はじめに:AWS JumpStart とは?
AWS JumpStart は、AWS のクラウドアーキテクチャを学ぶための 実践型トレーニングプログラム です。
特に、 可用性・拡張性・コスト最適化を意識したクラウド設計 を学ぶことができます。
特徴
- 実際に AWS を操作するハンズオン形式 で学べる
- 負荷試験や障害発生時の挙動を確認 できる
- 実践的なクラウド設計をチームで議論しながら学ぶ
下記のような課題を感じている人にとって、とても有意義なプログラムです。
- AWSをある程度触ったことがあるけれど、 「最適な設計ができるレベルではない」 という初心者から中級者
- AWS力つけたいけど触ったことない、そもそもクラウドの設計って何? という初学者
私自身、AWS を日常的に使うようになったものの、設計の応用力が足りないと感じていました。
そこで、同僚からこの AWS JumpStart を紹介され、参加してみることにしました。
結論
結論:AWS JumpStart に参加して良かった!
AWS JumpStart 2025 に参加したことで、クラウド設計の考え方が深まり、実践的な知識が身につきました!
特に、可用性・拡張性・障害対応の設計を実際に試せたのが大きな学びと感じました。
何が良かったのか?
✅ 可用性を保つための設計が理解できた
→ 冗長化、Auto Scaling、マルチAZの活用方法
✅ 拡張性を考えた設計の思考プロセスを学べた
→ サーバーレス vs EC2、過剰設計を避ける考え方
✅ AWSリソースに負荷をかけて障害時の挙動を確認できた
→ フェイルオーバーの挙動や、NATゲートウェイがないと通信できないケースなど
✅ ECSを使ったアプリのデプロイ方法を学べた
→ 実際にコンテナをデプロイし、運用の流れを体験
✅ 設計を他人に説明することで理解が深まった
→ 自分の設計を言語化し、他の人のフィードバックを受けることで学びが増えた
✅ 他人の設計を見て新しい発想を得られた
→ 例えば、サーバーレス構成とEC2ベースの設計の比較
私のAWS経験と背景
AWSについては比較的苦手意識がありました。
(ドキュメントが難しい)
知識・経験は0ではありませんが、初心者の状態で参加しました。
2022年(エンジニア未経験時代)
- AWS資格(クラウドプラクティショナー)を取得
- でも、実際にシステムを作れるレベルにはなれなかった
2023年(初めてAWSを使ってアプリをデプロイ)
- 参考書を見ながら AWS CDK でデプロイ
- でも、コードを書き写すだけで本質的な理解はできず
2024年(個人開発で AWS を本格的に学ぶ)
- MENTA で AWS に詳しい先輩に相談しながら学習
- 実際に AWS に個人アプリをデプロイ
(オーバースペックでユーザー数人なのに運用コスト数万円の費用かかったのはいい思い出)
2025年(業務で AWS を活用するようになる)
- AWS を日常的に触るようになり、新規プロダクトの設計にも関わる
- (使用技術: ECS, Lambda, DynamoDB, BedRock など)
- しかし、「最適な設計」ができるレベルにはまだ達していないと感じる
基礎がわかっているようでわかってないような感じが自分の中でありました。
なので細かい話になると前提知識が追いついておらずついていけないこともあります。
そのときどのようにクラウド環境を設計すれば良いのか、改めて基礎に立ち返って学びたいと気持ちが高くなっていました。
そんなときに同僚から紹介されたので、AWSJumpStartを受けてみました☺️
受けてみた
スケジュール
1日目:基礎 + ハンズオン
AWS のネットワーク設計を改めて学び直し、実際に手を動かしました。
-
ネットワーク設計の基本
- VPC内のサブネット、NACL、セキュリティグループ、NAT、IGWの立ち位置
- → 特にNATゲートウェイのプライベートサブネットのEC2はインターネットに接続できない
-
EC2の初期設定
- Nginx / Apache をセットアップ
- HTTP / HTTPS の許可設定
-
SSHなしで安全にEC2に接続する方法
- AWS Systems ManagerのSession Managerを活用
-
単一障害点(SPOF)をなくすための冗長化設計
- Auto ScalingやマルチAZの活用
-
ECSを活用したコンテナデプロイ
- Fargateを使って TODO アプリをデプロイ
- ALB を組み合わせた可用性の確保
- スケールの仕組みを理解
-
実際に負荷をかけてみる実験
- Auroraにフェイルオーバーが発生した時の挙動
- DDoS(模擬的に大量アクセス)を試し、リソースの動きを確認
2日目:グループワーク
2日目は、1日目に学んだサービスの復習 を行った後、メインの課題として ECサイトのクラウド設計 に取り組みました。
スケーラビリティを考慮し、ユーザー数が増えたときにどう設計すべきか を学びました。
設計の自由度が高く、コンテナ (ECS) を使うか、完全サーバーレス (Lambda) にするかも自由 というのが面白かったです。
設計時に考えたこと
ECサイトの設計では、以下のようなポイントを検討しました。
-
リージョン、AZ の設計
- 単一リージョンか複数リージョン対応か?
