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電装用ハーネスの作り方

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Last updated at Posted at 2026-05-04

概要

Arduinoなどを触って一通り電子工作を知った後、いろいろなモジュールをつないでロボットなどを作成するときにハーネス作成の知識が重要になってきます。

ここでは電子回路の基礎的な知識があることを前提に、ハーネス作成の仕方を説明します・

基礎知識

ワイヤー・ケーブル・ハーネス

混同しやすい言葉で厳密に決まっているわけではありませんが、電気系では一般に以下のように区別されます。

  • ワイヤー:電線の1本そのもの
  • ケーブル:ワイヤーが複数集まっているもの
  • ハーネス:ワイヤー・ケーブルにコネクタなどをつないで他のものと組み立てれる状態のもの

線材

ハーネスの基本となるのが線材です。上記の分類ではワイヤーやケーブルに該当する部分です

単線・撚り線

ワイヤーの中の金属部分の種類です。ハーネスでは撚り線を使います。

  • 単線:一本の金属棒でできている。曲げるとその形状を維持しやすい、また固いのでそのまま専用のソケットにさすことができる。電子工作ではブレッドボードの配線に使う。
  • 撚り線:細い金属線を束ねて拠っている。しなやかで曲げやすい。ハーネス製作では基本的にこれしか使わない。

芯数

ケーブルでは、複数の撚線をまとめてくくった製品もあります。その時にいくつの線が入っているのかを「芯数」といいます。4芯とあったら4本の線をまとめたケーブルになります。
特に1芯のケーブルを「ばら線」と呼ぶこともあります。

太さ

基本的に導体部の大きさで呼びます。JIS規格ではmm^2単位の「sq」で呼ぶことが決まっていますが、実務的にはUL規格の「AWG」で呼ぶことがほとんどです。
導体の太さによって流せる電流や後述するコンタクトピンに接続可能かが決まります。

AWG SQ(mm^2) 仕上がり外径(mm)※1 許容電流(A)※2
16 1.25 3.1 19
18 0.75 2.8 12
20 0.5 2.4 9
22 0.3 1.8 3
26 0.13 1.2 1.5
28 0.08 1.0 1

※1 仕上がり外径は絶縁体部も含めた直径 製品によって異なるため目安
※2 許容電流はその電流を流した時の温度上昇によって導体回りの絶縁体が溶けるかどうかを基準に決まるため、絶縁部の作りや環境(線がまとまっているか、ばらけているか)によって変わります。目安として提示しています。

高電圧なら耐電圧も気にすべきですが、ロボットで使うような数十V程度でしたら、上記の太さのものなら耐電圧を気にせずに使えます。

購入先

秋月、千石などで扱っています。

コネクタ

いやゆるケーブルの端につくコネクタです。いろいろな種類があるので一概には呼べないのですが、最も一般的な「電線対基板」コネクタについて記載します。

構成要素

ハウジング コンタクト ヘッダー

  • コンタクトピン:ワイヤーの端にかしめられて電気的に接続する部分
  • ハウジング:複数のコンタクトピンがはまりコネクタになる部分
  • ヘッダー:基板側につく部分

https://iwiss.co.jp/product/iws-2820-230kit/ より

ヘッダーは縦型(TOP)、横型(SIDE)があります。
多くのコネクタではスルーホール用と表面実装用がありますが、自作基板を作る時はルーティング的には表面実装のほうが良いのですが、コネクタは意外と負荷がかかり、ランドごとはがれることがあるためスルーホールのほうがおすすめです。

加工方法

ケーブルの被膜を剥き、そこにコンタクトピンをかしめて、それをハウジングに挿します。
工具としてワイヤーストリッパーと圧着ペンチが必要です。
圧着ペンチはコネクタのシリーズごとに専用品がありますが、別のシリーズには使えず高価(数万円程度)します。仕上げの精度は劣りますが、安価な汎用圧着ペンチがあります。

図を入れる それぞれの圧着ペンチ

代表的なコネクタ

国内だとJSTが、海外ではmolexが優勢です。

シリーズ メーカー ピッチ(mm) 対応電線 定価電流
VH JST 3.96 AWG16-22 10A
XH JST 2.5 AWG22-30 3A
PA JST 2.0 AWG22-28 3A ロック付き
PH JST 2.0 AWG24-32 2A
ZH JST 1.5 AWG26-32 1A
GH JST 1.25 AWG26-30 1A pixhawk6で使われている ロック付き
Mini-SPOX molex 2.5 AWG22-28 3A feetech STS3215のコネクタ
picoblade molex 1.25 AWG26-28 1A pixhawk1でよく使われる
QI/2550 ?? 2.5 AWG22-28 3A 野良品が多い、ジャンプワイヤーで使用

