要約
ダイナミックディスク化によりミラーリングしていたHDDが「無効なディスクです」になったが、Acronis True Image 2019でデータ回収出来た。
環境
- Windows 10 Home(21H1)
- Acronis True Image 2019
- パーティションを切ってからダイナミックディスクに変換したか、ダイナミックディスクにしてからパーティションを切ったかでディスクの構成と復元の難易度が異なるらしいが、前者。
- GPTかMBRかよく覚えていないのだが、MBRだった気がする。
現象
2TBのHDDを2台ダイナミックディスクでミラーリングしており、先頭のUEFI領域?以外に200GBをOS、データとバックアップにそれぞれ900GBのパーティションを切っていた。
事情によりシステムを解体したので、HDDは取り外してそのままにしていたが、保管スペースが足りないので2台のうち1台は廃棄してしまった。
しばらくして、このHDDに保存していたデータが必要になったので、別のマシンにこのHDDを接続したら、「無効なディスクです」と表示された。UEFI用のパーティションも含めてミラーリングしていたので2台ともまったく同じドライブだと思っていたが、ドライブ構成の情報が一方にしかないらしい。もしかしたら他に原因があるのかもしれないが、ダイナミックディスクに関する情報は少なく、これ以上はよく分からなかった。
検討内容
Windows 10 Pro
元のシステムはWinodows 10 Proだったのだが、Windows 10 Homeのシステムに接続しようとしていた。~~Windows 10 Homeはダイナミックディスクに対応していないとのことで、~~別のWindows 10 Proにつなぎ直したが、やはり「無効なディスク」のままであった。
バイナリエディタ
バイナリエディタでディスクの情報を書き換えるとベーシックディスクに戻せるという記述も見られたが、複雑そうな上にMBRとGPTで手順が異なっていた。先述のようにMBRかGPTかも思い出せない状況なので試してみる気が起きず、ディスクユーティリティソフトを探す方針にした。
EaseUS
「ダイナミックディスク 復旧」で検索すると真っ先に名前があがるのがこのソフト。どうも無料でダイナミックディスクの復元ができるっぽい。.comドメインだが調べてみると開発企業が中国籍らしい。
フリーウェアにアドウェアが付いてきた経験があるので、有償製品を軸に探し直すことにした。
ファイナルデータ
実績と歴史のある日本企業の有償製品。もちろん有償製品だから安心という保証はないが、より少ないリスクが見込まれる手段があるなら優先してみるという程度の判断。
ダイナミックディスクの復元ができるのか確認するため、試用版をダウンロードしてドライブをスキャンするとパーティションの復元候補が表示されたのだが、パーティションの数が本来の数より多い。HDDはアラインメント調整のためパーティションの間に数MBの隙間があるものだが、どうもその隙間を(先頭に)含めたものと含めないもの両方が復元候補に挙がるらしい。
~~復元内容を別のドライブに書き出せるなら試しても良かったのだが、パーティション開始位置を間違えて復元すると致命的なことになりそうだったので、ドライブをクローニングしてから試みる予定にした。~~OKのボタンを押さなかったので気づかなかったが、別のドライブにしか復元できない仕様だった(2021/9/23訂正)。
Acronis True Image 2019
2019となっていることから分かるように、もともと別の用途で持っていた。本当はファイナルデータで試すためにディスクのセクタ単位のクローニングをしようと思っていたのだが、「無効なディスク」はクローニングの対象に出来なかった。
ところがバックアップの対象にはできるらしく、バックアップのメニューには分割したパーティションがしっかり表示されていた。ただし、ファイナルデータでの解析結果だと先頭にUEFI用の領域があるっぽいのだが、それは表示されなかった。必要な情報のあるパーティションを選択してバックアップし、バックアップから復元すると目的のファイルを取り出すことが出来た。
考察
ダイナミックディスクは現在では非推奨ということになっているらしい。OSに追加インストール無しでRAIDできるのでお手軽に始めてみたが、始めるのは簡単でも元に戻すのは至難の業という罠。
改訂履歴(表現の修正などは除く)
- 2021/8/14: 執筆開始。
- 2021/8/18: 公開。
- 2021/8/19: 要約などを追加。
- 2021/9/23: ファイナルデータの仕様を訂正。