「会長の気持ち」
私は4年前に、社内で新しい事業を立ち上げました。
テーマはシニアケアで、企業向け(BtoB)と一般の生活者向け(BtoC)の両方を対象にしたプラットフォーム型のサービスです。
もともと当社は小売業が中心でした。そのため、このような仕組みを持つのは初めてで、社内に前例もノウハウもありません。必然的に、自分自身で答えを探しながら、試行錯誤を重ねてきました。
私が向き合ってきたのは、データを集めて数値を分析するような“数字で答えが出る課題”よりも、むしろ前例がなく、正解がひとつに定まらない“考え方や方向性を探す課題”の方が多かったのです。書物や対話といったアナログで課題を解決してきましたが、昨年ChatGPTと出会い、遅ればせながらテクノロジーのすばらしさと身近さを知った次第です。
「誰も教えてくれない課題をデジタルで解決したい!」
手始めに、LINE BotをMake(旧Integromat)で作成することをスタートしました。第1回目は、誰も教えてくれない「社長の気持ちを知る」をテクノロジーで解決することに挑戦したいと思います! 課題は次の通りです。新規事業につき、定期的に会長、社長にレポートする機会があります。私の報告はどうしても、目の前の課題や直近の出来事に偏りがちです。そのため、全体の方向性や長期的な視点を踏まえた内容にならず、経営層が期待するような“上位目線”での報告に至っていません。その際、上司からは「これは会長の知りたいことではない」「社長の立場で考えなさい」「視座が低い」といった指摘を受けることがあります。「視座添削ツールをLINE BotをMAKEで作成」
私が考えたシナリオは、「書いたレポートを、①会長の視座 ②『7つの習慣』のフィルターを通して添削してくれるツールを作る!」で、それを実現するために、
去年から仲良くなったChatGPTと練った作戦は、以下の通りです。
• 目的
提出直前にAIが会長視点で添削・採点・修正版を即返し、意思決定に必要な形へ自動整形。
• 仕組み
LINEでレポート送信 → Makeが受信・正規化 → LLMに会長視点プロンプト送信 → 結果をLINEでReplyし、Google Sheetsに保存
• 出力型
Executive Summary/会長の3問/数字5点/リスクTOP3/次アクション/スコア+総評/修正版。
• 運用フロー
/checkで採点 → /fixで修正版 → /briefで1枚要約 → 人レビュー → 提出。
• 拡張(v2)
エンティティ抽出、KPI自動補完、質問予測、レーダーチャート化、NGワード即時アラート。
意気揚々と始めましたが、想定より難しかったです。
エラーが頻発しました。
「やむを得ず簡素化を決断」
最終的にできたのがこちらです 名前は「視座Bot」です
・Webhook受信
・HTTP module(OpenAI API呼び出し)
・LINE Reply module
・No branching or conditions, just a stable “send-and-reply” structure
「最終構成図」
・エラー内容は「Invalid reply token」。Reply tokenの処理を試みましたが、解決できませんでした。
「Reply Tokenエラー画面」
LINE側は「会長」と入力したらMakeのData storesに保存したtextがLINE内で返ってくるにとどまりました。
https://x.com/sophia_2017d/status/1957294803777167854
当初は複雑な構成に挑戦しましたが、実装は困難でした
1.フル機能構想(自分のレベルで)
・LINE公式アカウント(Messaging API ON)
・MakeでWebhook受信
・Routerで「会長視点/その他視点」分岐
・OpenAI API(HTTP module)で添削
・分岐ごとに返信を最適化+エラーハンドリングも想定
「フル機能構想図(理想案)」
2.Router構成の実装テスト
・Webhook→Router→HTTP→返信
・固定テキストでは動作確認OK
・Variable mapping({{...}})でエラー頻発
・モジュール順序や接続パターンを複数試す
「Router構成の実装テスト図」
3.Router simplified + direct connection test
・Routerを一時的に外し、Webhook→HTTP→返信の直列構成で動作確認
・変数受け渡しの不具合箇所を特定
・固定テキストと変数を使ったテキストで動作を比較
「Router簡略化+直結テスト図」
誰も答えをもっていない「定性的な悩み」をデジタルの力を使って解決を試みましたが、今回は上手くいきませんでした。学生時代以来、あるいはそれ以上に集中して取り組みました。特に、「RUNONCEボタン」を押すとき、大きな期待と緊張を伴う体験でした。昨年から友達になった「ChatGPT」に頼り、大変助かりました。一方で、私自身が、構造を正しく理解できていないことが多く、彼(ChatGPT)が間違えてしまったときは対処できませんでした。引き続き、真面目にデジタルと向き合い、課題解決めざします!今後も他の方の記事を参考にさせていただきます。