EC2 Instance Savings Plansとリザーブドインスタンスの違い
Amazon Web Services(AWS)には、長期的なコスト削減を目的としたEC2 Instance Savings Plansとリザーブドインスタンス(Reserved Instances、RI)という二つの異なる支払いオプションがあります。これらのオプションは、特定の条件下で大幅なコスト削減をもたらすことが可能ですが、それぞれに独自の特徴があります。ここでは、具体例を交えながら、両者の違いとその利用シナリオについて解説します。
EC2 Instance Savings Plans
柔軟なコスト削減オプション
EC2 Instance Savings Plansは、特定のインスタンスファミリー内で、インスタンスタイプやサイズを柔軟に変更しながら、割引を享受することができるプランです。
具体例
例えば、ある企業がm5インスタンスファミリーに対してSavings Planを購入したとします。その後、アプリケーションの需要に応じてm5.large、m5.xlarge、m5.2xlargeなど、同じファミリー内で異なるインスタンスタイプを使用しても、割引は適用され続けます。
特徴
- 使用量に基づく割引: コミットメントした使用量に基づいて割引が提供されます。
- 柔軟なインスタンス選択: 特定のファミリー内でインスタンスタイプを自由に変更可能です。
リザーブドインスタンス
予め確定したインスタンスに対する割引
リザーブドインスタンスは、特定のインスタンスタイプとリージョンに対して、1年または3年の期間で予約し、割引を受けることができるプランです。
具体例
たとえば、企業が特定のプロジェクトに対してc5.largeインスタンスを北バージニアリージョンで1年間使用することが分かっている場合、c5.largeインスタンスのリザーブドインスタンスを購入することで、その期間のコストを削減できます。
特徴
- 事前の確定: インスタンスタイプとリージョンを事前に決定し、一定期間の使用を確定します。
- 大幅なコスト削減: 長期的なコミットメントにより、顕著な割引を享受できます。
EC2 Instance Savings Plansとリザーブドインスタンスの比較
適用シナリオと柔軟性
-
EC2 Instance Savings Plans:
- 需要が予測しにくいまたは変動するシナリオに適しています。
- インスタンスの種類やサイズを頻繁に変更する必要がある場合に最適です。
-
リザーブドインスタンス:
- 需要が安定していて、特定のインスタンスタイプを長期間使用する場合に適しています。
- 事前に使用計画が明確な場合に最適です。
まとめ
EC2 Instance Savings Plansとリザーブドインスタンスは
、AWSのコスト削減戦略の重要な要素です。EC2 Instance Savings Plansは柔軟性に優れ、リザーブドインスタンスは予測可能な使用に対して顕著なコスト削減をもたらします。それぞれのビジネスニーズと使用パターンに応じて、最適なプランを選択することが重要です。適切な選択によって、長期的なコスト効率と運用の柔軟性を実現できます。