AWS Storage Gateway
オンプレミスからAWSのストレージサービスへのアクセスを高速かつセキュアに行うことができるサービス。堅牢性・耐久性に優れたS3をファイル共有ストレージとして利用したり、災害対策を目的としたバックアップやアーカイブを行ったり、あまりアクセスされないデータを自社サーバーからAWSへ移動させるなど、様々なケースで利用することができる。
頻繁に利用するデータは高速なストレージに保存し、反対に利用頻度の低いデータを安価・低速なストレージに配置することをストレージの階層化という。利用頻度に応じて性能の異なるストレージを使い分けることで、コストとパフォーマンスを両立させることができる。
Storage GatewayそのものはS3やEBSなどのようなストレージではない。Gateway(規格の異なるネットワーク間を中継して接続する機器)の名が示す通り、オンプレミスとAWSのストレージサービスとを橋渡しする役目を持つサービス。ユーザーはStorage Gatewayを利用することによって、Amazon S3やGlacierなどのストレージサービスをデータの保存先として選択することができます。
●ボリュームゲートウェイ
S3をiSCSI接続のブロックストレージボリュームとして提供。iSCSI(Internet Small Computer System Interface)とはコンピュータのストレージを接続するSCSIプロトコルをTCP/IPで実現したもののことで、サーバーはiSCSIで接続されたストレージ(Storage Gatewayの場合はS3)をローカルディスクとして使用。
・キャッシュ型(キャッシュボリューム)
キャッシュストレージをオンプレミス(ローカル)に設置することで、高速アクセスが可能な堅牢性の高いストレージを利用することができます。オンプレミスのキャッシュストレージには頻繁にアクセスするデータのみを保持し、アクセス頻度の低いデータはS3へ保存することで、階層化されたストレージを実現。
キャッシュとして使用するストレージの容量を最小限に抑えることができますが、データがキャッシュ上に存在しない場合はS3へアクセスしに行くため、遅延が許容できないシステムには適していません。
・保管型(ストアドボリューム)
オンプレミスのボリュームストレージに全てのデータを保持。キャッシュ型とは異なり、全てのデータに対して高速アクセスが可能。
ボリュームストレージ上のデータは任意のタイミングでS3にスナップショットとして保存されますので、災害対策や定期的なバックアップとして利用。
●テープゲートウェイ
物理テープストレージの代替として利用できるサービス。VTL(Virtual Tape Library:仮想テープライブラリ)に対応したソフトウェアを介して、S3やGlacierにバックアップデータを保存することができます。
テープ(テープストレージ)とは磁気テープを用いたストレージです。HDDやSSDのようなディスクストレージとは異なり、大容量で安価、かつ長期的なデータ保存に向いているため、アーカイブやバックアップ用途として利用される。
テープゲートウェイを利用することにより、オンプレミスで新規に物理テープを用意したりテープの切り替えを行うなど、テープの操作や管理をする必要がなくなります。また、アーカイブ先としてGlacierとも連携しているため、よりコストを削減できます。