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【2026年8月調査】API・iPaaS・RPAの料金を調べてみた|見積もりのどこが高いのか、42ツールの公開価格を3層に分けた

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「API連携で○百万円」という見積もりを受け取ったとき、その金額が高いのか妥当なのか、判断できませんでした。

いま思えば、判断できなくて当然でした。連携の費用は3つの層に分かれていて、そのうち1つだけ公開価格が存在しないからです。

日本で使える連携ツール42件の公開価格を集めて、この構造を確かめました。

結論から書きます。

① API そのもの → 追加料金なしのことが多い(ただしプランの壁あり)
② つなぎ役(iPaaS・RPA)→ 公開価格が存在する。42件中36件で料金の記載を確認できた
③ 作る人 → ★公開価格が存在しない。個別見積もりのみ★

つまり①と②は自分で調べられます。 見積もりの何割が③なのかは、逆算できます。

総論の記事では、費用を3層(①APIそのもの ②つなぎ役 ③作る人)に分けるところまで書きました。この記事は、公開価格がある②を42ツールぶん集め、公開価格が存在しない③の見積もりを読む手順まで降ります。


1. 費用は3層に分かれています

連携の費用がAPI本体・つなぎ役・作る人の3層に分かれ、公開価格があるのは真ん中だけであることを示した図

何に対する費用か 公開価格 誰に聞くか
① API そのもの APIを利用する権利 追加料金なしが多い ベンダー
② つなぎ役 iPaaS・RPA 等の利用料 存在する ツール提供元
③ 作る人 開発・テスト・保守の人件費 存在しない 開発会社

見積書には、たいていこの3つが混ざった1つの金額が書かれています。だから読めません。

分けて聞けば読めるようになります。順に見ます。


2. ① API そのものの費用

公開API27件から契約の壁つき5件を引くと、そのまま使えるのは22件になることを示した図

「APIを使うための追加料金」を取っているケースは、編集部が調べた範囲ではほとんどありませんでした。

ただし条件があります。契約プランの壁です。

56件のAPI公開状況を調べたところ、「第三者に公開されている」27件のうち5件は特定の契約プランでないと使えませんでした。たとえばSalesforce Sales Cloudは利用できるエディションが決まっています。

つまり①の費用は、API利用料ではなく「プラン差額」の形で発生します。

もう1つ。契約条件が公開資料から読めなかったのが28件ありました。これは料金ページがAPIについて触れていないためです。見積もりの前に聞く必要がある部分です。

2-1. 実際の記述例

楽楽精算は分かりやすい例です。会計ソフトへのCSV出力は利用料に含まれる標準機能(追加費用なし)ですが、**API連携は別途「API連携オプション」**で、金額は非公開・要問合せとなっています。

同じ製品の中でも、CSVは無料でAPIは有料ということが起こります。

ジョブカン勤怠管理のSmartHR連携は、連携そのものの追加料金はありませんが、有料プランの契約が前提です(無料プランでは使えません)。


3. ② つなぎ役の費用 — ここには公開価格があります

つなぎ役の種類 台帳の件数
iPaaS 20
RPA 12
ベンダー純正 7
第三者提供 2
画面操作 1
合計 42

このうち36件は、料金について公式サイトに記載がありました。

ただし**「記載がある」と「金額が書いてある」は別です。** 「要問合せ」「申込書に記載」も記載のうちです。以下に並べるのは、金額まで公開されているものだけです。

3-1. iPaaS の公開価格

iPaaS 11ツールの公開価格を、1製品1本の帯で対数目盛りの上に並べた図。月3,000円のYoomから月48万円〜のHULFT Squareまで。ドル建てのZapierは2024〜26年の為替幅で円換算した目安を薄い帯で示す

ツール 公開されている価格(月額の安い順)
Yoom フリー ¥0/パーソナル 月¥3,000(年契約 ¥2,400)/ミニ 月¥20,000/チーム 月¥50,000/サクセス 年契約 ¥80,000
ASTERIA Warp 自社設置は月3万円〜、クラウド版は月16万円〜
bindit 無料 ¥0/ベーシック 月¥35,000
ActRecipe Standard 月5万円〜(年間契約)
JENKA スタンダード 月5万円+初期10万円(税抜)
AUTORO Lite 5万円/Standard 10万円 ほか
TROCCO Starter 月7.5万円(税抜)〜
Reckoner 初期費用0円・月額8万円〜(ユーザー数制限なし)
Waha! Transformer 自社環境は月13.5万円〜/買い切り360万円〜
HULFT Square Starter 月48万円〜(税抜)
Zapier Free $0(月100タスク)/Professional $19.99/月〜/Team $69/月〜(25ユーザー)

