第1章:【VPS初期構築ガイド①】立ち上げ直後に必ず行う5つの初期整備
(AlmaLinux 10/X-SERVER VPS対応)
VPS や EC2
を立てた直後のサーバーは、何も信頼できない完全な素の状態です。
OS やパッケージは古いまま、署名鍵(GPGキー)も最新でない場合があります。
この状態で構築を続けると:
- dnf update が途中で止まる
- 署名エラーが発生する
- セキュリティ警告が出る
- 時刻ずれで SSL が通らない
- firewall/SELinux の設定が不整合になる
といった "後戻りの効かないトラブル" を招く可能性があります。
👀 まず確認してみよう
初回ログイン直後(root ログイン想定)で以下を実行してください。
cat /var/log/secure
すると、まだ何も設定していないにも関わらず世界中からの SSH 不正アクセス試行が始まっていることが分かります。
これは「急いで守れ」という警告ではありません。"守る準備がまだ整っていない" という事実を知る工程です。
📚 守る前に整える:VPS初期構築ガイド(シリーズ目次)
| 章番号 | 記事タイトル |
|---|---|
| 第1章(本章) | 【VPS初期構築ガイド①】立ち上げ直後に必ず行う5つの初期整備 |
| 第2章 | 【VPS初期構築ガイド②】GPG署名エラーの仕組みと安全なパッケージ更新(dnf/rpmの信頼モデル) |
| 第3章 | 【VPS初期構築ガイド③】OS更新と時刻同期(chronyd)・ログ管理(rsyslog)の基礎 |
| 第4章 | 【VPS初期構築ガイド④】SSHセキュリティ(root禁止・鍵認証・ポート変更) |
| 第5章 | 【VPS初期構築ガイド⑤】firewalld・SELinuxの基本理解と安全な設定 |
| 第6章 | 【VPS初期構築ガイド⑥】fail2banによる不正アクセス防止と監査ログ(auditd)の活用 |
本シリーズでは、X-SERVER VPS/AlmaLinux 10 をベースに、初心者〜中級者が「つまずかないための構築順序」をまとめています。
⚙️ 前提条件
このシリーズは、以下を満たす読者を想定しています。
- 対応環境:AWS/さくらVPS/ConoHa/X-SERVER VPS 等
- 必要知識:Linux 基本コマンド・vi 操作
- 想定ユーザー:Windows利用者(Mac でもサーバー操作は同一手順)
💡 参考記事
基本操作が不安な方はこちらもどうぞ👇
👉 難しくない、慣れればできる!VPS で始める Linuxサーバーの基礎コマンドと vi の使い方
💬 次回予告
次章では、最初のつまずきポイントとなる**「GPGキーの更新と署名エラー対策」** を徹底解説します。
これをスキップすると、dnf update の途中で署名エラーが発生し、システム更新が止まる可能性があるため、最初に理解しておくのが重要です。
📝 まとめ
- VPS は立ち上げた瞬間から世界中に公開されている
- だからこそ「守る前に整える」工程が重要
- 信頼できる環境は、初期整備から始まる
🧩
このガイド全体を通して「セキュリティを習慣化する構築手順」を紹介します。
次回:「【VPS初期構築ガイド②】GPG署名エラーの仕組みと安全なパッケージ更新(dnf/rpmの信頼モデル)」へ続きます。