コネクタのピン番号の注意点

コネクタの1番ピンがどこになるのかは各コネクタのDataSheetに記載されています。ものによってハウジングのスリットから見て右なのか、左なのかはシリーズによって変わるので要確認です。
マイコンボードなどの場合、コネクタメーカーの1番ピンの定義とあっているのかも要確認です。

↓ molex piciblade

image.png

↓ JST PH

image.png

圧着工具

コネクタのシリーズごとに専用工具がありますが、各々数万円します。エンジニアのPA-09なら汎用的に使うことができます。

image.png

端子系

上記のコネクタとは違いターミナルに接続するための端子です。

裸圧着端子(丸型、Y型)

ねじターミナルに取り付ける端子です。先端が円になっていてねじを完全に抜かないと取り付けできない(逆にねじゆるみでは抜けない)丸形と、ねじを抜かなくても取り付けできるY型があります。

ねじ端子台と使います。
輪のところに被膜を剥いたケーブルを入れて圧着ペンチ(裸圧着端子専用)でつぶして固定します(ここをはんだ付けして使う人もいますが、圧着するのが推奨の使い方です)。

フェルール端子

ターミナルブロックというねじを回すことによってケーブルを固定できる端子があります。これはただ絶縁部を剥いただけの裸線でも使えますが、撚り線がばらけてしまったりするためにフェルール端子を使います。
裸圧着端子とは違い、円筒状になっていてこの筒の中に撚線を入れて圧着ペンチ(フェルール端子専用)でつぶして使います。
純正工具はなかなかの値段がしますが、Amazonで安価な代替品があります。

はんだ付けするコネクタ

ロボット関連でよく使われるコネクタとして以下の3つがあります。それぞれはんだ付けして使うコネクタです。

  • XTコネクタ
  • T型コネクタ
  • DCコネクタ

熱収縮チューブ

今回線材としてばら線を使ってハーネスを作成します。このままだと多芯の場合、ケーブルがまとまらず取り扱いにくいです。このために熱収縮チューブでまとめます。

色はバリエーションがありますが、黒が主流で「スミチューブ」とも呼びます。
熱を加えるとおおむね半分のサイズに縮みます。
本来は「ヒートガン」という高温強力なドライヤーのようなもので熱を加えますが、趣味の工作ならライターで炙るのがおすすめです。

必要な工具

ハーネスの作り方

目的

今回はRoboClawエンコーダー付きDCモーターx2をつなぐハーネスを作成します。

ハーネス設計

どのようなハーネスを作成するか設計をします。
ハーネス設計専用のアプリケーションがありますが、あまり設計図の書き方の標準というのは定まっていません。
ひとまず以下のようにかいておきます。

image.png

端1 ケーブル 端2
JP2:フェルール端子 AWG22 10cm 赤 JP4:P1 M1モーター正極
JP2:フェルール端子 AWG22 10cm 黒 JP4:P2 M1モーター負極
JP1:P9 AWG26 15cm 緑 JP4:P3 M1エンコーダーGND
JP1:P2 AWG26 15cm 青 JP4:P4 M1エンコーダーVCC
JP1:P4 AWG26 15cm 黄 JP4:P5 M1エンコーダーA極
JP1:P7 AWG26 15cm 白 JP4:P6 M1エンコーダーB極
端1 ケーブル 端2
JP3:フェルール端子 AWG22 20cm 赤 JP5:P1 M2モーター正極
JP3:フェルール端子 AWG22 20cm 黒 JP5:P2 M2モーター負極
JP1:P8 AWG26 25cm 緑 JP5:P3 M2エンコーダーGND
JP1:P3 AWG26 25cm 青 JP5:P4 M2エンコーダーVCC
JP1:P5 AWG26 25cm 黄 JP5:P5 M2エンコーダーA極
JP1:P6 AWG26 25cm 白 JP5:P6 M2エンコーダーB極

電線剥き

ワイヤーストリッパーを使ってケーブルの先端の絶縁部を剥きます

ピンの装着

圧着ペンチを使ってケーブルの先端にコンタクトピンを装着します。

ハウジング装着

コンタクトピンをハウジングに挿します。間違えないように設計図をみながら。
一度はめたコンタクトピンを外すことも可能で、専用の「ピン抜き」がありますが、趣味の工作ならピンセットを駆使して外すのが良いです。

フェルール端子の装着

ケーブルを剥いてその先にフェルール端子を剥きます。それを専用の圧着ペンチでかしめるとケーブルと端子が固定されます。

熱収縮チューブでまとめる

ケーブル同士がばらばらにならないように熱収縮チューブで固定します。ケーブル全体を止めると固いハーネスになってしまうので、一部だけ止めます。
熱収縮チューブを通してケーブルを整えてライターで炙ります。
取り付けるケーブルによっては先に熱収縮チューブを通さないといけない場合があるので注意です。

装着

できたハーネスを各種モジュールにつなげます。
DSC08076.JPG

参考

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