わたしが情報処理安全確保支援士になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)
ー令和七年秋期、情報処理安全確保支援士試験の午後試験を解いてみたー
昨日、年に二度の問いかけの季節が訪れた。令和七年秋期の情報処理安全確保支援士試験。その問題は、日も暮れた頃にはIPAのサイトで静かに公開されていた。この迅速な公開は、誠実さの表れであろう。
私は、その夜のうちに午後の問題と向き合った。この試験は、単に知識の有無を測るためだけのものではない。それは、時代が我々技術を扱う者に何を求め、どのような視座を持つべきかを指し示してくれる鏡のような存在だ。年に二度、自らの立ち位置を静かに見つめ直すための、得難い機会と言える。
以下に、その問いと対峙して心に浮かんだ思索を、いくつか書き留めておきたい。
問1:Webセキュリティ - 変わることのない礎
まず問1は、Webアプリケーションの安全性についてであった。これはもはや古典とも言える領域だが、物事の根本は常にこうした古典の中にある。どれだけ技術が進化しようとも、根幹にある脆さを見過ごしては、いかなる堅牢な構築物も砂上の楼閣に過ぎない。
その真髄は、今も**『徳丸本』**に記されている。この一冊は、Webという世界の理を説く、優れた哲学書だ。この礎の上に立たずして、真の安全性を語ることはできないだろう。未だこの書を紐解いていないのであれば、まずそこから始めるのが理に適っている。
問2:暗号理論 - 信頼という概念の根源
対照的に問2は、暗号という、より深い思索を求める問いであった。確かに暗号通貨という大変に新奇性溢れる攻めたテーマではあったが、問われていたのはPKIまわりの基礎理論だった。
量子暗号など新技術も喫緊の課題として語られる昨今だが、我々がまず理解すべきは、目の前にある公開鍵暗号基盤という精緻な論理体系である。この深遠な領域を旅する上で、結城浩氏の著作は、物事の本質を捉えるための静かな灯火となる。複雑に見える事象も、良質な導きがあれば、その構造は自ずと明らかになる。
問3:昨今の企業セキュリティ - 日常という名の試練
次に問3は、昨今の企業環境のよくあるセキュリティ課題という、我々の日常そのものを問うていた。Windows 11への更新、多要素認証、VPN。理論は、常に現実という名の試練に晒される。
私自身も先日、同様の主題で深く思索する機会があり、その格闘の記録を書き記したばかりだ。机上の知識は、実践という経験を経て初めて血肉となる。この問題は、日々の業務に誠実に向き合ってきた者にとっては、深く共感できるものだったに違いない。
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問4:ICSセキュリティ - 時代の転換を告げる鐘の音
そして最後の問4。ICS、すなわち制御システムのセキュリティ。これを見たとき、来るべきものが静かに到来したのだと確信した。
この領域が重要性を増すことは、以前から予見されていた。今回の出題は、時代の転換を告げる、静かな鐘の音だ。
何を隠そう、私自身も長らくこの道を歩んできた者の一人である。ゆえに、その問いの背景にある思想まで、手に取るように感じられた。
ひとつの時代が、始まりつつある。
これからは、私の持つ知見が何らかの形で世の役に立つよう、少しずつ示していければと考えている。静かに、見守っていただければ幸いだ。
この新しい分野における現状唯一の日本語の情報源と言えるIPAのICSCoEのページを紹介しよう。
ここには実にたくさんの情報があるが、手始めに、以下の入門漫画をご覧になるのは如何だろうか?
以上