GeminiのGemsが廃止されSkillsへ——何が変わるのか、Claude Skillsとどう違うのか
「GeminiのGemsが廃止される」というニュースが流れてきた。自分で作ったGemを業務に組み込んでいた身としては、穏やかではいられない。いつまで使えるのか、何をすればいいのか。
この記事では、2026年9月30日のGoogle公式発表をもとに、Gemsがいつ・どう廃止されるのか、新機能「Skills」が何者なのか、そしてAnthropicの「Claude Skills」とどう違うのかを整理します。
- Gemsがいつ使えなくなるのか、移行までに自分が何かする必要はあるのか
- GemとSkillの仕組みの違い、料金をめぐって報道が二転三転した経緯
- 「Skills」という同じ名前のClaude Skillsと何が違うのか
いつ・何が起きるのか
Googleは2026年9月30日、Geminiのカスタムアシスタント機能「Gem」の廃止と、新機能「Skills」への移行を正式発表した。
移行時期はアカウント種別で異なる。個人のGoogleアカウントは2026年11月17日から既存のGemが自動的にSkillsへ移行を開始する(当初予定の10月20日から延期された)。Google Workspaceのビジネス・エンタープライズ・非営利アカウントは2027年3月、教育機関アカウントは2027年6月が対象になる。
ここで安心していいのは、移行が自動で行われる点だ。既存のカスタム指示、アップロード済みの知識ファイル、Canvasなどのツール設定、共有リンクはSkills形式にそのまま引き継がれる。11月17日を待たずに自分で何かを移行する必要はない。
個人アカウントの移行開始は2026年11月17日。事前の手作業は不要で、既存のGemはSkillsへ自動的に引き継がれる。
GemとSkillは何が違うのか
Gemは「開いて会話するペルソナ」だった。特定の役割を与えたチャット相手をあらかじめ作っておき、使うときはそのGemを選んで会話を始める。
対してSkillは、入力欄で「/」を入力して明示的に呼び出すか、タスクの内容に応じてGemini側が自動的に適用する再利用可能な指示になる。複数のSkillsを同じ会話の中で組み合わせられる点も、単体のペルソナだったGemとの違いだ。
ただし既知の制約もある。SkillsはCanvasやDeep Researchと併用できない。Gemでできていたことがそのままの形でSkillでも再現されるとは限らない。
料金をめぐる混乱と、その後の修正
Gemsは全てのGoogleアカウントで無料だった。ところが発表当初の一部報道では、Skillsの利用にはGoogle AI Pro(月額19.99ドル)以上のサブスクリプションと、常駐型AIエージェント「Gemini Spark」への加入が必要だと伝えられていた。18歳以上・個人アカウント限定という条件に加え、EU・英国・スイス・ナイジェリアは対象外ともされた。
無料だった機能が急に有料化されるとなれば、既存のGemユーザーが反発するのは当然だ。
その後の報道でGoogleはこの制限を修正し、18歳以上の個人Googleアカウントであれば無料でSkillsを利用できると明言した。Skillsはもともと2026年のGoogle I/Oで発表されたGemini Spark専用のタスク機能だったが、Gems廃止のタイミングで無料開放した形になる。地域制限が今後も維持されるかは、2026年10月時点ではまだ明言されていない。
なぜ「Skills」という名前なのか
ここで引っかかるのが名前だ。Googleの新機能「Gemini Skills」は、Anthropicがすでに展開している「Claude Skills」と同じ名前を使っている。
両者は仕組みが異なる。Gemini Skillは、利用者が意図的に呼び出すか、タスクに合わせてGemini側が適用する指示セットだ。一方のClaude Skillは、Claudeがリクエストの内容に応じて自律的に読み込む、手順やスクリプトを含むファイル一式になる。ペルソナの延長線上にあるGemini Skillと、プラグインに近いClaude Skillでは、設計の出発点がそもそも違う。
「Gemini Skills」と「Claude Skills」は名前が同じだけで、中身は別物。両者を同一視したまま使い方を調べると、見つかる情報がちぐはぐになる。
もっとも、この混同は今回の名称変更で急に生まれたわけではない。Gemini GemsとClaude Skillsは、名称変更前からすでに別カテゴリーのものとして混同されがちだった。Googleが機能名を「Skills」に揃えたことで、この混同はさらに起きやすくなったと見ておいたほうがいい。
研究現場でのGemini/Claude使い分けの実感
研究現場では、Gemini Gemを論文の分析に使っていた時期がある。読ませたい論文の傾向や着目してほしい観点をGemにあらかじめ組み込んでおき、新しい論文を読ませるたびに同じ視点で分析させる、という使い方だ。
Claude Skillsは、これとは発動の仕方が逆になる。エージェント側が、事前に用意されたSkillの中からタスクに合うものを自動的に選んで実行してくれるため、毎回どのGemを開くか選ぶ手間がない。
その代わり、意図していなかったSkillが読み込まれることも実際に起きる。どちらが優れているというより、手間の少なさと制御のしやすさのどちらを取るかという一長一短のトレードオフだと捉えている。Googleが今回、ペルソナ型のGemから自動適用もできるSkillへ舵を切ったのは、Claude Skillの自動発動モデルに寄せた動きとも読める。
今、何をすべきか
- 個人アカウントなら、2026年11月17日より前に慌てて移行作業をする必要はない(自動移行)
- よく使うGemの「カスタム指示」の内容は、念のため手元にコピーしておく(移行後の挙動を確認するまでの保険)
- CanvasやDeep Researchと組み合わせてGemを使っていた場合は、Skill移行後にその組み合わせが使えなくなる可能性を踏まえておく
- 「Gemini Skills」と「Claude Skills」を混同せず、調べ物をするときはどちらの話か都度確認する
まとめ
- GeminiのGemは2026年9月30日に廃止が発表され、個人アカウントは2026年11月17日から自動でSkillsへ移行する。事前の手作業は不要
- GemはペルソナのようなSkillは意図的に呼び出す、または自動適用される指示セットという違いがある。CanvasやDeep Researchとの併用はできない
- Skillsの料金は当初有料プラン必須と報じられたが、その後18歳以上の個人アカウントなら無料と修正された
- 「Gemini Skills」はAnthropicの「Claude Skills」と名前が同じだが仕組みは別物。手間の少なさと制御のしやすさのどちらを取るかという一長一短のトレードオフがある
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