NaysDw2が更新されました
2024年2月1日にNaysDw2のver 1.1.24020101がリリースされました(しました)。
変更点概要
機能改良・新機能追加
- ソルバー選択時に読み込み対象の計算結果を指定しスムーズに格子をコピーできるようになりました
- 読み込み対象の計算結果から任意のスカラーを指定して読み込めるアドバンスモードを追加しました
- 計算条件ダイアログに流木投入範囲の図を追加しました
バグ修正
- テキストデータから流木の初期位置を読み込む機能が使えなかったバグを修正しました
- 可視化ウィンドウを開いた際に、オブジェクトブラウザーにポリゴンの項目が追加されないことがあるバグを修正しました
旧バージョンで作成したプロジェクトも変わらずにご利用いただけます。
以下に各詳細を整理します。
読み込み対象の指定方法の変更と格子のコピーについて
今回、利便性の向上とアドバンスモード実装のため、読み込み対象の指定方法をEvaTRiP_Proと同様の方式に変更しました。
これまでは新規プロジェクト作成後に手動で格子をコピーし、計算条件で読み込み対象のCGNSファイルのパスを指定していました。
新方式では、新規プロジェクト作成時にiRICが表示するダイアログによって読み込み対象を指定し、そのまま格子のコピーまでを行えるので操作がわかりやすくなっています。
また、この方式ではiRIC GUIが読み込み対象を読み取り、以下の情報を表示してくれるので、いちいち読み取り対象を開いて確認する必要がなくなります。
- ソルバー名
- ソルバーバージョン
- 格子種類
- 格子サイズ
- 計算結果の数
新方式の操作方法
NaysDw2の新規プロジェクトを立ち上げると入力用CGNSファイルの選択ダイアログがでてきます。
...
ボタンから読み込みたいプロジェクトのCase1.cgnを選択します。
(画像はデバッグ用の計算結果を指定した際のものです。
OK
を押すと「CGNSファイルから格子をインポートしますか?」と聞かれるのではい
を選択して格子を読み込みます。
基本的にエラーメッセージが出てきますが、仕様なので気にせずはい
を押します。
あとから読み込み対象を変更したい場合は計算条件ダイアログの基本設定
グループの流況計算結果を読み込むCGNSファイル名
の項目から変更可能です。
ただし、格子は更新されないので手動でインポートしてください。
アドバンスモードについて
アドバンスモードは読み込み対象から、NaysDw2での計算に必要な流速と水深以外に任意のスカラーを指定してコピーし、NaysDw2の計算結果に出力することができるモードです。
読み込めるスカラーの数は以下です。
スカラーの種類 | 読み込める数 |
---|---|
「時刻」を次元に持つスカラー(流量など) | 2 |
格子点の持つスカラー(実数) | 5 |
セルの持つスカラー(実数) | 5 |
セルの持つスカラー(整数) | 5 |
従来までは固定で流量、標高、河床変動量しか読み込めませんでしたが、これにより様々な参照情報を一緒に可視化できます。
使い方
- 計算条件ダイアログの
+アドバンスモード
グループのアドバンスモードの有効化
にチェックを入れる -
追跡計算用パラメータの指定
で流速と水深のスカラー名をプルダウンリストから選択 - この他に任意で読み込みたいスカラーについては、各種スカラーで
有効
にチェックをいれプルダウンリストからスカラー名を選択してください
流速はCGNSファイルではX軸方向とY軸方向に分かれて保存されています。正しい組み合わせでスカラー名末尾にX,Yがついているものを選択してください。
アドバンスモードを有効にすると基本設定
グループの流木の追跡に用いる流速
が無効になり、アドバンスモードで指定した流速が流木の追跡に用いられます。
バグ修正について
テキストデータから流木の初期位置を読み込む機能
流木の供給条件
グループの設定で、初期状態で流木を配置する設定にしていても、初期流木配置位置情報ファイル名
で指定したファイルから位置情報を読み込んでいなかったバグを修正しました。
オブジェクトブラウザのポリゴンの項目
ツールバーで選択されているタイムステップにおいて、格子内に流木が存在しなかった場合、可視化ウィンドウを開いた際に、オブジェクトブラウザーにポリゴンの項目が追加されず、その可視化ウィンドウでは流木の存在するタイムステップに変更しても流木ポリゴンが表示されなかったバグを修正しました。