月3,000円から月48万円まで、160倍の幅があります。 これは同じものを比べていないからです。個人が数個の連携を回すのと、企業が大量データを毎日流すのでは、必要なものが違います。

価格だけで並べても意味がありません。 見るべきは自分の要件(連携の本数、1日のデータ量、必要な相手先)に対して、どのプランが必要かです。

図の薄い帯はドル建て(Zapier)です。比べられるように、2024〜2026年のドル円変動幅(おおむね1ドル=140〜163円)で円に換算した目安の区間として載せています。公式の日本円価格ではなく、実際の支払額は決済時のレートで変わります。

なお、iPaaS 20件のうち7件は価格が非公開(要問合せ・申込書に記載)でした。

3-2. ★料金表の段は「回数」で切られています★

iPaaS の料金表を読むときに、金額の前に見るところがあります。その段で月に何回動かせるかです。

Yoom の料金プランは、月に動かせる回数(タスク数)で段が分かれています。

プラン 月に動かせる回数
フリー 100
パーソナル 1,000
ミニ 5,000
チーム 15,000
サクセス 45,000

つまり**「月に何回動かすか」を先に見積もらないと、どの段が要るか決まりません。**

たとえば受注が1日20件あって、1件につき3回の処理(受注の取得・変換・登録)が走るなら、月に約1,800回です。フリーとパーソナルでは足りません。

さらに、繋げる相手の範囲も段で分かれます。 同じ料金ページに「一部のアプリとの連携」と「すべてのアプリとの連携」が段として書かれています。繋ぎたい相手が下位プランの対象外なら、安い段は選べません。

だから確認の順番はこうなります。

  1. 繋ぎたい相手が、どの段から使えるか
  2. 月に何回動かすことになるか
  3. その2つを満たす一番下の段はどれか

金額を見るのは3番目です。

3-3. ★同じ製品でも、上位版は価格を公開していないことがあります★

ASTERIA Warp の価格ページは、下位から順にこう並んでいます。

公開価格
Core 30,000円〜/月
Core + 60,000円〜/月
Core ++ 120,000円〜/月
Standard 200,000円〜/月(年契約)
Enterprise 240,000円〜/月(年契約)
Cloud の Standard / Enterprise お問い合わせください
標準ライセンスの Standard / Enterprise お問い合わせください

下の段は公開されていて、上の段は問い合わせという形です。これは珍しくありません。

そして「〜から」という書き方にも注意が要ります。 30,000円〜/月 は、条件によっては30,000円では収まらないという意味です。何がその金額を動かすのか(接続数・データ量・ユーザー数のどれか)を聞いてください。

3-4. RPA の公開価格

RPA 10ツールの公開価格を1製品1本の帯で並べた図。年額のBizRobo!は12で割った月額換算、ドル建てのUiPathは為替幅で円換算した目安を薄い帯で示し、買い切りのWinActorは帯外に書く

ツール 公開されている価格 単位
Power Automate(デスクトップ) Premium ¥2,248/Process ¥22,488 月額
Coopel 月額 12,800〜100,000円(税抜) 月額
EzRobot 月5万円(税抜)/2台目以降 4万円(税抜) 月額
マクロマン 0/5万/10万円・月(税抜) 月額
MICHIRU RPA 月5万円(税抜)/ライセンス 月額
アシロボ 月5万円+初期20万円(税別) 月額
batton 月148,000円(税込)〜 月額
UiPath ベーシック 月額 $25 から/上位は要問合せ 月額(ドル建て)
BizRobo! 年額 90万〜792万円(税別) 年額
WinActor フル機能版 1,098,680円/実行版 300,080円 買い切り

RPAには買い切りがあります。 WinActorのフル機能版が約110万円、実行版が約30万円という形です。BizRobo!は年額90万〜792万円 — 月額と比べられるように、図では**12で割った月額換算(月7.5万〜66万円)**で載せています。ドル建てのUiPathは、iPaaSの図と同じく為替幅で換算した薄い帯です。買い切りのWinActorだけは月額に直せないので、帯の外に書いています。

