動機
ブラウザでwebページを調べていると、webの広告が自分のwebページの閲覧履歴によってカスタマイズされていることに気づいた。ブラウザを運営する企業の商業的な戦略だと分かるが、あまりにも巧妙であり、私たちは気づかないうちに個人的なweb上での営みの情報を抜き取られているのだと知った。そこで、自分の情報が漏れないようにするようにするために調べたところ、プライベートブラウザを使用すれば良いことを知った。しかし、ブラウザを使用する全員がプライベートモードを使用し、完全に個人の閲覧の履歴をシャットアウトできるようになると、企業は広告をカスタマイズすることができなくなり、利益を上げることができなくなるのではないかと思った。したがって、プライベートモードにはどれほど威力があり、それぞれのブラウザを運営する企業でどれほど違いがあるのか調査しようと考えた。
全てのwebブラウザのプライベートモードに共通するもの
プライベートブラウジングは、プライベートウインドウ内にパスワード、Cookie、ブラウジング履歴を保存せずにブラウジングできます。ウェブサイトからファイルをダウンロードした場合、コンピューター上に残りますが、Firefox のダウンロードマネージャ―に表示されません。また、プライベートウインドウ でウェブサイトをブックマークした場合、ブックマークリストに残るでしょう。
上記の内容より、プラベートモードを使用することによって保存されないものがあることがわかる。
しかし、これらが保存されないのは、プライベートウインドウを閉じた後であり、閉じるまでは一時的に保存されている。よって、webサイトではプライベートウインドウが開いている最中にはコンテンツがカスタマイズされる。
プライベートモードを使用しても、以下の組織には自分のアクティビティは見られている
・あなたが訪問しているサイト
・インターネットプロバイダー
・雇用主または学校
※webブラウザによってプライベートモードの呼び方が異なるが、ここではプライベートモードに統一
ブラウザのベースとなっているオープンソースによる分類
ブラウザにおけるベースとなっているオープンソースは各ブラウザの公式情報に記載のある場合はそれを採用し、記載のない場合はこちらを参考にさせていただいた。ベースとなっているオープンソースとしては主にChromium及び、Firefoxであり、その他としてSafariがあった。同じベースを使用しているブラウザは似たようなUIをし、プライベートモードにおける制限もそのまま同じものを使用している場合もあった。よって、以下では各ブラウザのプライベートモード及び、プライベートモードにおける制限を記載する。
Chromiumベース
Google Chrom
プライベートモードを使用すると:
○プライベートウィンドウを全て終了した際にChromeに保存されない情報
・閲覧履歴
・Cookieとサイトデータ
・フォームに入力した情報
・ウェブサイトに許可した権限
SRWare Iron
プライベートモードにおける制限の説明画面がGoogle Chromのサポート画面になっているため、Google Chromと同様のプライベートモードの制限を使用していると考える。
Opera
OperaのプライベートモードのUIはGoogle Chromeとほとんど一緒であるが、プライベートモードにおける制限の説明画面はOpera独自のものとなっている。以下はOperaのプライベートモードを使用することでの制限の説明。
プライベートモードを使用すると:
○プライベートウィンドウをすべて終了したとき、operaに保存されない情報
・Cookieや履歴などの全ての閲覧データ
○保存されるもの
・意図的に保存されたコンテンツ
・スター付けしたページ
Brave
BraveはChromiumをベースとしているため、プライベートモードにおける制限の説明画面はGoogle Chromeと似たようなものになっていたが、UIはBrave独自のものとなっている。
プライベートモードを使用すると:
○プライベートウィンドウをすべて終了したとき、braveに保存されない情報
・インターネットの閲覧履歴
・フォームデータ
・Cookie
・サイトデータ
ただし、ブックマークは、通常のウィンドウでも表示されます。
Microsoft Edge
Microsoft Edgeは
プライベートモードを使用すると:
○プライベートウィンドウをすべて終了したとき、Edgeに保存されない情報
・閲覧履歴
・ダウンロード履歴
・Cookie
・その他のサイトのデータ
・キャッシュされた画像とファイル
・パスワード
・オートフィルファームデータ
・サイトのアクセス許可
・ホストされているアプリのデータ
○プライベートモードにすることで実行されないこと
・Webサイトが正確な場所を要求すること
・閲覧履歴をMicrosoftアカウントへ関連付け及び、製品改善のためのデータ使用
・オンラインフォームに入力された新しいパスワード、アドレス、または情報の保存
・設定をした場合に、トラッキングの防止
Sleipnir
プライベートモードは存在するが、プライベートモードに関する説明なし
Sleipnirのプライベートモード
Firefoxベース
Firefox
プライベートモードを使用すると:
○プライベートウィンドウを全て終了した際にFireFoxに保存されない内容
・表示したページの履歴
・フォームと検索バーの入力履歴
・ダウンロードリスト
・Cookie (プライベートウインドウにおいてCookieは、通常のウインドウのCookieとは別のメモリーに一時的に保存され、プライベートウインドウが閉じられたときに破棄される)
・ウェブキャッシュファイル
・設定をすることなく、トラッキングコンテンツの防止
Waterfox
プライベートモードに関する説明画面がFirefoxのサポート画面になっているため、Firefoxと同様のプライベートモードの制限を使用していると考える。
Floorp
Waterfoxと同様に、プライベートモードに関する説明画面がFirefoxのサポート画面になっているため、Firefoxと同様のプライベートモードの制限を使用していると考える。
Safiriベース
プライベートモードを使用すると:
○プライベートウィンドウを全て終了した際にSafariに保存されない情報
・検索履歴(スマート検索フィールドを使用した場合)
・表示したWebページや自動入力の情報
・タブの情報(開いているWebページはiCloudに保存されず、ほかのデバイスですべてのタブを表示したときにそこに表示されない)
・ダウンロードした項目(項目そのものはコンピュータに残る)
・CookieやWebサイトのデータの変更
○その他
・1つのタブで開始された閲覧と別のタブで開始された閲覧はそれぞれ独立しているため、表示しているWebサイトは複数のセッション間でユーザをトラッキングできない。
・Handoffを使用する場合、プライベートウインドウはiPhone、iPad、iPod touch、またはほかのMacコンピュータに送信されません。
結果
プライベートモードの制限としては、Chromiumをベースとしているブラウザでは大体Google Chromeと同じ物を使用している。OperaはUIがGoogle Chromeとは異なるが、プライバシーモードで制限するものとしては同じである。Microsoft Edgeは、Webサイトが正確な場所を要求すること及び、設定をすることでトラッキング防止をするといった独自の制限を設けている。
Firefoxをベースとするものは、UI及び、プライバシーモードにおける制限はFirefoxと同じものを使用していた。これは、Firefoxがプライバシー保護に優れているブラウザであるからではないかと考える。Firefoxの特徴としては、特に設定をしなくてもトラッキング防止をすことだと考える。
今後はトラッキングの仕組み及び、トラッキングがブラウザにどのように影響を与えているのかを調査する。
参考文献
・Google Chorome ヘルプ
・Safariユーザガイド
・mozillaサポート
・brave ヘルプ
・Orera ヘルプ
・Microsoftサポート