- どのリージョンを選ぶか?
- マルチAZ構成にするか?
-
データベース設計
- RDS か DynamoDB か?
- 読み込み専用レプリカを作るか?
- 高可用性をどう確保するか?
-
ネットワーク設計
- どのサブネットにどのリソースを配置するか?
- プライベートサブネットとパブリックサブネットの使い分け
-
コスト最適化
- 常時稼働するリソースを削減できそうか?
- オンデマンドのリソースをどこで活用するか?
-
キャッシュ戦略
- CloudFront を使った静的ファイルのキャッシュ
- DB キャッシュは ElastiCache (Redis) を使うか?
-
アプリケーション設計
- 本体の処理と外部サービスの処理をどう切り分けるか?
- どの処理をワーカーで非同期化すればユーザー体験が向上するか?
-
社内用のデータ分析・管理システム
- データの可視化やレポート機能はどうするか?
- Athena + S3 を使うか?
-
サーバーレス時の課題
- Lambda を使う場合、DB の同時接続数をどう管理するか?
- コネクションプールの工夫 (RDS Proxy など)
設計の違いが面白い
同じ ECサイトの設計でも、人によって考え方が違い、それぞれの設計思想を聞くのが面白かったです。
例えば、一緒に参加した同僚は完全サーバーレスの構成を採用 していました。
- API Gateway + Lambda + DynamoDB
- 画像配信に S3 + CloudFront
- 認証は Cognito
一方で、私は ECS (Fargate) + RDS (Aurora) を中心とした構成 を考えました。
完全サーバーレスにも設計によってメリット・デメリットがあります。
用途に応じて適切な選択をする必要があるというのを改めて感じました。
最後には答え合わせ(システム設計に正解はない前提)でAWSの方が組んだシステム設計を見せていただき、知識が深い方の設計判断など、大変参考になりました☺️
まとめ
AWS JumpStart に参加して、クラウド設計の考え方がより深まった。
特に良かったのは以下のポイント:
- 実際にAWSリソースに負荷をかけたり、障害を発生させて動作を確認できたこと
- ユーザー数によって拡張性や可用性を考慮したシステム設計の考え方とそれに応じたAWSリソースを学び実践できたこと
- 他人の設計を見ることで、自分が考えつかなかったアプローチを学べたこと
感想
実際の現場に行くと、完全新規で試算も十分にあるようなシンプルな要件ではなく、もっと複雑な要素が混ざってきます。
(既存システムとの連携はどうするのか、予算はどうするのか、どのようなビジネス計画なのか)
ただ応用するにはまずは基礎が重要。
今回学んだクラウド設計の考え方は必ず活かせると考えています。
特にAWSに苦手意識がある人ほど JumpStart はかなり初歩からやってくれます。(HTTPとはというところから)
AWSの講師がついてオンラインかつ無料で参加できます、質問もできますしかなり恵まれた環境かと思いました。
未経験時、独学で必死に学んでいた自分におすすめしたい一番のイベントです!
(運営様本当にありがとうございます!)
「AWS聞いたことあるけど未経験。。」
「なんとなくAWSは触れるけど、設計となると自信がない…」という人には特に価値があると感じました。
またインフラ設計からシステムを考えるのは、自分の中でよりものづくりしている感覚がありました。
仕様を自分の知識で設計図に落とし込んでいくかていが純粋に楽しかったです。
今後は、業務でも 「可用性・拡張性・コスト最適化」を意識した設計 を取り入れ、より実践的なクラウドエンジニアリングのスキルを高めていきたいと思います☺️