EzRobotの「2台目以降 4万円」という書き方に注目してください。 RPAは台数で数えます。理由は次の節です。

3-5. ★RPAの見積もりに入っていないもの★

RPAの見積もりに書いてあるものと、書いていないことがある「動かすパソコン1台」を左右に対比した図

RPAは画面を操作する仕組みなので、操作される画面がどこかに開いている必要があります。つまりパソコンが1台要ります。

  • 夜間に動かすなら、そのパソコンの電源は切れません
  • 人が同時に使うと、RPAの操作を邪魔します
  • つまりRPA専用のパソコンを1台用意するのが普通です

「RPAツールの利用料は月5万円」という見積もりに、このパソコンの費用と置き場所は入っていないことがあります。 仮想パソコン(クラウド上のパソコン)を使う構成もありますが、その場合はその利用料が別にかかります。

見積もりを読むときは、**「動かす場所の費用は入っていますか」**と聞いてください。

3-6. ★人につく料金と、処理につく料金は別です★

RPA の料金表には、2つの単位が混ざっています。Power Automate の価格が分かりやすい例です。

プラン 単位 価格
Premium ユーザー/月 ¥2,248(年払い相当)
Process ボット/月 ¥22,488(年払い相当)
Hosted Process ボット/月 ¥32,233(年払い相当)

「ユーザー/月」は人につく料金です。 使う人が増えると増えます。

「ボット/月」は処理につく料金です。 動かす自動処理が増えると増えます。人が何人いても関係ありません。

この違いが、見積もりの伸び方を決めます。

  • 20人が各自で自動化を作る → 人につく料金が20人分
  • 夜間に3本の処理を無人で回す → 処理につく料金が3本分

「うちは何人ですか」と聞かれた見積もりと、「何本動かしますか」と聞かれた見積もりは、別のものを数えています。 どちらの単位なのかを確認してください。

そして単価の差にも注目してください。 人につく料金と処理につく料金では、10倍の開きがあります。無人で動かすほうが高いのは、人がログインしていなくても動く仕組みが要るからです。

3-7. ベンダー純正の連携は、たいてい無料です

kintone 422件、KING OF TIME 61件など、公式の連携一覧に掲載されている件数を並べた横棒グラフ

これが一番の節約になります。

boardは、freee会計とのAPI連携、マネーフォワード クラウド会計とのAPI連携、弥生会計向けCSVデータ出力の3つとも、boardのプラン料金に含まれると明記しています(この連携のための追加費用なし)。boardのプラン別月額は Personal 1,200円/Basic 2,400円/Standard 4,900円/Premium 7,900円(税抜)、初期費用0円です。

マネーフォワード クラウド会計のboard連携も、同社の料金に含まれています。

つまり、純正連携で足りるなら②の費用はゼロです。 検討の順番を「純正連携から」にすべき理由は、ここにもあります。


4. ③ 作る人の費用 — ここだけ公開価格が存在しません

開発・テスト・保守にかかる人件費には、公開価格がありません。 一律の表が存在しないので、個別見積もりになります。何にかかるのかを書き出すと、こうなります。

作業 中身
API仕様の調査 仕様書を読み、必要な項目があるかを確認する
認証の実装 OAuthやAPIキーの取得・保管・更新の仕組みを作る
データ変換の実装 項目名の対応、コードの対応表、書式の変換
エラー処理 相手が落ちていたら、項目が足りなかったら、どうするか
運用監視の設計 止まったことに、誰がどうやって気づくか
仕様変更への追従 相手のAPIが変わったときに直す

この6つを人件費として積算した結果が「○百万円」です。

4-1. なぜ相場を書かないのか

「相場は○○万円くらい」と書きたくなりますが、書きません。調べていないからです。

編集部が調べたのは①と②の公開価格であって、開発の相場ではありません。調べていないことを、それらしく書くのは避けます。

書けるのは構造だけです。「③には公開価格が存在しない」という事実が、見積もりが読めない理由そのものです。

4-2. ★③は毎年かかります★

連携を作った後に起きること(回数の壁・仕様が変わる・止まる)の3つを並べた図

もう1つ大事なことがあります。③は初期費用だけではありません。

相手のAPIが変われば、こちらも直す必要があります。 編集部が調べた範囲では、仕様変更の告知の仕方は3通りありました。

  • 日付でバージョンを切り、旧版の提供終了日を明示する(HubSpot
  • 最低サポート期間を約束する(Salesforce Sales Cloud
  • 予告なく変更する場合があると書く

