S3のストレージクラス8選
Amazon Simple Storage Service (S3) は、様々なストレージクラスを提供しており、それぞれが異なるニーズに対応しています。ここでは、S3の主要なストレージクラス8種類を詳しく紹介し、その特徴とユースケースを解説します。
S3 Standard
頻繁にアクセスされるデータ用
S3 Standardは、頻繁にアクセスされるデータ向けに設計されたストレージクラスです。
特徴
- 最低3つのアベイラビリティーゾーンにデータを保存し、高可用性を提供します。
- ウェブサイト、コンテンツディストリビューション、データ分析など幅広いユースケースに使用できます。
- アクセス頻度の低いデータやアーカイブのストレージよりもコストが高いです。
ユースケース
- ウェブサイトのコンテンツ。
- オンラインで頻繁にアクセスされるデータベース。
S3 Standard – 低頻度アクセス (S3 Standard – IA)
アクセス頻度の低いデータに最適
S3 Standard – IAは、アクセス頻度が低いが、必要時にはすぐにアクセスできる高可用性が求められるデータに適しています。
特徴
- S3 Standardに似ていますが、ストレージ料金が低く、取り出し料金が高いです。
- データは3か所以上のアベイラビリティーゾーンに保存され、S3 Standardと同等の可用性を提供します。
ユースケース
- 長期間のバックアップ。
- 定期的にアクセスするが、頻度が低いデータ。
S3 1 ゾーン - 低頻度アクセス (S3 1 ゾーン - IA)
1つのアベイラビリティーゾーンにデータを保存
S3 1 ゾーン - IAは、データを1つのアベイラビリティーゾーンに保存します。
特徴
- Amazon S3 Standard – IAよりも低いストレージ料金です。
- ストレージのコストを節約し、アベイラビリティーゾーンに障害が発生した場合にデータを簡単に復元できます。
ユースケース
- 低コストでのストレージが必要な場合。
- アベイラビリティーゾーンの障害に対してデータの復元計画がある場合。
S3 Intelligent-Tiering
アクセスパターンが変化するデータに最適
S3 Intelligent-Tieringは、オブジェクトのアクセスパターンに基づいて自動的に階層を移動します。
特徴
- オブジェクトに30日間アクセスがない場合、S3 Standard-IAに自動的に移動します。
- アクセスがあると、S3 Standardに自動的に移動させます。
ユースケース
- アクセスパターンが不定期で予測不能なデータ。
- コスト効率を重視しながらも、必要に応じて迅速にアクセスしたいデータ。
S3 Glacier
Instant Retrieval
即時アクセスが必要なアーカイブ済みデータに適している
S3 Glacier Instant Retrievalは、即時にアクセスが必要なアーカイブデータ向けのストレージクラスです。
特徴
- 数ミリ秒以内にオブジェクトを取得できます。
- S3 Standardと同等のパフォーマンスを提供します。
ユースケース
- 頻繁にはアクセスされないが、必要時には迅速なアクセスが必要なデータ。
- 長期保存が必要ながら、瞬時に取得する必要があるデータ。
S3 Glacier Flexible Retrieval
データアーカイブ用に設計された低コストのストレージ
S3 Glacier Flexible Retrievalは、低コストでデータアーカイブに適したストレージクラスです。
特徴
- 数分から数時間以内にオブジェクトを取得可能です。
- データアーカイブに最適な低コストのストレージクラスです。
ユースケース
- 長期保存が必要で、すぐにアクセスする必要がないデータ。
- コストを重視するアーカイブやバックアップ。
S3 Glacier Deep Archive
アーカイブに最適な最も低コストのオブジェクトストレージクラス
S3 Glacier Deep Archiveは、アクセス頻度が非常に低いデータの長期保存に適したストレージクラスです。
特徴
- オブジェクトを12時間以内に取得できます。
- AWSクラウドの中で最も低コストのストレージです。
- 地理的に分散した3つ以上のアベイラビリティーゾーンにレプリケートされ、保存されます。
ユースケース
- 年に1~2回程度のアクセス頻度のデータ。
- 法的、規制上の理由で長期保存が必要なデータ。
S3 Outposts
オンプレミス環境でのオブジェクトストレージ
S3 Outpostsは、AWS Outposts環境内でのオブジェクトストレージを提供します。
特徴
- AWS Outpostsのデータの取得、保存、アクセスを簡単にします。
- オンプレミスアプリケーションの近くにデータを保持することが可能です。
ユースケース
- 厳しいパフォーマンスニーズやローカルデータレジデンシー要件を持つワークロード。
- オンプレミス環境でAWSのスケーラビリティと統合性を活用したい場合。
まとめ
Amazon S3は、その多様なストレージクラスを通じて、さまざまなストレージ要件に対応します。それぞれのストレージクラスは特定のユースケースに最適化されており、コスト、パフォーマンス、アクセス頻度、耐久性などの異なる要因を考慮して選択することが重要です。AWSのS3ストレージクラスを理解し、適切に活用することで、データストレージの効率性とコスト効率を最大化することができます。