名乗れる「技術で勝負できるエンジニアになりたい」という気持ちが芽生えていました。
2. 転職:期待と現実のギャップ
「インフラエンジニア」という言葉の罠
転職活動を経て、ある大企業からインフラエンジニアとして内定をもらいました。
これまでも物理的なインフラからクラウドでのサーバー構築まで業務で行ったことはあったのでインフラエンジニアとしてもやっていけると思っていました。
私の中での「インフラエンジニア」は、
- AWSを使ってインフラを設計・構築
- クラウドの知識を活かして、モダンな環境で働ける
そう期待して入社しました。
オファーの面談でも上記の理解に齟齬がないか確認したうえで入社を承諾したつもりでいました。
しかし、現実は違いました。
想像していた仕事との乖離
実際の業務は、私が想像していた「エンジニア」とはかけ離れていました。
- ベンダーとの大量の会議
- サーバールームの掃除や整頓
- 機器の故障対応
- 既存システムのドキュメント作成
手を動かしてシステムを作る仕事ではなく、ベンダーのコントロールや調整と管理、雑務などが中心でした。
「インフラエンジニア」という同じ言葉でも、会社によって意味がまったく違う。
入社して初めて、それを痛感しました。
3. フルリモートという働き方が合わなかった
出社が当たり前だった
転職前は基本的に出社していました。
コロナ禍で一部リモートワークも導入されましたが、業務の特性上、オフィスで働くことがほとんどでした。
転職先は真逆のフルリモート。
最初は「通勤がなくて楽だ」と思っていました。
徐々に蓄積する孤独感
しかし、時間が経つにつれて辛くなっていきました。
悩んだときに気軽に声をかけられない。
出社していれば「ちょっといいですか?」と隣の席の人に聞けるのに、
フルリモートだと、わざわざチャットを送るか、会議を設定するか。
そのハードルが想像以上に高かった。
雑談が存在しない。
業務連絡だけのやり取りが続くと、チームの一員という実感が薄れていきます。
自分だけが浮いているような疎外感がありました。
ノウハウがない環境に一人で放り込まれた。
チーム内で、フルリモート導入後に入社したのは私が初めてでした。(これは入社してから知りました)
リモートでのコミュニケーションの取り方、仕事の進め方、誰も教えてくれる人がいなかったし、おそらく知っている人もいなかったんだと思います。
このようなことを考えるようになった当初は「慣れの問題だ」と自分に言い聞かせていました。
でも、3ヶ月経っても、状況は変わりませんでした。
4. 辞める決断:逃げか、撤退か
このまま仕事を続けた先に何があるのか
徐々に仕事への意欲がなくなっていき、家庭でも元気がなくなり、周りに心配をかけていました。
このまま続けた先に何があるのか。想像しても、何も良いイメージが浮かびませんでした。
最終的に、
「このままメンタルをやられて鬱になったら、もっと家族に迷惑をかける。健康あってこその家族だし、仕事だ」
逃げではなく、撤退。
自分を守るための決断だと、そう折り合いをつけました。
5. 出戻りという選択肢
先輩への相談
辞めることを決め、まずはお世話になった先輩へ連絡を取り、正直に状況を話しました。
「戻りたいと思っている」
先輩は話を聞いてくれて、会社に出戻りの話を伝えてくれました。
トントン拍子で進んだ復帰
そこからは驚くほどスムーズでした。
面談、コーディング試験、面接。
トントン拍子で進み、無事に戻ることが決まりました。
「戻ってこい」と言ってもらえた時、安堵感と同時に、複雑な気持ちもありました。
私個人としては
「一度辞めた人間が戻っていいのか」
「周囲からどう見られるのか」
不安はありましたが、それでも戻る道を選びました。
6. 出戻り後:周囲の反応と自分の変化
歓迎してくれた元同僚たち
出戻り初日は出社が怖かったです。
「あれ?なんでいるの?」という目で見られるんじゃないか。
気まずい空気になるんじゃないか。
しかし、歓迎ムードで迎えてくれました。本当にありがたかった。
気まずさを乗り越えた方法
最初は、やはり視線が気になりました。
勝手に「あの人、一回辞めたのに戻ってきたんだ」と思われている気がしていました。
でも、自分の仕事を全うしていくうちに、気にならなくなりました。
結局、周囲の評価は自分の仕事で決まる。
出戻りかどうかは関係ない。そう思えるようになりました。
7. 失敗から気づいた「自分の軸」
この経験を通じて、自分が仕事で何を大事にしているかがわかりました。
転職前に確認すべき3つのこと
1. 働き方(リモート or 出社)
私は「フルリモート」より「人と一緒に働く」方が合っていました。
これは実際に経験しないとわからなかった。リモートワークに憧れはあったけど、自分には合わなかった。働き方の相性は、想像以上に大事です。
2. 「〇〇エンジニア」の具体的な業務内容
同じ「インフラエンジニア」でも、会社によって業務内容はまったく違います。
面接では、「具体的にどんな業務をするのか」「1日の流れはどうなるのか」「どんなツールを使うのか」を深掘りすべきでした。
漠然としたイメージで、大企業へのあこがれや、インフラエンジニアという名前の響きで判断したのが失敗でした。
3. 自分が仕事で大事にしていること
私の場合、大事だったのはこれでした。
- 自分の手を動かせること
- チームで一緒に開発すること
- 技術で勝負できる環境
これが「自分の軸」です。
転職前にこれを言語化できていれば、ミスマッチは防げたかもしれません。
おわりに:キャリアの駆け出しだった私へ
失敗しても終わりじゃありません。
「逃げ」と「撤退」は違います。
合わない環境で消耗し続けることは、自分にとっても、家族にとっても、会社にとっても良くない。自分を守るための撤退は、恥ずかしいことではありません。
自分の軸は、失敗しないとわからないこともあります。
私は半年で辞めたことを後悔していません。あの経験があったから、「自分は何を大事にしているのか」がわかりました。
今、転職を考えている人へ。
- 「なんとなく」で転職しない
- 働き方・業務内容を具体的に確認する
- 自分が何を大事にしているか言語化する
これができていれば、私のような失敗は防げるかもしれません。
でも、もし失敗しても大丈夫。やり直せます。
出戻りだって、選択肢の一つです。






