Hi-Cデータから動的ゲノム状態を理解するための「PHi-C」を実行するための計算環境構築を説明します。
すでにPython環境を利用している人はPHi-C仮想環境を構築から始めてください。
AnacondaによるPython環境の導入は規約上有償の場合もあるので、ここではMinicondaでの構築を説明します。

MinicondaでPython環境を導入

Minicondaのダウンロード

以下のMiniconda公式サイトから、使用OSに対応したインストーラーをクリックして、ローカルPCの適当なフォルダに保存する。
https://docs.conda.io/en/latest/miniconda.html

Minicondaのインストール

ダウンロードしたフォルダ上で端末を開いてインストーラーを実行する。

(Linuxの場合) bash Miniconda3-latest-Linux-x86_64.sh

In order to continue the installation process, please review the license
agreement.
Please, press ENTER to continue

と表示されるのENTERキーを押しましょう。さらに規約を読み進めるためENTERキーを押し続けましょう。

Do you accept the license terms? [yes|no]

と問われるので

yes

と入力する。

Miniconda3 will now be installed into this location:
/home/USER/miniconda3

  - Press ENTER to confirm the location
  - Press CTRL-C to abort the installation
  - Or specify a different location below

とインストール先を問われるので、特に気にしなければENTERキーを押す。

Do you wish the installer to initialize Miniconda3
by running conda init? [yes|no]

と問われるので

yes

と入力することで、~/.bashrcにPATHが設定される。
改めて端末を開いて

python

と入力して

Python 3.9.7 (default, Sep 16 2021, 13:09:58) 
[GCC 7.5.0] :: Anaconda, Inc. on linux

が表示されていればインストール成功です。
一旦、端末を閉じましょう。

Anacondaの有償ライセンス規約に触れないよう、無償のconda-forgeチャンネルを利用するように設定する。

conda config --add channels conda-forge
conda config --remove channels defaults
conda config --set channel_priority strict
conda config --show channels

PHi-C仮想環境を構築

PHi-Cのアルゴリズムは主にnumpyによる行列演算で動作しています。その高速化のため、Intel® Distribution for Python*に基づいた仮想環境を構築しましょう。
MacのM1チップの場合はIntel Math Kernel Libraryが非対応とのことなので、通常の仮想環境を作成してください。
まずは端末を開き、condaの更新のため

conda update conda

を実行します。

Proceed ([y]/n)?

と問われたら

を入力して更新しましょう。
phic仮想環境を構築します：

conda create -n phic python=3.12

と入力して

Proceed ([y]/n)?

と問われたら

を入力する。

conda info -e

でphicという仮想環境ができているか確認できます。
次に

conda activate phic

を入力してphic仮想環境に入る。
その後

pip install phic

と入力し、Hi-Cデータ解析のためのPHi-C2をインストールする。
以上で計算環境構築は終了です。

※Straw for Pythonをpip install hic-strawで追加インストールする際にgcc関連のエラーが出る場合があります。エラーの原因はcurl.hなので、Ubuntuの場合はsudo apt install libcurl4-openssl-devでライブラリを事前にインストールしておくとうまくいくはずです。

PHi-C仮想環境のメンテナンス

conda activate phic

で仮想環境に入る。

pip install -U phic

でアップデートする。