3番目に当たった場合、止まってから気づくことになります。 そして直すのは③の人です。

稟議に「保守費」の欄があるのは、このためです。


5. 見積もりの読み方

見積もりを読む5手順を並べた流れ図。つなぎ役を自分で調べ、API本体を聞き、総額から引いて残りを内訳まで聞く

以上を、実際の作業に落とします。

  1. ②を自分で調べる — 使う予定のiPaaSやRPAの公式サイトで価格ページを開く。42件中36件は公開されています。必要なプランの月額を控える
  2. ①を聞く — ベンダーに「いまのプランのままAPIを使えますか。上位プランが必要ですか」。差額を控える
  3. 見積もり総額から①と②を引く残りが③です。
  4. ③の内訳を聞く — 「調査・認証・変換・エラー処理・監視・保守のどこにどれだけかかっていますか」。答えられない見積もりは、精度が低いということです。
  5. 毎年かかる分を分ける — 「初期費用と、毎年かかる保守費を分けてください」。稟議はこの2つで書き方が変わります

6. 補助金の枠があります

いつの呼び方か 名称
2026年〜 デジタル化・AI導入補助金
〜2025年 IT導入補助金(旧称)

国は中小企業のIT導入に支援枠を用意しています。★2026年に名称が変わりました。★過去の記事に出てくる名前で検索すると、別のものや古い年度の情報に当たります。 申請するときは必ず当年の公式サイトを見てください。

申請枠は5つあります。

  • 通常枠
  • インボイス枠(インボイス対応類型)
  • インボイス枠(電子取引類型)
  • セキュリティ対策推進枠
  • 複数者連携デジタル化・AI導入枠

連携ツールがどの枠に当たるかで、要件も上限も変わります。

ただし要件は制度側で決まります。 対象になる経費、対象になるツール(あらかじめ登録されたもの)、申請の時期などが定められています。「補助金で○割戻る」と決めつけず、制度の公式サイトで要件を確認してください。


7. まとめ

  • 連携の費用は3層。①API本体 ②つなぎ役 ③作る人
  • ①はプラン差額の形で出ることがある。 27件中5件がプランの壁つき、28件は条件が読めない
  • ②は公開価格がある。 42件中36件で料金の記載を確認。iPaaSは月3,000円〜48万円、RPAは月2,248円〜年792万円
  • RPAはパソコン1台を占有する。 その費用が見積もりに入っているか確認する
  • 純正連携なら②はゼロのことが多い(boardは3種類とも「プラン料金に含まれる」)
  • ③だけ公開価格が存在しない。 だから見積もりが読めない
  • ③は毎年かかる。 相手のAPIが変わればこちらも直す

見積もりが読めないのは、あなたの知識不足ではありません。
①と②を自分で調べれば、③の大きさは逆算できます。


この記事の調査範囲について

  • 対象は、編集部が台帳に収録した42ツールと、一次調査を終えて公開している56システムです。日本で使える連携ツール全体ではありません。
  • 確認時期は2026年7月28日〜8月19日です。価格は変わります。 発注前に必ず公式サイトで再確認してください。
  • ドル建て価格の円換算は目安です。 2024〜2026年のドル円の変動幅(おおむね1ドル=140〜163円)を機械的に掛けた区間で、公式の日本円価格ではありません。年額は12で割った月額換算で図に載せています(表は原文のまま)。
  • 開発費の相場・目安は書いていません。 調べていないためです。書けるのは「③には公開価格が存在しない」という構造までです。
  • ツール個社の優劣は比較していません。 引いたのは公開価格の実例だけです。プランの中身(連携本数、データ量の上限、対応コネクタ)が違うので、金額だけを並べても比較になりません。
  • 補助金の支給額や採択率は書いていません。 要件は制度側で決まります。

各ツールの公開価格は RenkeiMap で1件ずつ、出典URLと調査日つきで公開しています。各システムの「価格」「契約」欄はこちら

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※ 筆者は日立系ITベンダー・介護ソフトベンダー・大学病院IT部門を経て独立し、現在は中小企業のIT・DX支援をしながら、業務システムの「つながり」を一次資料で調べています。 文中の「編集部」は、筆者が所属する IT連携マップ編集部 のことです。誤りを見つけられましたら 訂正窓口(無料・アカウント不要)へお願いします。訂正履歴も公開しています。

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