料金請求が発生する可能性があります、実行は自己責任でお願いします。
要約
- Google Cloud Platform(GCP)上でAutoware開発環境を構築
- インスタンス構成にも依るが、1時間あたり$0.5ほどで利用可能
- 1290時間使用するとオンプレPCと同額($1=¥155換算で約10万)くらい
- Autowareを短期的に使用する方には、各種クラウドも選択肢としてありかも
目次
- 背景・目的
-
開発環境構築手順
2.1. GCP登録・ログイン
2.2. VM作成
2.3. Autoware開発環境構築 - 料金
- まとめ
- 最後に
1. 背景・目的
自動運転ソフトウェアAutowareの開発には計算資源が要求される場合がある。
初学者や計算資源を十分お持ちでない方も、気軽に自動運転開発に触れてほしいと思ったので、クラウド上での開発環境構築にトライした。
なお本記事における 開発環境 とは、AutowareおよびAWSIMでの自動運転シミュレーションが実行可能な環境を指す。
2. 開発環境構築手順
実際に環境構築した際の手順を以下に示す。
2.1. GCP登録・ログイン
まずはじめに、Google Cloud Platform(GCP)に登録・ログインする。
なお本記事執筆時は、新規登録すると無料クレジット$300分もらえる。
なお、GPUを使うには本登録(クレジットカード登録)が必要になる。
本登録後も無料クレジット$300分は利用可能だが、超過分は普通に請求されるので注意。
使わないときは、インスタンスの停止・削除を徹底しましょう。
2.2. VM作成
①プロジェクトページで”VMを作成”
②各種構成設定をして”作成”
Minimum Hardware Requirementsを参考に、今回は以下で作成した。
項目 | 設定値 |
---|---|
マシンの構成 | GPUのタイプ:NVIDIA T4 GPUの数: 1 マシンタイプ:n1-standard-8 (8 vCPU + 30 GB メモリ) |
ブートディスク | イメージ:Ubuntu 22.04 LTS(x86/64) タイプ:新しいバランス永続ディスク サイズ:50 GB |
以下のようにVMインスタンスが作成できたらOK。
台湾リージョンが料金低めでT4を確保しやすい。
※ デフォルトだとGPUの割り当てが0になっている可能性があるので、必要に応じて”割り当てを編集”する。
使わないときは、インスタンスの停止・削除を徹底しましょう。
2.3. Autoware開発環境構築
①Chrome Remote Desktop(CRD)設定
CRDでの接続が便利なので、こちらを参考に設定する。
SSH接続して、コマンドをコピペ実行でOK。
※ もしCRD側のトラブルでうまく設定ができなくなった場合は、こちらを参考にバージョンを下げましょう(本記事執筆中に遭遇しました)。
②Autoware開発環境セットアップ
今回は、最も計算資源が要求されるGPU版開発環境を構築する。
GPU版AWSIM実行ファイルが用意しやすい、AIチャレンジ2023(Integration)用の開発環境を構築し、シミュレーションを実行する。
AIチャレンジ2023のSetupページに従えば、ほぼ環境構築は完了する。こちらも参考に。
ただし以下2点注意が必要。
-
GCPのUbuntu22.04イメージには未インストールパッケージがあるので、最初に以下を実行する。
sudo apt install -y ubuntu-drivers-common python3-pip unzip
-
Rviz2上にマップが表示されない問題が発生したので、
Dockerfile
を以下に変更する。FROM ghcr.io/automotiveaichallenge/aichallenge2023-sim/autoware-universe-cuda:v1 RUN rm -rf /autoware/install/tier4_*_launch RUN apt update RUN sudo apt install -y libgl1-mesa-dri ENV ROS_LOCALHOST_ONLY 0 ENV RMW_IMPLEMENTATION rmw_cyclonedds_cpp ENV export RCUTILS_COLORIZED_OUTPUT 1
シミュレーションを実行!
参考情報として、以下に各資源の使用状況を残す。
※ 不要になったら、Compute Engine - VMインスタンス
から停止・削除できる。
使わないときは、インスタンスの停止・削除を徹底しましょう。
3. 料金
今回の構成だと最安で$0.5/時間程度になる。
1290時間(約50日間)使用するとオンプレPCと同額($1=¥155換算で約10万)くらい。
使わないときは、インスタンスの停止・削除を徹底しましょう。
4. まとめ
- Google Cloud Platform(GCP)上でAutoware開発環境を構築
- インスタンス構成にも依るが、1時間あたり$0.5ほどで利用可能
- 1290時間使用するとオンプレPCと同額($1=¥155換算で約10万)くらい
- Autowareを短期的に使用する方には、各種クラウドも選択肢としてありかも
使わないときは、インスタンスの停止・削除を徹底しましょう。
5. 最後に
TIER IV様はAWSを導入されていること、存じ上げております。
今回GCPを選定したのは、単純に無料クレジットが余ってたからです。
ご…ごめんなさい…たたかないで…たたかないで…
※ AWSでも同様に環境構築できると思います、
AIチャレンジ2023(インテグレーション)でトライされてる方がいらっしゃいました。
本記事もその際のトラブルシューティングを参考にさせていただいています。